大切なのは6秒間?怒りをコントロールするアンガーマネジメント

怒りをコントロールする方法(アンガーマネジメント)

人には“喜怒哀楽”という基本的な感情が備わっています。その感情はポジティブなものもあれば、ネガティブなものも存在します。中でも“怒り”の感情は、場合によっては相手を傷つけたり自分に罪悪感をもたらしたりすることも少なくありません。そのため、なるべくなら自分で鎮静化させたいところですよね。そこで今回は、「怒りをコントロールする方法(アンガーマネジメント)」をご紹介いたします。

■何もせずに待つ“怒り回避”のための6秒間

イライラや怒りの感情の湧き起こりを、自分の中でコントロールする方法を、心理学においてはアンガーマネジメントと言います。そして人の怒りの感情のピークは開始から6秒までと言われていて、6秒以降からはイライラが収まり、冷静になれると言われています。人間は感情の生き物なので、論理よりも感情の方が速く表に出てしまうのです。だからこそ、6秒間だけ辛抱してみましょう。きっと怒りが冷めていることに気づくはずです。

■相手を「この人はこういう人」と決めつける

怒りのコントロールには、相手の腹だたしい部分をどう受け止めるかが重要だと言えます。心理学者リチャード・ラザルスは“ストレスコーピング”という概念を通して、ストレス状況に対する自分の感情や行動をコントロールしたり、その環境を変えて自分を成長させることの大切さを説きました。例えば、腹が立つ人に対しては「この人はこういう人なんだ」と決めつけるようにすると、相手への期待もなくなり怒りも収まるはずです。ラベリングすることで、仕方ないと感じてあなた自身の怒りが収まるのです。

■早口禁止!あえてゆっくりとした口調で話す

怒っているときは、どうしても語気が荒くなったり口調が早口になってしまいがちですよね。人は怒って興奮すると、早口で大声になる傾向があるとされます。そこで、怒ったときは、あえてゆっくりと穏やかな口調で話すことを心がけましょう。そうすれば、たかぶっていた交感神経が副交感神経へとシフトするため、次第に怒りの感情も抑えられていくはず。余裕をもって一呼吸置くことで、たいていの怒りはコントロールできるようになるのです。

■鏡やコンパクトでどんな顔をしているかチェック

怒りやイライラの感情は、ノルアドレナリンという脳内物質が作用しています。それが心を興奮させ、場合によっては攻撃態勢に入り言葉が次から次へと出てくるでしょう。そういった感情を止める方法として効果的なのは、「鏡を見る」ということ。心理学においては、鏡は自分を客観視させる一番のツール。自分がどれだけ激しく怒っているかを見れば、ハッと目が覚めるでしょう。なぜなら、怒っているときの表情のほとんどは、醜く感じるため。人は醜く怒る自分を直視したくないため、我にかえりスッと表情も感情もニュートラルに戻るのです。

怒っているときは、自分を客観視できないことがほとんど。自分の正当性を主張したり、相手の間違いを正そうとするうちはまだいいかもしれません。しかし、感情的になって相手を攻撃しているときの自分を想像するのは、なかなか難しいもの。なぜなら自分を主観的に見ることができなくなっているからです。もしもあなたが怒りをコントロールしたいなら、怒っている自分を認めて、客観的に自分を眺めてみましょう。そんなに怒りをむき出しにするほどではないと冷静になれるはずです。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。