周りにもいる?仕事をリモートに切り替えられない人の心理

仕事をリモートに切り替えられない人の心理

まだまだ取り入れることができている企業は少ないものの、最近ではリモートワークが浸透しつつありますよね。でも、そこに対応できない人も一定数いるもの。果たして“やらない”のでしょうか、それとも“やれない”のでしょうか。そこで今回は、「仕事をリモートに切り替えられない人の心理」をご紹介いたします。

■直接会わないと仕事はできないものと思い込んでいる

心理学者のアルバート・メラビアンは、コミュニケーション理論に関してさまざまな実験を行い、発見をしました。それは「人は会話内容以外から9割の情報を得ている」ということです。視覚情報が5割以上を占め、次に口調などの聴覚情報が4割を占めます。話の内容や中身はたったの7%。1割以下しか意識していないのです。そのため、リモートワークだと人と仕事をする上での情報が非常に少なく、限られた情報からやり取りをしなくてはいけません。そのため、対面メインで仕事をしてきた人にとっては、何となくやりにくいという無意識のめんどくささを感じてしまうのでしょう。

■新しい概念を取り入れたくない

リモートワークに切り替えられない人は、いつも「これまでのやり方」に従って行動している傾向が強いと言えます。いわゆる保守的で、新しい慣習に対して抵抗を感じてしまいがちだと言えます。そのため、前例のないやり方に苦手意識を覚えるという心理にとらわれてしまうのです。これまでやってこなかったことを、あえてする必要はないという考え方なので、自分からリモートワークに取り組んだり、仕事のスタイルを変えようとはしないでしょう。

■パソコン・ネットに疎く変化するのが怖い

パソコンやネットなどの情報機器・環境に長けている人もいれば、疎い人もいますよね。リモートワークは、どうしてもデジタルなやり取りが増えるためPCを扱うのが苦手な人にとっては、ハードルが上がってしまいます。そのため、いつもと同じ自分のやり方に固執する結果に。その特徴的な心理のひとつは、変化に対する恐れ。変化が怖い人は、いつもと同じ時間、いつもと同じ作業など自分の慣れたやり方で進めていくことに安心を感じるのです。もしかすると、リモートワークに切り替えるのが怖いという心理があるのかもしれません。

■近くに家族がいて仕事に集中できない

家でリモートワークをするといっても、ずっと部屋にこもってデスクにいるわけではありませんよね。ソファに座ってパソコンを置いてオンライン会議に参加したり、パートナーとダイニングテーブルに並んで仕事したりすることもあるでしょう。しかし、家族からすると昼間からあちこち移動されることが迷惑だったり邪魔だったりするかもしれません。特に、自室がない人にとってはかなりのストレスになるはず。そのため、バツが悪くリモートワークでは自分のポテンシャルを発揮できず、苦手意識を持ってしまっている場合も。部屋の間取りを工夫したり、集中できる場所を見つけるなど環境づくりから入らないと、導入できないと感じるでしょう。環境づくりは心理的パフォーマンスも左右するのです。

 

リモートワークに切り替えるためには、自分の頭の中をアップデートしなくてはいけません。しかし人はそれほど柔軟に新しいやり方に対応できません。この傾向は女性より男性のほうが強く、年齢が高くなればなるほど保守的になってしまいます。そこで大切なのは、まず“環境”から変えていくことです。たとえば、仕事に集中できる間取りや部屋づくり、そして扱いやすいPCやその周辺機器。ストレスを感じずにワークに取り組めて、さらにモチベーションを上がられる環境なら、自然とリモートに移行できるはずです。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。