職場の人間関係がストレスすぎて転職したい…辞めるべき?
何かとストレスが多い「仕事」のシーン。
仕事内容もそうですが、「職場での人間関係」について、ときには転職を考えるほど悩む方も多いですよね。
全員と仲良くなれればいいけれど、そういうわけではない。上司がひとり変わっただけで、同僚がひとりいなくなっただけで一気につらくなることもあるものです。
今回は読者の方から寄せられたお悩み「職場の人間関係がストレスすぎるとき、転職すべきか否か」について、「精神看護学」や「ポジティブ心理学」を専門とし、「セルフ・コンパッション(※自分への思いやりのこと)」を研究テーマとしている東京医療保健大学の秋山美紀先生にうかがいました。
【今回のテーマ】職場の人間関係がイヤすぎるとき、転職してもいいですか?
Q.大規模な異動が起き、自分がいる部署の人が一気に変わりました。それまでは仕事も楽しいし、人間関係で悩むこともさほどなかったのですが、上司が変わった瞬間に部署の方針も変わり、人間関係もうまくいかず、仕事を辞めたい……という気持ちでいっぱいです。
A.前を引きずらず、心機一転頑張ってみる。難しければ「仕事に求めること」を一度考えてみてください
今までの環境ががらりと変わると、不安になりますよね。
まだ今のあなたは新しい環境に慣れていない、ということもあると思います。それに、前の人間関係に比べると、知り合ったばかりの同僚とは、まだお互いを探り合う段階で信頼関係までに至っていないのだと思います。
きっと、以前のメンバーがいい方ばかりで楽しかったのでしょうね。「前はこんなんじゃなかったのに」と、つい前の職場環境と比較してしまうことはないでしょうか。でも、前の環境を引きずってしまうと、新しいメンバーもいい気持ちはしませんよね。心機一転、真っ白なキャンバスに絵を描いていくような気持ちになってみてもよいかもしれません。
前の職場環境で、居心地がいいと感じられるようになるまでは、どんな努力を要しましたか? それを思い出してみてもいいと思います。もしも耐えられないほどイヤだというわけでなければ、今のメンバーで、今の環境で、少し様子を見てもいいと思います。
3か月~6か月ほどは、様子を見てみましょう。(一般的に、適応障害はストレスフルな出来事があってから3か月以内に発症し、ストレスがなくなれば6か月以内に改善するといわれていることから、このくらいの期間の様子見が妥当かと思われます)
それでも仕事を辞めたい、転職したいと思ったときは「自分は仕事や会社に何を求めているのか」ということを、この機会にじっくり考えてみるとよいと思います。「みんな楽しく仲良く仕事をすること」を求めているのでしょうか。それとも「自分の力を発揮すること」や「自分が成長したい」でしょうか。転職するのであれば、自分なりに「仕事とは」「会社とは」という答えを出してからでも遅くはないと思います。
とりあえず、お昼休みなどに、気の合いそうな同僚と、他愛ない話をしてみることから始めてみませんか。
東京医療保健大学 医療保健学部 准教授 秋山美紀先生
保健学博士、看護師、保健師
精神看護学・ポジティブ心理学を専門とし、「セルフ・コンパッション」を研究テーマとしている。