全自動で家事をする家電、仕事をしてくれるロボット。
少し前までSF映画の特権だった生活が、どんどん現実のものになっています。
その反面、「テクノロジーの進化が人間から仕事を奪う」とか「◯年後には仕事の××%はなくなっている」なんて言葉も目にするようになりましたが、それって本当なんでしょうか?
デジタル化の影響で人間の仕事が減るのかどうか、本当のところを世界の雇用主に聞いてみましょう!
▼デジタル化で社員数は…むしろ「増える」?
マンパワーグループでは、日本を含む42カ国の雇用主20,000人を対象に【オートメーションが労働力に与える影響】を調査。
オートメーション、つまりデジタル化が今後2年間の社員数に与える影響をズバリ質問しました。
すると「社員が増える」もしくは「減る」と答えた雇用主の割合は、次のような結果になったのです。
◆Q.オートメーションは今後2年間の社員数にどのような影響を与える?(世界42カ国/20,000人の雇用主の回答)
【世界の結果】
変わらない 66%
増える 20%
減る 10%
分からない 4%
ちなみに、日本のみでは次のような結果に。
【日本の結果】
変わらない 58%
増える 18%
減る 13%
分からない 11%
なんと世界でも日本でも、仕事のオートメーション化で社員数は「増える」と答えた雇用主の方が多かったのです。
アンケートを見ると、世界の86%(日本では76%)の雇用主が「社員数は現状維持もしくは増加」を予定していることが分かります。安心はできたものの、ちょっぴり不思議です。いったいどうして仕事は減らないのでしょうか?
▼今後2年、社員数が「増える職種」と「減る職種」
その疑問は、次の質問にヒントが隠れていそうです。同じアンケートから、デジタル化で社員数が増える部門と減る部門をそれぞれ見てみましょう。
社員数が一番増えそうなのは「IT部門」。これは納得ですね。新しい技術を導入すれば、それに対応するIT部門の人が必要になります。
さらに「営業・接客」「製造・生産」といった部門も人数が増えそうです。AIが進歩しているとはいえ、人間にしかできない仕事はまだまだあると、偉い人たちも感じているのでしょう。
逆に、人員が減っていく傾向にあるのは「総務・事務」の部門です。「財務・会計」「人事」といった部門も、これに続いて減少傾向にあります。
これらの職種では、デジタル化による仕事の効率アップが進むと少人数でたくさんの仕事をこなせるようになると考えられているようです。
増える職種はともかく、減る傾向が見られる職種に就いている人はちょっと心配になってしまうかも……。将来にわたり必要とされる人材でいるためには、どうすれば良いのでしょうか?
アンケートから浮き彫りになったポイントを2つご紹介します。
▼ポイント(1)人間ならではの強みを伸ばす
同調査によると、雇用主の多くが「欲しいスキルを持つ人ほど、見つけにくい」という人材探しのジレンマに悩んでいるようです。
「こんな人がいたらぜひ欲しい」と雇用主が感じるスキルとは、
・コミュニケーション能力
・連携力
・問題解決力
・業務遂行能力
・顧客対応力
・リーダーシップ
・管理能力
といったもの。とくに「コミュニケーション能力」は、日本の場合56%の雇用主が「重視する」と答えています。
デジタルではなかなか再現できない人間らしいスキルが、あなたの強みです。自分に合ったものを選んで磨いていけば、将来の可能性も大きくひらいていくでしょう。
▼ポイント(2)新しいことを吸収し続ける
最先端の機器でも、数年後には使えなくなったりする時代です。技術が進化するスピードは年々速まってきており、ついていくだけでも大変ですよね。
ということは逆に、変化に柔軟に対応していける人が重宝されると言えます。
べつに、最先端のものをすべて把握していなければならない、ということではありません。自分のできる範囲でいいので「新しいスキルを吸収しよう」とする意欲を持つことが、今後のキャリアにプラスに働くということです。
公私ともに好奇心を持って、新しいことにチャレンジしていきましょう! それがイマドキの「デキる人材」になるコツと言えそうですよ。
(豊島オリカ)
情報提供元:マンパワーグループ株式会社
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