なんなの?扱いに困る「怒りっぽい人」の特徴
ちょっとした事ですぐに激高してキレる人って怖いですよね。短気と言ってしまえばそれまでですが、もしかしたらその人にはその人なりの生きてきた環境や考え方のクセがあるのかも。そこを理解しておくことで、何に対する怒りなのかを知ることはできるかもしれません。そこで今回は、「怒りっぽいと思われる人の特徴」をご紹介いたします。
■怒ることで相手を支配できると考えている
心理学者アルフレッド・アドラーの目的論によると、人は達成したい目的があるため、あえて怒りの感情を表出させるとされています。実は、怒ることで他人を支配したい、主導権を握りたいという願望を持っている人は少なくありません。
発奮する原因になりそうなことをあえて見つけて、その原因を探して怒っているケースは意外と多いのです。そのため、怒ることで相手をコントロールできると考えているといえます。
■無意識的に自分の弱さを隠したいという願望がある
怒りっぽい人の根底にある心理には、自分の弱さを見られることの「恐怖」が潜んでいる場合も。怒りを出すことで、自分の弱さを見られる恐怖を隠しているのです。
自分が本当は弱い人間であることを他人に知られてしまうことで、傷つくのを避けたいというわけです。そのため、ちょっと冗談めかしてイジった場合に、急にキレてくるようなら、それは自分が傷つくことを避けたいという思いが秘められているのです。
■自分への自己嫌悪が投射され他者を攻撃している
人の心は大変複雑です。受け入れらない部分や嫌な部分が自分の中にあれば、本来自分自身を責めるはずです。しかし中には、いわゆる自己嫌悪や不満足の状態のときに、自分への叱責を相手に向けて発する場合も少なくありません。これを防衛機制のうち投射といいます。
自分で受け止めがたい負の感情を相手にも見つけると、そこを烈火のごとく叱る場合がこれに当たります。そうして相手を攻撃することで、心の葛藤を少しでも和らげているケースもあるのです。
■親しい相手への愛情を求めて怒り発露させている
怒りは何も相手への憎しみから発せられるものだけではありません。愛情が転嫁されて表現されることも少なくないのです。恋人や親友など一定の親しい関係にある場合、人は相手に期待や好意をかけてしまいがちです。
それを裏切られたと感じると、苛立ちや不満をつのらせ怒りを表出する結果になる場合も。身近な人に対して怒りを感じているときには、その裏側に寂しさや悲しみの感情があります。そのため、相手からの愛情を求める場合にも、怒りは生じてしまいがちなのです。
怒りは別の言い方をすると、情熱の裏返しだともいえます。何かしらの強い感情が心の奥にあるがゆえに、それをコントロールできずネガティブな行動をとった結果でもあるのです。そのため、怒りを抑圧すると情熱も抑圧されてやる気が無くなります。喜怒哀楽といった基本的な感情の中にも含まれるように、怒り自体は悪いものではありません。しかし、表出のさせ方によっては、社会的に不適応である場合も少なくありません。どう表現するかが大切なのですね。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、現在テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。