緊張したときに心身をリラックスさせるための心理テクニック4選
人生において、緊張した経験がない人は恐らくいないでしょう。何か大事な局面に向き合うと、心臓はドキドキし手に汗を握ってしまうもの。そうなると、パフォーマンスを発揮することができなくなってしまいますよね。一体どうすれば、緊張を克服できるのでしょう。そこで今回は、「緊張したときに心身をリラックスさせるためのテクニック4選」をご紹介いたします。
■ありのままの自分を受け入れる“現実自己の認知”
緊張とは、ストレスを感じている状態のことを指します。あなたが緊張をしていると、自分本来の魅力を発揮できなくなるため、まずは心をリラックスさせることが大切です。アメリカの心理学者カール・ロジャーズは、もともと人には自分で自分の心の健康を回復させ、成長させようとする力があると考えました。しかし、失敗したくない気持ちが強すぎると不適応状態になってしまいます。そのため、まずは“現実自己の認知”つまり、ありのままの自分を受け入れることからスタートしてみましょう。
■自分を解放するための“イラショナル・ビリーフ”
緊張の原因は、あなた自身の思い込みであることも少なくありません。目の前の現実は同じですが、認知のしかたによって心の在り様は180度変わってしまうのです。もしもあなたが緊張してしまいやすい体質なら、次の4つに問題がないか考えてみてください。
①~しなければならないという思いにかられている
②悲観的である
③自己卑下のクセがある
④欲求不満に耐性が低い。
これらの思い込みを“イラショナル・ビリーフ”と言います。ここから自分を解放することで、緊張することのない自分に変わっていけるはずです。
■短所を後から伝える“ロー・ボール技法”
大事な局面を前にすると、失敗したくないという気持ちが強くなってしまい、卑屈になり自分のダメな部分を出してしまいがちです。しかし、過去の経歴や家柄などを事細かに伝える必要はありません。むしろ自分は魅力的な人間ですよ、と長所だけをアピールしてみましょう。こうした技術は、心理学の世界では“ロー・ボール技法”と呼ばれています。まずは美点を伝えてから、自分の短所を知ってもらえた方が緊張も緩和するはずです。
■正面に見据えず“横向き”を意識する
例えば、あなたが大勢の人の前でスピーチをすると思い浮かべてください。正面から向き合っていると、何だかドキドキして言いたいことを言えないのではないでしょうか。この心理状態を、心理学者スティンザーは正面の相手とは対立しやすいと明らかにしています。隣同士の人とは同調しやすいのですが、正面の相手とは緊張関係になってしまうのです。そのため、重要な局面の際は、なるべく向かい合うのは避けて斜めに立つように心がけましょう。きっと緊張もほぐれるはずです。
おわりに
緊張は一見すると悪いことのようですが、実はよい要素もあります。それは、気楽に構えれることができるようになることで、プラスのイメージになりいいパフォーマンスを発揮できるという点。“緊張”を“テンション”に昇華することができれば、恐怖から解放されるのです。緊張は決して悪い要素だけではありません。適度な緊張はあなたの能力を高みへと導く起爆剤にもなり得るのです。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。