コンビニコーヒーのサイズを間違えたら窃盗罪?詐欺罪?弁護士に聞いてみた【法律Q&A】

先日、あるニュースが話題となりました。

それは、コンビニコーヒーを、自分が購入したものより高いものを入れ続けていたら逮捕された、というもの。
素人目線でも「注文したものより高いものを入れ続ける」ということをしたら何かの罪で犯罪なことはわかりますが、ではもしうっかり、1回だけ間違って違うボタンを押してしまったら、どこからどのような犯罪になるのでしょうか……?

多くの刑事事件を手掛ける弁護士、宮崎翔太さんにうかがいました。

 

コーヒー
(c)Shutterstock.com

Q.コンビニコーヒーを「S」で買ったのに、「M」のボタンを間違って押してしまい、まぁ1回ならいいかと申告せずにそのまま持って帰ったら、犯罪ですか?


いずれにせよなんらかの犯罪になることは間違いありませんが、どの罪になるかは、実は、専門家でも意見が分かれる難しい問題です。

大きいサイズのものを押したり、異なる高い商品のボタンを押してしまったなど、自分が買ったものより高い商品のボタンを「間違って」押してしまった場合は、どの時点で「間違った」ことに気づいたかがポイントになります。

<お店の外で気づいた場合>

まったく無意識でMサイズを押していて、お店の外に出てから「なんか多いな?」と気付くなど、お店の外までボタンを押し間違えたことに気づかなかった場合は「占有離脱物横領罪」という罪になります。(これは、公園のベンチで誰かが忘れていったものをネコババした……というときなどに成立するものです)。

<お店の中で気づいた場合>

一方、お店の中で間違って押したことに気づいた場合。店員さんにいつ指摘されてもおかしくない状況にありながら、お店が認めているわけではない「M」のコーヒーをお店の外に持ち出すのですから、盗んだということで「窃盗罪」になります。
ただ、コーヒーが機械から出てきた時点で、もはやお店がどうこう管理できる状態ではなくなっているという見方もできるので、先ほどの「占有離脱物横領罪」となる考え方も十分ありえます。

Q.間違ったと気づいた時点で正直に申告したら、どうなりますか?


間違った場合正直に申告すれば、罪になりません。
申告をすれば、コーヒーをお店の人が管理できる状態に戻すことができるので、これまで言ったような犯罪は成立しません。

 

Q.「1回だけ間違って押してしまって、黙っていた」と「別に店員さんに注意されないので、毎回買ったものより高いものを入れていた」では、罪状は変わってきますか?


はい、やはり何度も同じことを繰り返している人のほうが責任は重くなります。
そもそも、「店員さんに言われないことをいいことに」、わざと「M」のボタンを押している以上、もはや「間違って」押したとは言えないでしょう。

そうすると、店員さんに「S」の注文をする時点で「M」を飲んでやろうと思っていることになるので、店員さんをだましたことになります。つまり、この場合は「詐欺罪」が成立することもあり得ます。
詐欺罪は、これまでの「占有離脱物横領罪」や「窃盗罪」よりも重いとされていますので、刑事責任はより重くなります。

 

身近な事柄でも、法律のことを考えると難しいことはたくさんあると思います。「これってどうなの?」など、迷ったり悩んだりしたら、まずは弁護士に相談してみてください。お住まいの地域の各弁護士会がさまざまなところに「法律相談センター」を開設し、どんな相談でも気軽に相談できる場所を用意しています。ネットから相談予約もできるので、「ひまわり相談ネット」で検索してみてください。あなたの街の相談センターが、きっと見つかるはずです!

お話をうかがったのは……

弁護士 宮崎翔太さん
九州大学法学部卒業、広島大学法科大学院修了。2013年1月から弁護士。
広島の大本卓志法律事務所に所属。不動産関連事件や債務整理事件、家事事件のほか、多くの刑事事件も手掛けている。

取材協力/日弁連法律相談センター

 

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