男の本質は旅行に行ってみなきゃわからない【外資OLの省エネ恋愛術①】

働く女のルポルタージュ第5弾!「外資OLの省エネ恋愛術」


外資系バリキャリ女性

「ゆとり以上、バリキャリ未満」を生きる女子のルポルタージュ・大好評につき第5弾がスタート!
智美は男子からはモテるし、後輩女子からは頼られる。けど、告白された回数は途中から数えなくなり、広く浅い友人関係にはめっきり興味がなくなった。単なる断捨離じゃない。それは、幸せを手に入れる智美なりの法則だ。
今どきの「女の幸せ」ってなんだろう? 世代を超えて共感必至の、女の人生ルポルタージュ。第5弾「智美」のVol.1をお送りします!

 

香坂智美(仮名)28歳/IT系メディア営業

1989年 東京都出身、品川区在住
職歴/大学卒業後、住宅メーカーに就職。4年半勤務の後、現在の会社に転職。
似ているタレント/深田恭子
理想のタイプ/有吉弘之
パートナー/あり(婚約中)
手取り月収/60万円

Vol.1 男は旅行に行ってみなきゃわからない

伝説のケチ男


ケチ男

「智美はモテる」というのは、周囲の人のほぼ一致した意見だ。自分から言うことはないけれど、その多くが「男性側から求められて」つきあってきた。いつも自分の意見をハッキリ言えて、決して媚びることはない。そこに、生まれもった白い肌とプロポーション。でも軽い女とは違うし、どちらかといえば慎重派。だから、楽しく軽くつきあう人はいても、真剣交際に発展させるのは、チェックポイントを通過した少数の男性だけだ。

「相手が本気にのめり込む前に、必ず一度はふたりで旅行に行きます。旅先って、ふたりの相性はもちろん、お金の使い方、食事の習慣やマナー、生活能力、危機管理能力、いろんなことが全部出ちゃいますよね。旅行後、その先の真剣交際に進むかどうか、私は厳しくジャッジします。ほんと、いろんなパターンがありました。たとえば…」

かつて温泉旅行に一緒に行ったA男は、智美が体調を崩したとき、看病してくれるどころか、やたらとイチャイチャを求めてきた。そこで、もうNG。

ラスベガスで高級ホテルに泊まったB史は、とにかく部屋を汚すクセがあった。ふだんのデートではまったくわからなかったけれど、一緒に過ごしてみれば、荷物も食べ物も、みんな散らかしっぱなし。衛生的に無理だった。

しばらくつきあった商社マン・C男は、ハワイ旅行に智美の友達も誘ってくれて、豪華なコンドミニアムとオープンカーを借りてくれた。軽くつきあい出したあと、アメリカに転勤したこともあって、智美も遠距離恋愛を楽しんでいた。智美と友達の旅費、ハワイ滞在費を全部C男がもつという予定で、ここまでは、OK。ところが、帰国後にこっそり友人に8万円を請求していたらしい。「滞在費が高くついちゃったから」と。これには、智美も友人も引いた。今でも仲間うちでは笑い話のネタになっている、伝説のケチ男だ。

 

完璧な旅行相手


空港で飛行機を待つ女性旅行先での審査を通過したひとりが、同じ職場の大輔だった。彼は3つ先輩だが、実はつきあい始めるまでに4年待たせた。というのも、そのころ智美は、今では伝説のケチ男となった商社マン・C男とつきあっていたし、大輔は事前審査の旅行に行くところまでも到達しない存在だった。

「大輔は、私が入社2年目のときに告白してくれました。でも私は、遠距離恋愛中のC男に会いにたびたびアメリカに行っていたし、大輔はそれも知っていました。同じ職場でしたから。でも、休暇から帰ってくると、悲しそうな顔をしている大輔…。胸が痛みました。それ以外はいつも穏やかな大輔…。彼女もつくらず、ずっと私のことを好きでいてくれる大輔…。給料もルックスもC男には劣るけれど、信頼性と優しさは誰にも劣らない大輔…。いつしか、放っておけない存在になっていました」

昨年末、智美の転職が決まって、同時にC男のケチぶりにガマンができなくなって別れたころ。大輔は、何度目か(正確には忘れた)の告白をしてくれて、そろそろつきあってもいいころかな、と智美は思い始めていた。

「そのころ、新しい転職先での勤務が始まるまでの有休消化期間に、ひとりでドバイに行く計画を立てていました。弾丸旅行だし、この時期に休んで一緒に来てくれる人、いないよね…、と思ったら、いた! 大輔! 彼ったら、いいよ、ってふたつ返事ですぐに有給を取ってくれて。

それだけじゃありません。事前に、おすすめの場所を地図上にマークして、おすすめポイントまでメモにしてあって。私が行きたい場所に合わせて、その周辺の観光スポットやおすすめレストランまで、完璧にリサーチしてある! いつも仕事を近くで見ていたから、やることが丁寧で完璧なのはわかっていたけど、旅行準備まで完璧だとは! 大輔! 合格〜!」

旅行中も大輔は完璧だった。現地の人と英語で会話をするのは、智美の役割だったが、それ以外は、頑張ってリードしてくれた。こうして大輔は、4年越しで智美の彼の座を獲得した。

 

Vol.2  自分の稼ぎで男性条件は変わるに続く。

文/南ゆかり
「CanCam」や「AneCan」、「Oggi」「cafeglobe」など、数々の女性誌やライフスタイル媒体、単行本などを手がけるエディター&ライター。20数年にわたり年間100人以上の女性と実際に会い、きめ細やかな取材を重ねてきた彼女が今注目しているのが、「ゆとり世代以上、ぎりぎりミレニアル世代の女性たち」。そんな彼女たちの生き方・価値観にフォーカスしたルポルタージュ。

 

【ゆとり以上バリキャリ未満の女たち】連載一覧

 

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