▼壊れて見えるのに、誰が買うの…?「クラッシュスーツケース」がなぜか売れてる理由
最近売れている「クラッシュスーツケース」って知っていますか?
クラッシュスーツケースとは、外装に“あえて凹みやダメージを加えた”スーツケースのこと。名前のとおり、買ったときからボコボコにクラッシュされているんです。
そう、要するにあえてダメージを入れた「クラッシュデニム」と同じ理論なんですけど……見た目は本当に……。
ご覧のとおり、どう見ても長年使い古したようなボコボコ具合。
新品なのに壊れて見えるアイテムが、どうして売れているんでしょうか!? 正直、いったいどういう人が買うんでしょうか!?
楽天市場のトレンドハンターとして活躍中で日々消費者のさまざまなデータを分析している清水淳さんに聞いてみましょう。
▼新品なのにボコボコってホント?
新品のスーツケーツを買ってウキウキ旅行に出かけたのに……。うっかり階段から落とし、また空港で乱暴な扱いを受け、気がついたら傷や凹みでボコボコに! ショックですよね。
でもクラッシュスーツケースは、ある意味そんなショックとは無縁です。なにしろ、これは新品のときから凹みだらけのボコボコ。ちょっとくらいの傷や凹みは全く目立たないんです。
思わず「どこから持ってきたの」と聞きたくなっちゃうくらいボコボコ。海外でスリとすれ違っても「狙われずにすむんじゃないか」って思うくらい、見事にボコボコ……。
とはいえ、クラッシュスーツケースがデザインされた目的はそうしたことではないようです。
▼ボコボコのスーツケースが「売れる」理由とは?
「あえて“壊れているように見える”このスーツケースは、イタリアで生まれました。売れている理由は実用性ではなく、むしろファッション性からです」と、清水さん。
最初にこのデザインを考えたのは、イタリアの若手デザイナー。古くなったスーツケースの美しさにインスパイアされ、「ダメージというデメリットを、あえてユニークでお洒落なデザインにできないか?」と考えて生み出したのが、クラッシュスーツケースなのです。
この刺激的な発想は、ヨーロッパで瞬く間に話題に。モデルを中心にトレンド化した後、アメリカを経て日本に上陸しました。
▼“あえて汚す”のはインテリア発祥
「新品ピカピカなものをあえて汚したり壊したりする、という発想は、インテリアではすでにトレンドとして確立しています」と、清水さん。
「骨董品」を意味するアンティーク。
「年代物」を意味するビンテージ。
「みすぼらしい」を意味するシャビーシック。
こうした言葉は、たしかにインテリアづくりには欠かせないキーワードですね。
「アンティーク調の壁紙は、かなり前からリフォーム用に大人気です。塗るだけで“ちょっと剥げているように見えるペンキ”というのも今売れています。古い家をリフォームして、別の古さを演出する。これって究極のお洒落かもしれませんね」
ファッションとしてすっかりおなじみのクラッシュデニムも、そうですよね。この発想の進化形が、クラッシュスーツケースなのでしょう。
▼旅行先、空港で目立ちたいなら★
クラッシュスーツケースの主な購買層は、20〜30代の若者。やや男性の方が多いものの、女性にも多く売れています。
空港の手荷物受取レーンでも確実に迷わない、このケース。個性的でお洒落な旅行をしたい人には、気になるトレンドと言えそうです。(豊島オリカ)
取材協力:楽天市場トレンドハンター 清水淳氏
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