「プライベートブランド」って何?高コスパの仕組みは?
最近、スーパーやドラッグストアなど、様々なところでそのお店が独自に展開する「プライベートブランド」をよく見かけますよね。同じような商品が並ぶ中で値段が安かったり、ニーズの高いものが揃っていたり、高コスパで買い求めやすいものが多い印象を受けます。
しかし、「プライベートブランド」そのものについてよくわかっていなかったり、「安さゆえに安全面が気になる……」というように、「プライベートブランド」の仕組みについてご存じない方が多いのではないでしょうか。
今回はそんな「プライベートブランド」とは何かを知るべく、プライベートブランド「matsukiyo」を展開するマツモトキヨシさんにお話を伺いました。
「プライベートブランド」の定義
一般的には、ナショナルブランドが「メーカーの商品ブランド」なのに対して、プライベートブランドは「小売業の商品ブランド」と言われています。つまり「本来はメーカーではない、小売業をメインとする企業によるブランド」が「プライベートブランド」です。大辞泉によると「自主企画商品」と呼ばれることもあります。
セブンイレブンでよく見かける「セブンプレミアム」や、イオンの「トップバリュ」などは誰もが一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。
プライベートブランドって何のためにあるの?
では、いったいなんのために「プライベートブランド」は存在しているのでしょうか。
マツモトキヨシでは大きく分けてふたつの意味があります。
【1】コーポレートのブランド価値を高めるため
まず1点目は「コーポレートのブランド価値を高めるため」です。お客様にとって、プライベートブランドのイメージが良ければ、お店そのもののイメージも良くなります。そして、お店(=ストアブランド)のイメージも上がれば、やがては会社全体のコーポレートブランドの価値も向上していくことに繋がります。
【2】経営理念や哲学を具現化するため
2点目は「経営理念や哲学を具現化するため」です。
ちょっと難しい話かもしれませんが、つまり「企業としてのミッションを、具体的な姿として表現しているのがプライベートブランド」のです。
例えば、マツモトキヨシには「お客様の美と健康に奉仕する」という経営理念があります。
この理念を具現化すべく生まれた商品のひとつが、2018年に発売されて以来絶大な支持を受けているマツキヨのプライベートブランド保湿クリーム「matsukiyo ヒルメナイド油性クリーム」です。
この商品が開発された背景には、「医療機関で処方されるヘパリン類似物質含有医療用医薬品が、国の健康保険財政を圧迫しかねないと社会問題にまで発展したこと」があります。
そこで生まれたのが、ドラッグストアで購入できるヘパリン類似物質含有保湿剤「matsukiyo ヒルメナイド油性クリーム」。OTC医薬品(ドラッグストアなどで購入できる医薬品)なので保険は適用外。健康保険を圧迫することなく、医療用と同じ成分を配合した製品が購入できる……と、win-winな商品です。
プライベートブランドのメリットとその仕組み
メリットは、まずは「競合他社と差別化できること」「売上拡大が期待できること」です。そして、最大のメリットは「時代背景やお客様の期待に合ったもの、さらにそれを超えた商品を、高いコストパフォーマンスで提供できること」です。
しかし、プライベートブランドが大手のメーカーのものより安いのを見かけると「どこかで手を抜いているのでは……?」とついつい疑ってしまいたくなりますよね。
しかしそんな心配は必要ありません! そこにはちゃんとプライベートブランドならではの仕組みがあったんです!
プライベートブランドがニッチな商品でも販売できる仕組み
自分にとっては需要があるのに、買い求めやすく売っていない……と思っていたらプライベートブランドで売られていて「神……!」と思った経験、ありませんか? 大手企業が手に付けていないような商品をプライベートブランドではなぜ提供することが可能なのでしょうか。
その理由は、プライベートブランドは「小さい市場規模でも顧客ニーズがあれば、発売までにかかる期間を縮小して、時流に合ったタイミングで発売することが可能」だからです。さらにすぐに発売後の売れ行きを確認し、実績によってリニューアルや終売など、市場の動向に合わせて素早く対応できることも要因のひとつです。
世の中の動きに合わせて商品を展開しているから、私たちが欲しいと思っているものがプライベートブランドで手に入るんですね!
プライベートブランド商品の開発に競合他社でも参入してくれる仕組み
たとえばプライベートブランド商品の裏側の詳細を見ると、その分野で私たちが日ごろ購入する商品を手掛けるような有名なメーカーが作っているときがあります。
有名メーカーが手掛けている安心感がある一方で、「なぜそのメーカーより安く提供できるの?」と考えると使用されている材料などいろいろ気になってきてしまいますよね。
品質はそのままに、高コスパ商品を競合他社と一緒に開発できる仕組みについてマツモトキヨシの例で紹介します。
マツモトキヨシには「オンリーマツキヨ」という、メーカーと共同開発した商品やマツモトキヨシ特別規格の商品の展開もしており、数々のヒット商品も生まれています。最大のメリットは、メーカーとマツモトキヨシそれぞれが持つ強みを合わせることで、革新的な商品が生まれる可能性を秘めていることです。
また、プライベートブランドは、基本は小売側が全ての在庫を買い取るため、メーカーが在庫を抱えるリスクがありません。さらにある程度まとまった発注が確定するため、メーカー側も価格を抑えやすくなります。
そのため、これから認知度を拡げたいメーカーにも積極的に参加してもらうことで、一緒に革新的なプライベートブランド商品を開発できるのです。
試せばわかる!安いだけじゃないプライベートブランド商品
プライベートブランド商品のデメリットは、低価格商品の代名詞だった時代が長かったため、未だに「安いだけ」というイメージを持たれている方が多いことかもしれません。
しかし、マツモトキヨシのプライベートブランド「matsukiyo」は、品質にこだわって開発されているので、一度試せば「安いだけ」なんてイメージはなくなるはず! なかでもここ最近人気のアイテムを紹介するのでこれを機にぜひ試してみてください♪
◆これは間違いなし!マツキヨの人気プライベートブランドアイテム5選
【1】ヒルメナイドシリーズ
先ほども例があがったヘパリン類似物質を含む皮膚疾患薬「ヒルメナイド」シリーズ。保湿力に定評あり。
【2】EXSTRONGエナジードリンクシリーズ
含有成分の多さや缶色と液色のギャップで毎回話題になる「EXSTRONGエナジードリンクシリーズ」
【3】アルジェラン
オーガニックブランド「アルジェラン」はヘアケアアイテムが長年人気ですが、近年は、発売日当日から爆発的にヒットしたカラーリップで一気に認知度がアップしました。
【4】レプリカノーツ
2019年の10月に初めてのファブリックケア独立型ブランド「レプリカノーツ」を発売し、名香にインスパイアした香りや機能性、おしゃれなデザインで、早くも人気商品の仲間入りを果たしました。
【5】matsukiyo LABアスリートラインシリーズ
トレーニングやボディメイクをしている方から絶大な支持を得ている「matsukiyo LABアスリートラインシリーズ」はとても好評で、特に手軽に食べられるプロテインバーが最近のヒット商品です。
プライベートブランドには高品質で買い求めやすい商品ばかり! 仕組みもしっかりとしているので安心して購入できそうです。皆さんもこれを機にプライベートブランドをぜひ活用してみてくださいね♪