比嘉愛未、ミムラ、佐々木希、「心の傷」を語る【インタビュー】

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(c)2016「カノン」製作委員会

WI そういう密な時間を過ごされたので、姉妹らしく見えたのでしょうか?「見せ方」として工夫したことはありますか?

比嘉 “見えるように”って、難しいですよね。

ミムラ 私たちみんな三きょうだいなんです。だから気を使わないで「楽ちんだね」って、その感じが姉妹に見えたのかしれません。

比嘉 姉妹に見えるように「こうした」ではなくって、自然と持っているものが共鳴したのか「大丈夫」と思ったんです。それって演じたとしても限りがあるというか、空気感が出せないと思うんですが、不思議な縁だな。って思います。

ミムラ あと、映像的なところでいうと、身長が同じくらいなんです。

比嘉 そうそう。さっき並んだ時も、改めて思いました。

ミムラ スリーショットを撮った時に、揃って映るというのは、大事なことだったのかも。(笑)

 

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(c)2016「カノン」製作委員会

WI 鈴木保奈美さんと共演していかがでしたか?

比嘉 保奈美さんの演じる役が、一番苦しくていろいろな意味で大変だったと思うんですね。現場でお会いした時も、本当にげっそり痩せられていて、いつもキラキラしたイメージなのに、全然変わっていて、役としてたぶん誰とも話していないくらい。その瞬間“役を生きる”ではなくって、その3週間はお母さんとして役に入ってらっしゃったので、そういった緊張感はありましたね。「おはようございます」って挨拶するだけで、あとは目も言葉も交わさないというか……。

ミムラ 私は以前、保奈美さんと共演させていただいたことがあって、その時はすごくフランクな方で楽しくおしゃべりをした記憶があります。本当に違う役作りで、我々後輩は“ついていく”という感じでした。そこに緊張感があって、母親ではあるんですが近い存在ではなくって、むしろ地球上の誰よりも遠い距離にいる人間で……。

佐々木 掃除のシーンが印象に残っているんですが、絶対に近寄れない何かがあって、もうこれは話しちゃいけないと思うほどでした。

比嘉 でもそれがあったからこそ、引っ張って行ってもらえた。そういう空気を作ってくださって、感謝していますし、初号試写の時に明るく話してくださったので、「あ。全然違う」って(笑)。

ミムラ デニムの“つなぎ”を着て、かっこいいヒールを履いて、1つだけシンプルなダイヤのアクセサリーを着けて、「かっこいい!(お母さん!?)」って。

比嘉 もう「初めまして」と言いたくなるくらいで(笑)。

ミムラ 「大変だったね〜」ってすごい気さくで(笑)。

比嘉 私も、保奈美さんのクランクアップが一緒にシーンだったんですが、終わった瞬間に「終わった!」って本当にほっとした笑顔を見せてくださって。現場ではひとつも笑顔を見せなかったので、それだけのプレッシャーや覚悟が感じられて、女優の先輩としてもかっこいい。尊敬できました。