WI おふたりはこれまでベテランの監督ともお仕事されてると思いますが、今回 、柳沢監督は映画初監督ということで、監督とはどんなやりとりがありましたか?
佐々木 柳沢監督はとても控えめな方なんですけど、撮影の合間にお話ししていると物作りに対してすごく熱いものを持ってるなって思う瞬間が時々あって。そんな熱い思いが見えた瞬間は、自分も監督のその熱い思いに応えられるように頑張って一緒に作っていけたらいいなと思ってました。
中村 柳沢監督にとって長編映画・初監督ということで、並々ならぬ情熱と映画に対する愛情というか、“俺は、こういう映画を撮りたいんだ” っていうのをガツンと集中して注ぎ込んでいて。客観的に見て、経験ってもちろん大事だと思うんですけど、錆になってしまう部分もあると思うんです。そういうのがない分、粗削りというか。その魅力ってやっぱり一発目しか出せないんじゃないかなって思うんですよね。粗削りな分、乱反射するというか……。アイディアも豊富ですし、人が興味を持つ映画的手法というか見せ方というか。もうとにかく翔さんの才能を全精力で持ち寄ってくれたので、処女作として集中していく時に、現場に立ち会えて一緒に物作りできて良かったなぁって思います。 初監督、一緒にやれて楽しかったです。
WI 具体的に撮影方法や演出の仕方など他の監督にはない部分だったり、新鮮だった事ってありますか?
佐々木 この作品に入る前に監督の作品を観たんですが、すごく衝撃的で。今まで観たことのない映像で、何て言うか……キラッキラッしていて。こんな素晴らしい映像を作る方が撮る映画ってどういう感じになるんだろうってすごくワクワクしました。実際に演出も面白い撮り方をしていて。とくに温人と晢人の車の中でのシーンは、私はでき上がってから観たので、何これ? こういう事するんだ!ってビックリしました。
中村 実はあの車のシーン、インキーしちゃって2時間くらい待ったんだよね(笑)。古い車だったから。
佐々木 そうだったんですか!? あの雪の感じとか、どうなってるんだろうって。全部が新しくて面白かったです。
中村 アナログは良いよね。
WI アナログで撮影されてたんですか!?
佐々木 そうなんです。今回、撮影の方法がほとんどアナログで。手作り感というか、みんなで作ってる感があって良かったです。
中村 スタッフも愛情と情熱を持って、すごい良いチームだったよね。
佐々木 本当に素晴らしい現場に行けたなって思いました。
WI これから映画を観る方にどんな風に楽しんで欲しいですか?
中村 自由に楽しんでもらいたいです。色々な楽しみ方とか感情移入とかができる豊かな作品になっていると思いますんで気軽に観に来てほしいですね。
佐々木 柳沢監督の作り出す素晴らしい映像を楽しんでいただけたら嬉しいです。
おふたりとも柳沢監督の作り出す映像が本当に素晴らしいとおっしゃっていましたが、実際に私も映画を観て、その映像の美しさに心が震えました。どこを切り取っても美しい映画で、是非、映画館で観ていただきたい作品だなぁと思いました。『星ガ丘ワンダーランド』は3月5日より絶賛公開中です。(白鳥優香)
その日、母は雪の中に姿を消した―。赤い手袋を残したまま……。
20年後、予期せぬ母の訃報が閉ざされた過去を明らかにする。星ガ丘駅の近くにある、今は閉園してしまった遊園地、星ガ丘ワンダーランド。駅の「落し物預り所」で働く温人は、落とし物の持ち主を想像しては似顔絵を描くことが日課だった。そんなある日、20年前に姿を消した母の訃報が届いた。かつて喜びにみち、きらめいていたワンダーランドで自殺をしたという。母の死をきっかけに、温人は離れ離れになっていた兄、そして義理の姉弟と出会うことになる。そして彼らが出会うとき、閉ざされていた過去が明らかになっていく……。
なぜ母は死んだのか___その思いの先に、想像もしなかった感動のクライマックスが待っていた。
中村倫也 新井浩文 佐々木希 菅田将暉 杏 市原隼人 木村佳乃 松重豊
監 督: 柳沢翔
脚本:前田こうこ 柳沢翔
製作:「星ガ丘ワンダーランド」製作委員会
企画・制作:アルケミー・プロダクションズ
制作プロダクション:スタジオブルー 配給:ファントム・フィルム
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