10年ぶりに夫婦役で共演!佐々木蔵之介「永作博美さんは“パワフルな幽霊”だった」 映画「夫婦フーフー日記」

主人公はコウタ(ダンナ)とユーコ(ヨメ)。このふたりは17年間友だちで、1年ちょっと夫婦で、そして、ユーコは9か月だけ母親だった……そんな実話ブログから生まれた映画『夫婦フ―フー日記』。

本作は、ヨメとの別れで悲しみに暮れるダンナの前に、死んだはずのヨメが現れ、ヨメが生きていた世界をふたりでふり返るという、現実とファンタジーが交錯したストーリー。涙だけでなく笑いも満載の“泣けるコメディ”が誕生しました。

結婚、ヨメの闘病、育児、そして別れがつまったドタバタの493日の日々を描いた物語で、主演の夫婦を務めるのは、佐々木蔵之介さんと永作博美さん。明日5月30日(土)からの全国公開を記念して、全2回にわたって、佐々木さんと永作さんのインタビューをお届けします!

fufu-nikki_0021_

本作は、一般的な映画と比べて97分と短い上映時間になっていますが、おふたりがご覧になった感想を教えていただけますか?

 

永作博美さん(以下、永作) 面白かったですね。怒涛のように時間が流れている感覚をはっきり味わえたというか、時間って短いんだなぁっていう感覚に捉われて、毎日を大切にしようという思いになりました。それぐらい客観的に観ることができたんです。笑いながら泣いていたりすることもあって、その涙がなんなのかわからないまま、「あぁ、生きてることって素晴らしい」と思えるような作品だと思いました。

 

佐々木蔵之介さん(以下、佐々木) 永作さんがおっしゃったように、僕も自分が出ている映画をなかなか客観的に観られないのですが、劇中で、夫婦ふたりが過去の自分たちを見ているという“客観性”もあったことで、わりと客観的に観られましたね。この映画って、ただ悲しいとかどんどん堕ちていく……というのではなくて、笑いもあって、上映時間も短くて、あっという間で……いい映画だなって。

 

映画化にあたり、原作にはない“死んだはずのヨメ・ユーコと残されたダンナ・コウタが夫婦の日々を振り返る”という、映画的な脚色がされていて面白い構成になっていますが、台本を読まれて率直にどう思いましたか?

 

永作 台本を読んだだけでは、映画がどういった構成になるのかまったくわからなかったですね。台本は、すごい勢いで読めて、面白いなと思いましたけど、実際、どういう構成になるのか想像するのは難しかったです。

 

佐々木 台本は、僕もあっという間に読めました。たしかに、同じ場面に「過去」と「現在」が一緒に出てくるので、お客さんは、どちらの目線で観るのだろう……とか、それを自分がどう演じるんだろう……という感じはずっとありました。でも、現場に入ったら、監督にはちゃんとビジョンがあったので、それにのっかってやったという感じですね。

fufu-nikki_03

 

亡くなったヨメが、49日の前日に現れて……という部分の印象はどうでしたか?

永作 私はあまり違和感はなかったです。だから、止まることなく一瞬で読めたんだと思います。脚本というのは脚色されているものなので、私は、台本に書かれていることをあまり深く考えずに読むことが多いというか……基本的にそうですね。だから、こういう作品なんだなって、「幽霊になって出てくるんだな。私、幽霊役なんだな」って感じでした(笑)。

 

佐々木 僕は、49日の前夜に、死んだヨメがハンバーガー食ってそこにいた……ということに関して、特にそこへの疑いは持たなかったです。永作さんは幽霊なのに生き生きとしているっていう(笑)、パワフルな幽霊でしたけど、僕が演じていたダンナ自身が疑ってないからこそ、ヨメはここに存在している。それは、ダンナがヨメを求めていたからだと思うんです。ヨメのほうも、「なんとかしてやらなくちゃいけない」という想いもあったからこそ現れただろうし。“ぼんやり”ではなく、“しっかり”存在している幽霊がいるということこそが、この映画がきちんと成立できた理由なんだと思いました。過去を見ているだけでもおかしいのに、ダンナが一緒に過去を見ている相手はもう死んでるっていう、2つもステージを上がっているみたいなところが、面白いですよね(笑)。

fufu-nikki_02

 

永作さんが演じたヨメ・ユーコは、生きることへの力強さを感じさせる役ですが、家族を残して死んでしまうという悲しみをどんなふうに捉えて、どう共感して演じたのですか?

 

永作 台本を読んだときに、本当に魅力的な女性だったんです。豪快で、人を引っ張って、面倒見がよくて、たくさんの仲間がいて、毎日が楽しそうで、やることがいっぱいある人だなっていう感じ。そして、周りに出てくる人たちもとっても魅力的だったんです。そして、フラットで。もちろん死んだヨメが出てきたりと、二次元あって、不思議な脚色はされているんですけど、それ以外に出てくる人たちの脚色はされていなかったんですね。いろんなことが起こりながらも、無力感も、必死な頑張りも、オーバーではなく、自分が考えているレベルと同じ環境で物語が進んでいったので、そういった点で、魅力ある脚本でした。

fufu-nikki_05

 

とても難しい役だと思いますが、この役をやろうと思ったのは、どんな想いからですか?

 

永作 難しいけれど、見たことがない台本だったので、ぜひやりたいなと思いました。いままで、シリアスな役が多かったのですが、今回も内容はシリアスですが、シリアスな部分に、もうひとつのせてあるのが興味深くて。それに、豪快で元気な女性という役で、久々に元気な芝居ができるなぁと思って。こういう役をオファーしてくださって嬉しかったですね。

fufu-nikki_0018_

明るく豪快で、とびきりチャーミングなヨメを演じた永作さんと、そんなヨメに圧倒されながら、コミカルかつ繊細なダンナを演じた佐々木さん。ふたりの“夫婦漫才”さながらの絶妙な掛け合いも、本作の見どころ!

インタビューはまだまだ続きます。後半では、17年間友だちで夫婦になったダンナ・コウタとヨメ・ユーコの関係が“理想”と話した永作さん。そして、本作の役を演じて、シングルファーザーになることへの大変さを身を持って実感したという佐々木さんが、撮影中のエピソードを話してくれました。(さとうのりこ)

映画『夫婦フーフー日記』
http://fu-fu-nikki.com

fufu-nikki_01

[出演]佐々木蔵之介 永作博美
佐藤仁美 高橋周平 / 並樹史朗 梅沢昌代 大石吾朗 吉本選江 宇野祥平 小市慢太郎 / 杉本哲太
[原作]川崎フーフ「がんフーフー日記」(小学館刊)
[監督]前田弘二/[脚本]林民夫・前田弘二
(C)2015川崎フーフ・小学館/「夫婦フーフー日記」製作委員会
2015年5月30日(土)から、新宿ピカデリー他にて全国ロードショー

 

【あわせて読みたい】

※ウォルト・ディズニー最大の謎にして、最大のプロジェクト!映画「トゥモローランド」秘蔵特別映像が解禁

※映画「シンデレラ」主演、リリー・ジェームズ直撃インタビュー!魔法の体験を語る

※瀧本美織がふざける!キレる!バカになる!映画「天才バカヴォン」とは一体……

※【続報】広瀬すずのかわいさに是枝監督、『カットかけたくない…』!? 映画「海街Diary」

※品川ヒロシ「僕、自分の映画、好きなんです」 映画「Zアイランド」品川ヒロシ監督・山本舞香インタビュー【前編】