見渡せば、結婚している人は少数派なのでは……?と思ったことはありませんか? 今、日本では未婚化が進んでいます。その指標となるのが生涯未婚率。文字通り一生独身でいる人の割合です。前回行われた国勢調査(総務省・2010年)の女性の生涯未婚率は10.6%。2005年の調査では、7.3%だったので、急上昇していることがわかります。
おそらく、現在のアラサー・アラフォー世代は、“一生独身”という道を選ぶ人も少なくないはず。そこで、一生独身でいることのメリットとデメリットについて、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに伺いました。ちなみに丸山さんは、1,000人近くの人のお金と人生の相談に乗っており、既婚・未婚のそれぞれのメリット・デメリットを知りつくしています。
「まず、一生独身のメリットとしては、結婚して家庭生活に煩わされないことです。特に女性は家事、妊娠・出産・育児、お金の管理、仕事、将来の備え(保険や健康管理など)にかける労力と時間が結婚してから増える傾向にあるようです。独身なら自分のことだけをしていればよかったのに、生活や将来設計についてあまり考えていない男性と夫婦になってしまうと、さまざまな管理をしなくてはならないケースが増えています」(丸山さん)
また、ブームの『ミニマムライフ』を実現できるのも、独身ならでは。
「家族を持てば、モノも増えますし、家賃、食費などの負担も増えます。家族がいると人数に応じた広いスペースが必要になり、そこをある程度快適に保つために、掃除や整理などの管理に労力を割かねばなりません。それだけでなく、目に見えない負担も結婚すると増えるもの。例えば、家族の健康管理、夫側の実家とのつきあい、子どもの教育問題など、結婚しているからこそ生まれる問題は多数あります。一生独身のメリットは、これらのことを考えなくていいことにあります」
自分の幸せを考えてシンプルに生きられる独身ライフ。では、そのデメリットとは?
「ぶっちゃけ、たいていのことはお金が解決してくれます。しかし、医療や介護関連、家を借りるなど、“身内じゃないと頼みにくい保証”が、年齢を重ねるほど得にくくなることがデメリット。家を借りることについては、お金があれば保証人協会が解決してくれますが、問題は手術するときの承諾をする人など“命に関わる問題”。独身同士で共同生活を送っていても、“そこまで他人に責任を持てない”と突っぱねられてしまうケースもあるようです」
では、一生独身かもしれないと思った人が、今からすべき対策を教えてください。
「甥や姪がいるなら、コミュニケーションをとっておくこと。いざというときに助けになるのは、お金と親族です。もし、あなたがひとりっ子ならば、親のきょうだいや、いとこやその子どもなど、つながる親族とコミュニケーションをとっておくことをおすすめします。
そして大切なのは貯蓄。お金はこれから何十年もかけてコツコツ貯めれば、解決します。例えば、1か月2万円ずつ貯めても、30年経てば720万円貯まっていることになります。無理のない範囲でお金を貯めつつ、老後に備えてください」
近年薄れがちと言われている親族とのコミュニケーションは、こんな意味でも大切なんですね。
一生独身でいることのメリット・デメリットを把握して、しっかりと将来への備えをしていきたいですね。(前川亜紀)
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