実際言いづらいよね。「本当の退職理由」と「会社に伝えた退職理由」こんなに違った…。【5,168人のホンネ調査】

会社を辞めよう。思い切ってその決断に至った理由がちゃんとあるけれど、会社に本当の理由を伝えずに退職した経験がある人って、実際どれくらいいるのでしょう?

今回はエン・ジャパン株式会社が運営する求人サイト『エンバイト』が男女5,168人を対象に調査した結果をもとに、「本当の退職理由」を伝えない割合やその理由、「本当の理由」と「実際に会社に伝える理由」の差異について探っていきます。

Q.会社を辞めるとき、会社に「本当の退職理由」を伝えた?

伝えた…54%
伝えなかった…46%

まず、退職する際に会社へ本当の退職理由を伝えたかどうかを質問したところ、約半数が「伝えなかった」と回答。約2人に1人が本当の理由を伝えずに会社を去っていることがわかりますね。では、その理由とは…?

会社に「本当の退職理由」を伝えない理由TOP4

1位:誰にも理解してもらえないと思ったから

「退職以前の面談で、会社に対する不満を言ったことがあったが聞いてもらえなかったため」
「パワハラを容認している職場なので、伝えても理解されないと判断した」
「会社がパワハラを認識していたが、対応していなかったため」

2位:円満退社したかったから

「取引先企業からスカウトされての退職であったため、企業間で問題になる恐れもあり伝えられなかった」
「ネットで調べた結果、会社と自分にとって円満に退職することがベストであると解釈したから。本当の理由がネガティブな場合、話さないことがマナーであると理解した」

3位:言う必要がないと思ったから

「何も変わらないと思っていたし、辞める決心がついていたため伝える意味がないと思った」
「退職を伝える相手が原因だったので言いたくなかった」

4位:引き留められるのが面倒だから

「有給取得を申請したところ理由をしつこく聞かれたり、威圧的な態度で迫られた経験があり、退職時も同様の態度を取られることに懸念があった」

日常的にパワハラがあるような会社では、本当の退職理由など伝えても理解されにくいはず。会話のキャッチボールなど到底できないでしょう…。また、ネガティブな理由で退職するとあまりいい印象を持たれないことから、お世話になった会社と円満退社をすることがマナーと捉えている人もいました。

さて、本当の理由を伝えなかった人たちはどんな理由を告げて退職に至ったのでしょうか。本当の理由と実際に会社に伝えた理由の違いを探っていきます。

「本当の退職理由」と「実際に会社に伝えた退職理由」の差異

本当の理由として、「給与が低い」「評価・人事制度に不満がある」「社風・風土が合わない」「残業・休日出勤が多い」といった会社の規定に不満がある理由で退職したとの声が多くみられました(右)。

…でも、そんな本音は心の中にしまっているよう。実際に会社には「別の職種にチャレンジしたい」といったポジティブな理由や、「家庭の事情」「自身の病気・怪我」といったやむを得ない理由を伝えて退職している人が多いことがわかります(左)。

不満があれどもお世話なったのは事実だからせめて円満退社をしたい、という考えはよくあるもの。転職先が決まっているのであればなおさら、新しい環境で頑張るためにもすっきりとした気持ちで退職したいですよね。ポジティブな理由・やむを得ない理由は会社側からして引き止めにくいので、よりスムーズに退職までの道のりを進められるはず。

その一方で、「人間関係が悪い」場合はそのままの事実を会社に伝える人が多いようです。「誰々と馬が合わない」と伝えるのはよくあるパターンなので、会社の対応として部署移動や話し合いで解決されてしまう場合も…。退職したい気持ちが固まっているのであれば、どうしても人間関係への不満が解消できない説明をして、上司や人事を納得させる必要がありそう。

最近話題。「退職代行サービス」って知ってる?

「退職代行サービス」とは、労働者本人に代わって退職の手続きをするサービスのこと。運営元として弁護士・労働組合・民間企業の3種類があります。第三者として退職を希望する人の代わりに会社へ出向いて上司や人事に退職の意思を伝えたり、退職日や有休消化について交渉したり。書類の受け渡しをしてくれることも。

そんな退職代行サービスの存在を知っている割合は7割を超える結果となり、世間的認知度は高まっているようです。

退職代行サービスを利用したことある?今後利用したいと思う?


1位:利用したことない/今後も利用してみたいと思わない…75%

「業務引継ぎをせずに退職することは自分には考えられないため、自分で伝えて退職したい。トラブルになるような場合は弁護士に依頼すると思う」

2位:利用したことない/今後利用してみたい…22%

「自分で辞めると伝えたいがなかなか言い出せないため、代行してもらえるのはありがたい」

3位:利用したことある/今後利用したいと思わない…2%

「お金がかかるため、今後はよほどのことがない限り使わない」

4位:利用したことある/今後も利用したい…1%

「ストレスなく退職できる」

次に、実際に退職代行サービスを利用したことがあるか、今後利用してみたいかをうかがったところ…全体の7割ほどが、利用したことがなく今後も利用してみたいと思っていない結果に。認知度が増えたとはいえ、実際に利用したことのある割合は今回の調査でも「3%」とまだまだ低いようですし、利用することへの抵抗感を持つ人は多いと考えられますね。しかし残りの3割ほどは、利用したことがあったり、今後利用してみたいと思ったりしているようです。社内でいじめやパワハラを受けていて精神的に辛い、辞めたいと切り出しにくい、ずっと引き止められている…などといった場合は、退職代行サービスに頼るのもひとつの策といえそう。


約2人に1人が会社に本当の退職理由を伝えず、建前で済ませていることがわかりました。本音を伝えたら理解してくれる会社ならいいものの、中にはこちらの話をまったく聞いてもらえなかったり、言い出しづらい環境だったりする会社もありますよね。トラブルなく退職するために「ポジティブな理由」「やむを得ない理由」を伝える意見が多くみられました。たとえ建前であっても、円満退職によって気持ちよく会社を辞めることができると、次の仕事へのステップを踏みやすくなる可能性も。悩んでいる場合は今回の調査をひとつのヒントにしてみてくださいね!(Mai)

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