怒涛の新生活シーズン・4月が終わり、ゴールデンウィークが明けて、なんとなく気がゆるんでくる5月。忙しくて頭がいっぱいなときは気が回らなかったり、「そういえばこれってどうなんだろう?」と疑問に思いながら調べるのを後回しにしてしまったり…。
というわけで、今こそ改めてビジネスマナーについて学び直してみませんか?
まず本日は「何よりも守りたいビジネスマナー」についてうかがいました。
マナーコンサルタント・ビジネスデザイナー
西出ひろ子さん
ヒロコマナーグループ代表。参議院議員などの秘書を経て、マナー講師として独立。企業の人財育成を行ない、唯一無二の手法で結果と成果を出す指導は「マナーの賢人」として「ソロンモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組で紹介される。NHK大河ドラマや映画、CMなどのマナー監修、俳優、タレント、モデルへのマナー指導も行う。著作監修本は国内外で100冊以上、著者累計100万部を超える。社会人として必要なビジネスマナーのすべてを図解で紹介した「改訂新版 入社1年目 ビジネスマナーの教科書」(プレジデント社)は15万部突破。最新刊は「マンガでカンタン!マナーとビジネスの基本は7日間でわかります。」(Gakken)が7月発売予定。
公式HP http://www.hirokomanner-group.com
何よりも優先すべきマナーは「笑顔」と「挨拶」
Q.ビジネスマナーがたくさんありすぎて、なかなか覚えるのが大変です。全部覚えられればベストだと思いつつ、「これだけは先に覚えて守っていてほしい」という、優先順位が高いものは何ですか?
A.どんな形式的なマナーよりも大事にしてほしいのは「笑顔」と「挨拶」です!
マナーとは、「心を行動で表すもの」です。日本語に例えるなら「礼儀」となります。
形だけのマナーは、「儀礼」です。「儀礼」と「礼儀」は異なります。したがって、実はマナーは「覚えて守る」ものではありません。大切なことは、相手の立場に立ち、相手をハッピーにして差し上げたいという気持ちです。
そこで、仕事をする上でまず大事なことは、人間関係です。そのとき、周囲に受け入れてもらいやすい人になるために重要なのは、第一印象の大半を占める「表情」と「挨拶」です。
表情は基本的に「目が微笑んでいる“本物の笑顔”」を意識してみましょう。「歯を何本見せるといい」「口角を上げましょう」と、口元にまつわる小技も世にありますが、「本物の笑顔」として研究論文も発表されている笑顔は、「目の表情」がポイントです。本来であれば「ポジティブな気持ちから出た自然な笑顔」が好印象です。ただ、この春入社したばかりの方など、まだ環境に慣れていない方などは、緊張してなかなか笑顔になれず、無意識に怖い目につきになってしまうこともあるでしょう。悪気はなくとも「機嫌が悪いのかな? 怒っているのかな?」と誤解されてしまいがちです。
そこでおすすめしたいのが、笑顔の練習をしておくこと。鼻から下を隠して「目だけ見ても微笑んでいるとわかる笑顔」になるにはどうすればいいのか、鏡の前で練習してみてみましょう。最初は少し照れるかもしれませんが、楽しかったこと、嬉しかったこと、好きなものなど「ポジティブな気持ちになれるもの」を思い浮かべてみると自然な笑顔になれますよ。
その笑顔の感覚を掴んだら、あとは仕事の現場で、自分から先手を打って「おはようございます!」「お疲れ様です!」と、感じのいい挨拶をしましょう。それがどんなマナーの型を覚えるよりも、あなたにとって有効です。感じのいい笑顔で挨拶ができていれば、一般的に「ビジネスマナー」と言われている型が多少抜けてしまっていても大丈夫です。応援しています!