「御社」と「貴社」の違いってなに？ビジネスでの使い分け
相手の会社を立てて言う言葉として、「御社」や「貴社」がありますよね。この2つの言葉、どうやって使い分けていますか？ 実は明確な使い分け方があるんです。また自分の会社を呼ぶときの方法や御社と貴社を使う際の注意点もご紹介しますね。
Contents
「御社」と「貴社」の違いって？
まずは2つの言葉の意味を辞書で調べてみましょう。最初は貴社から。
貴社とは？
き‐しゃ【貴社】
相手を敬って、その所属する会社などをいう語。御社 (おんしゃ) 。
貴社は相手の所属している会社を敬って使う言葉。でもこれって御社も同じ気がしますね？ 次に御社。
御社とは？
おん‐しゃ【御社】
相手を敬って、その人が属する会社などをいう語。書き言葉では「貴社」を使うのが普通。→貴社
[補説]同音の言葉が多く紛らわしい「貴社」に代わり、主に話し言葉において使われ始めた。1990年代初めころからか。
これで、御社と貴社の違いがハッキリしましたね！
御社と貴社の違いは？
御社も貴社も、相手を敬って相手の所属する会社などを呼ぶときにいう言い方ですが、書き言葉では「貴社」、話ことばでは「御社」を使うということのようです。
確かに少し考えてみるだけでも、「記者」「汽車」「帰社」など、“貴社”と同じ音の言葉は多いですよね。
間違いやすい！「弊社」「小社」「当社」の意味は？
御社と貴社の使い分け方がわかったところで、同じく間違いやすい弊社・小社・当社の違いも見ていきましょう。
「弊社」とは？
へい‐しゃ【弊社】
自分の会社をへりくだっていう語。小社。
「小社」とは？
しょう‐しゃ〔セウ‐〕【小社】
１ 小さな会社。また、自分が勤務している会社をへりくだっていう語。
２ 小さな神社。
弊社と小社はともに、自分の勤めている会社をへりくだって言う言葉なんですね。ただし、小社の方には小さな会社や小さな神社など違う意味もあるため、勘違いされる可能性がある場合は弊社を使ったほうがよさそうです。
「当社」とは？
とう‐しゃ〔タウ‐〕【当社】
１ この会社。また、自分の所属するこの会社。我が社。
２ この神社。
出典：デジタル大辞泉（小学館）
当社も自分の所属する会社のことを言いますが、へりくだるという意味はないようです。敬語を使う相手に対しては当社は相応しくないんですね。
「御社」や「貴社」を使う際の注意点
御社と貴社の使い分けは先ほどご紹介しました。ただ御社と貴社は使う時に注意が必要な言葉なんです。
二重敬語にならないようにする
御社や貴社は、相手の会社を敬う言葉だとお伝えしました。つまり、すでに敬語なわけです。そのため、御社様や貴社様などと様をつけてしまうと、二重敬語となってしまうため、このような言い方はしません。
会社によって呼び方が違う場合がある
すべての会社に対して御社や貴社を使うわけではなく、会社によっては呼び方が違うので気をつけてください。
- 学校は、御校・貴校
- 銀行は、御行・貴行
- 病院は、御院・貴院
- 財団法人などは、御法人・貴法人
よく使われるのはこちら。これらの会社との取引の際には注意が必要ですね。
「御社」と「貴社」の使い方を間違えた場合は？
最後に、面接などで御社と貴社を間違えてしまった時にどうすれば良いかを解説します。
御社と言うところを貴社と言ってしまったら？
話し言葉では御社を使うのが普通です。面接なので間違えて貴社と言ってしまった場合は、すぐに「失礼しました」などと言ってから言い直して訂正すれば大丈夫です。
貴社と書くべきところを御社と書いてしまったら？
エントリーシートなどには貴社と書くのが正解です。もし御社と書いてしまった場合は、書き直しをする方が良いでしょう。
【まとめ】
御社と貴社の使い分け、これで間違えることはありませんよね！ どちらがどちらかわからなくなってしまったら、同音異義語がどちらに多いのかを考えてみると正解にたどり着けますよ。
