実は知らない!「定期借家」「1SLDK」「駅から〇分」…お部屋探しでよく見る謎キーワードを徹底解説

お部屋探しでよく見る謎キーワードを徹底解説


お部屋探しをしているとよくわからない言葉がたくさん出てきます。
たとえば条件を入れるときに「定期借家」という項目があるけれど、それはいったいなんなのか。

定期借家とは

「駅から徒歩〇分」の「駅」って、駅のどのポイントなのか。ホームなのか改札なのか、それとも出口? よくよく考えるとお部屋探しにまつわる言葉はよくわからないものがたくさんあります。

全国の不動産情報を検索できる「不動産情報サイト アットホーム」を運営するアットホーム(株)で広報を務める三留香澄さんに、お部屋探しでよく見る謎ワードについて根掘り葉掘り聞いてきました。きっとあなたの疑問も解消するはずです。早速見ていきましょう♪

Q1.「リビング」と「ダイニング」ってそもそも何?


リビングダイニング

アットホームの用語集ですと、キッチン=料理を作るところは「台所」、ダイニングは「食事室」、リビングは「居室」という表現になっています。

不動産業界には広告規約というものがあり、アットホームだけでなく他社さんもこの規約に準じて不動産の広告をしています。それに基づくと「LDK」と記載するためには、実は最低限必要な広さが決まっています。たとえば「1LDK」ならLDK部分が8畳以上、「2LDK」以上なら10畳以上必要です。その決まりに従って不動産広告を出しているはずなので、もしお部屋にパッと見て「リビングとダイニングのようなもの」があったとしても、その広さに満たなければ「1K」や「1DK」の表記になります。

Q2.「1SLDK」の「S」って強そうだけど……何?


この「S」は「サービスルーム」の略で、要するに「納戸」のことです。納戸をかっこよく英語で表したものが「サービスルーム」です。

ちなみに「納戸」「サービスルーム」とは、窓が一定以上の基準より小さく、採光がとれず居室としては認められていない部屋を指します。これは建築基準法で定められていて、床面積に対して窓が一定の割合がないと部屋として認められません。

サービスルームにはさまざまなパターンがあり、ものすごく小さなスペースがこの「S」として表現されることもあれば、ただただ窓が小さいだけであとは他のお部屋とあまり変わらない部屋が「S」として表現されることもあります。「1SLDK」と表記されていても、実質「2LDK」とさほど変わらない物件なども存在しますね。

たまに6畳あるサービスルームも存在し、もはやそれは普通の部屋と言っても過言ではないのですが、窓の大きさだけが基準を満たしていないと「サービスルーム」扱いになります。逆に、3畳であっても窓の大きさが基準を満たしていれば「部屋」として認められます。

 

Q3.「駅から徒歩〇分」って、誰がどうやって決めてるの?


歩く

これもさきほどの「LDKの基準」と同様に広告規約で決められており、分速80メートルとして計算しています。この規約が決められた当時に計測した、女性がハイヒールで歩いたときの速さをもとに設定されたそうです。

ただし、これには「信号待ち」や「踏切」、「坂道などちょっとした起伏」は計算されていないので、たとえば信号待ちが多い場所やなかなか開かない踏切を通過したり、ずっと上り道だったりすると、体感時間は表記時間と異なってくることがあります。

 

Q4.「駅から徒歩〇分」の「駅から」って、駅のどこから?


これはその物件から最も近い出口を指しています。

そのため「駅のホームからすぐに行ける出口から徒歩1分」も「駅のホームから出口まで数分かかるような出口から徒歩1分」も、どちらも「駅徒歩1分」と表記されますので、実は徒歩分数が長く表記されている物件のほうが、実際には駅のホームからは短い時間で行けた……ということもあり得ます。
また、「出口から」になるので、ホームから出口までかなり距離がある深い地下鉄なども「徒歩何分」の時間にはカウントされないので、体感時間はかなり変わることがあります

 

Q5.「新築」と「築浅」って何が違うの?


新築

「新築」には基準があり「建築されてから1年未満」かつ「まだ誰も入居していない部屋」を指します。建築から1年未満であっても、数日でも誰かが入居した場合は「築浅」といった表現になります。新築から築浅になると、不動産会社さんやオーナーさんのご意向で多少家賃が下がることもあります。
また、築何年以下の物件を「築浅」と呼ぶか特に定義はされていませんが、アットホームで築浅物件特集を行う場合は築5年以下の物件を取り扱っています。

Q6.「定期借家」って何?


「定期借家」とは、「一定の期間が満了すると、必ず契約が終わる」という契約になります。
もう1回契約を更新する場合は、双方の合意があれば更新が可能です。

「定期借家」になっている物件には、大きく分けて2つのパターンがあります。

・ひとつは「転勤などで2年間だけ家を空けるけれど、2年後に必ず戻ってくる。だからその間だけ貸しておきたい」というオーナーさんが定期借家契約で貸し出すことがあります。

・もうひとつは、オーナーさんや不動産会社さんのご意向の場合です。

一般的な物件の賃貸借契約では、実はオーナーさんは「ペット不可の物件なのにペットを飼っていた」などの契約違反があった、建て替えをする必要がある……など、よっぽどの事情がない限り、入居者さんの更新を拒絶することはできません。これはほぼ入居者さんを守るための法律です。
もし、入居者さんの中に騒音で苦情が何度も何度も来ている人がいたとしても、出ていけとは言えず「ちゃんとしてね」と注意喚起をすることくらいしかできません。

一方で「定期借家契約」にしておくと、オーナーさんの意向で入居者さんとの更新を終わらせることができるので、もし問題を起こす人がいた場合は更新しないことを選ぶことができます。そのため借りる側としては、定期借家の物件は入居環境が整いやすい、というメリットがあります。一度実際に定期借家物件に住んだことがありますが、普通に暮らしているぶんには普通の賃貸借契約とそこまで差は感じませんでしたね。

もし「ものすごくよい物件なんだけど、万が一更新されなかったらイヤだな……」と定期借家扱いの物件で迷っている場合は、不動産会社さんになぜその物件が定期借家になっているのか、理由をきちんと確認してみてください。絶対にその期間で戻ってくるパターンもあれば、住居環境を保ちたいからこそ定期借家契約を選んでいるパターンもあります。

Q7.「分譲賃貸」って何?


これはその名の通り「分譲マンション」を賃貸に出しているものです。

ひとつひとつの部屋でオーナーさんが異なる場合が多いです。実際にそのマンションに「購入して住んでいる」人もいれば、「購入して、賃貸に出している」人もいます。

分譲賃貸のメリットは、やはり「売られている物件」を賃貸に出しているので、一般的な賃貸物件に比べると、浴室乾燥機がついていたり24時間換気システムがついているなど設備がよかったり、わりと普通の賃貸物件に近い値段でグレードが高い物件に住める傾向があります。

デメリットとしては、オーナーさんが投資用に持っている物件だと、オーナーが途中で変わることもあり、新しく買ったオーナーさんが「自分で住む用に買ったので退去してください」「リフォームをしたいので1~2か月後に退去してください」ということがごくたまに発生する可能性があることくらいです。

 

知っておくと役立つお部屋探しにまつわるキーワードの数々。次に引っ越しを考えているタイミングには、ぜひ参考にしてみてくださいね。

取材協力/アットホーム(株)

構成/後藤香織 写真/(c)Shutterstock.com

 

★意外と知らない!「マンション」と「アパート」の違い、答えられますか?

>CanCam.jp TOPにもどる