「ぼる塾」あんりが大切な「君」へ綴ったラブレター【思い、思われ、食べ、ぼる塾。vol.109】

人気芸人「ぼる塾」のメンバー4人によるリレーエッセイ連載。
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今回は、あんりさんのターン!

いつも支えてくれている当たり前の存在に慣れてしまって、感謝しなくなっていること、ありませんか?あんりさんのお話から、そういった替わりのきかない存在を大切にしようと、改めて思えるはずです。

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「最近ラブストーリー観てると疲れちゃうのよね」by 田辺さん

CanCamをご覧の皆さま、どうもー!ぼる塾のあんりです。
皆さまが大切にしているもの、大切にしたいもの、それはきっとひとつではなく、たくさんあることでしょう。
そして、それはこれからも少しずつ増えたり、減ったりしていくのだと思います。

私にも最近、とても大切にしたいものが見つかりました。
それは、当たり前にいつも側にいて、私を支えてくれた存在。
その存在があったから、私は毎日立ち上がり、時には座り込み、また起きあがることができた。
だけど、私はその存在を有り難がらず、雑に扱ってしまっていました。

日々の姿勢というのは段々とルーティン化していき、マンネリ化していく。
そんな中でも工夫をして、色んな姿勢をとって楽しませる。
私はそんなことをしてくれる方といつか添い遂げたい。
自分は相手にそう望むのに、私は大切な存在に毎日毎日同じ姿勢ばかりとって飽きさせていた…。
時には無理な姿勢をとり、痛めつけてしまったこともありました。
痛めつけた後のケアも怠り、痛みを蓄積させてばかり。

黙って側にいてくれた君も、いつの日か少しずつ様子がおかしくなっていきましたね。
痛めつける私にやり返すように、君も少しずつ私を痛めつけた。
私が痛めつけてしまった傷に気付いて欲しいと言わんばかりに。
それはきっと君の精一杯の私へのアピールだったんだよね。
私、バカだけど、そんな私でも本当はもう気づいていたんだ。
なのに私は気づかないふりをして、毎日同じ姿勢、時には無理な姿勢をとり続けた。
こんなふうになってしまって、今更どう変わっていけばいいのかわからなくて、すごく怖かったんだ。
君にずっと甘えていたかった。

まだ問題なく「君」と上手くいっているとき。地べたに座ってご機嫌にババロアを食べているあんりさん♪

勇気を出して、君が喜ぶ場所に連れて行ってみたこともあった。
君の痛みが少しでもほぐれるような優しい場所を調べて連れて行った。
君はすごく喜んで、また行きたいって伝えてくれた。

「1週間後はどう?」

せっかく喜んでくれた君に、私は謝ることしかできなかった。

「ごめん、仕事があるから。」

君はすごく寂しそうな表情をした。
ほんの少しだけ優しくして、期待をさせて裏切って、私はまた君を傷つけてしまった。
君はもう私になんの期待もしてくれないのかな。

私ね、最近引っ越したんだ。
気分転換がしたくなって。
勝手だよね、君とはマンネリ化させてばかりなのに、自分だけ新しい環境にいくなんて。
君を忘れようと荷造りや荷解きに没頭するときも、ふとした瞬間に感じるズキズキとした痛みが君のことを思い出させる。

海外ロケにも行ったんだ。
飛行機や新幹線、ロケバス、どんな乗り物に乗っているときも。
初めて見る景色なはずなのに、なぜだか君を思い出してまた痛み出す。

今、こうしてこの文章を書いてるときでさえ、実は痛みを感じている。

君へ
どうしたら私を許してくれる?

君へ
どうしたらまた元どおりになる?

腰へ
もう負担をかけたくない。
でも、どうにもならないんだ。

皆さま、長らく失礼致しました。
私が最近大切にしたいもの、それは腰です。
腰が痛いということをなるべくユニークに伝えたいと思った結果がこれです。
楽しいのは自分だけでした。

今、引越しの荷解きや家具の組み立てなどをしている最中で、少し休憩したタイミングで連載を書いていたらこんなことになってしまいました。

マッサージをしてもらいに行くにしても、当然一度だけじゃ治らないし、習慣的に行かなければならない。
労わろうにも職業柄遠距離移動は避けられない。

「ずっと座りっぱなしだと腰が痛いから、体勢を変えて猫の邪魔をする私です」byあんりさん

腰への悩みはつきない。

普通こういう悩みを連載で書く場合、解決法もセットでつける。
だけど、いちばん困ることに、今現在解決法は見つかっていない。

それでは、一度整体に行ったときの話をひとつ。

受付で渡された紙の「職業」についての記入欄。
芸人によって、なんて書くかはそれぞれだ。
私はいつも自営業と書くのだが、その日はなぜか自営業というワードをど忘れした。
どうしても思い出せない。
悩んだ挙句、私が選んだ職業はエンタメ関係。
そんなふうに書くものだから、施術中に整体師さんにエンタメ関係ってどういう系ですか?と聞かれてしまった。
焦った私はテレビ系と答える。

整体師さん「あ!もしかして!」

ぼる塾のあんりって気付かれたか?!

整体師さん「ディレクターさんとかですか?」

全然気付かれてなかった。
むしろ知られてさえいない。

予想外の展開に思わず頷いてしまった。

整体師さん「えーすごい!ドラマですか?」

私「いえ、バラエティーです!」

一度嘘をつくと、その嘘を守るためにどんどん嘘をつかなければならない。
聞いたことあるけど、本当だったんだな。

その後、夏のロケがいちばん大変だというあるあるを披露して、できれば次回から完治するまで週1くらいのペースで来れないか?という要望があったが断った。

もしよければ、腰の痛みに悩んだことある方、おすすめのケア方法などがある方どうか教えてください。

以上、腰へのラブレターでした。(あんり)

★ぼる塾連載は毎週日曜夜配信予定です!お楽しみに★

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『猫塾』と『しんぼる』が合体したお笑いカルテット。現在、酒寄希望さん(写真左)が育休中のため、きりやはるかさん(中央左)、あんりさん(中央右)、田辺智加さん(右)のトリオで活動中。
 
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©吉本興業/マガジンハウス
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『ぼる部屋』毎週木曜 24:15-24:25 KBC 九州朝日放送にて放送中。
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文/あんり(ぼる塾) イラスト/mame 構成/田中絵理子