クローゼットの収納力を30%増やす、簡単テクって?|おしゃれプロ・田中絢子さんの整理術【インタビューVol.3】

小柄さん必見!あか抜け小物&クローゼット整理術

身長150cm前後の小柄さんに向けて2018年にローンチされたブランド『COHINA』のディレクターを務める田中絢子さん。ブランド立ち上げ当時から、小柄さんにターゲットを絞り、妥協なく心の底からファッションを楽しめる商品づくりを試行錯誤。今では、SNSやインスタライブを中心に販売される洋服や小物が、発売直後にSold outとなることも稀ではない。

今回のインタビューでは、小柄さんから絶大な支持を集める人気ブランド『COHINA』のこと、そして自身のファッション哲学についてうかがったVol.1Vol.2に続いて、あか抜けて見える小物テクや収納術などおしゃれが楽しくなるヒントをさらに深堀り! 早速ご紹介していきます♡

小柄さんのあか抜けポイントはズバリ“小物”

「小柄さんのあか抜けファッションに大切なのが小物選び。全身のバランスを良く見せたり、コーディネートの印象をおしゃれっぽく仕上げたり、小物の合わせ方次第で洗練された着こなしになるか否かが決まります。でも、靴やアクセサリーも小柄さん向けのサイズはなかなかなくて選択肢が少ない…服のサイズが合っても足元が素敵に決まらない…という声が多くて、“COHINA”でも小物を提案するようになりました」

↑ルコックスポルティフのコラボスニーカーは、大人な色味とシンプルなデザインが好評。

素敵な靴に巡り合えない、ネックレスが長すぎて上半身とバランスが合わない…自身の悩みやユーザーの声をきっかけに、“COHINA”では小柄さんにマッチする小物づくりも開始。全身で妥協のないおしゃれを楽しんでほしい、田中さんの夢はさらに膨らみアイテム数は年々増えているそう。

「“COHINA”の靴のサイズは20.5cmから展開していているのですが、そのサイズだと子供用の木型しかなかったので、レディースのパンプスが作れる木型を工場に依頼してやっと実現しました。小柄さんは足の甲を広めに出すとスタイルアップ効果が高まるので、抜け感を意識しながら何度もデザインを改良しました。今では、スポーツブランドとのコラボスニーカーやローヒールのパンプスが大人気に。

足先が余らない小柄さん用のタイツ、つばの幅を狭めたキャップ、小柄さんの身長に合うロングネックレスなど、以前はなかなかしっくりこなかったアイテムも販売。お直しのできない靴はとくに人気で、たくさんの喜びの声をいただいています」

買い物前にピンタレストでコーデを収集

「私はオンラインでも店舗でも買い物をするのですが、普段からピンタレストで惹かれるコーデを集めておいて、着たい服、挑戦したいファッションを把握しています。ショップにはかわいいものが溢れているので、勢いで買い物をしないように必要なものをイメージしておくことが大切。ときめいたものを買ってしまうこともありますが(笑)、シーズンのムードを決めてから好きなブランドをのぞいてみると買い物の失敗が少なくて済むんです。

↑シンプルなアイテムでも着回しのバリエーションを考えて購入するのが田中流。

実際に購入するときは、アイテムの活躍頻度をイメージして、月に5回は必ず着るな、とか、鉄板コーデ以外にも着回せるかな、と慎重に品定め。着こなしがワンパターンになりそうな服は諦めることも」

ピンタレストを利用して、好きなファッションや欲しいアイテムをイメージしておく、という田中さん。買ってみたけどタンスの肥やしに…合わせるボトムがわからない…など、誰もが一度は衝動買いの落とし穴にハマった経験があるのでは…。そんな人は、ショッピングの前に“シーズンムードを決めておく”のがポイント。誰でも簡単にできて買い物に失敗しない有効手段はマネしたい!

出番が回ってこない…着ない服との別れ方

「毎日ファッションを楽しむ中で、なかなか出番の回ってこない服、というのがありますよね。私の場合、腰まわりが張っているので、体型がきれいに見えないボトムは買ってもなかなか手が伸びなかったり…。ひと目ボレで買った服やサイズ感が合っていない服も、数回はトライしてみて、それでもしっくりこないときは似合う友人に譲ってお別れをします。

この服高かったし…、いつか着るかも、と手元に置くより、買ったときのときめきを忘れずに次の人にお譲りする。似合わない服、自分のワードローブに合わせにくい服は、着たときにソワソワしちゃって不思議と落ち着かないですし、クローゼットのスペースは有限なので。せっかく買ったのにもったいない、と感じますが、そういう経験もきっと大切。私自身、失敗からもいろいろなことを学んでいます」

ひと目で気に入った服でも、なぜか出番がこない服。そんな服を田中さんは意識的にコーデに取り入れて最終ジャッジ。似合わなかったり体型に合わない服は、未練を残さず人に譲るそう。“クローゼットは有限だから…”。田中さんの言葉ひとつひとつからクローゼットを循環させる大切さが見えてくる!

お気に入りの名品はシーズン長く愛用する

「自分にとって名品と呼べるジャケットとデニムは、気に入ったものを色違いで集めて何シーズンも着ています。例えば“COHINA”のデニムはさまざまなシルエットがあるので、自分の体型に合うものを見極めて、この形だ!と思ったら色違いで買っておくのもおすすめ。ジャケットの場合、コンパクトなデザインとゆるめの2型を常備しておくと、どんなコーデにも着回せます」

素材とカラーで分ける!田中流クローゼットの整理術

「クローゼットは、トップス、ボトム、アウター別に。さらにカラーごとに整理しています。白いコーナー、グレーのコーナー、黒のコーナーなど色で仕切り、それぞれを素材別に並べておくと、服選びがスムーズに。色で分けるとトレンドのワントーンコーデも組みやすく、アイテムの把握も簡単なんです。

愛用ハンガーはドイツの“MAWAハンガー”で統一。シンプルで滑りにくく、無駄なスペースがとられないので、クローゼットの容量が30%くらい増えた気が。

ミニマルな“MAWAハンガー”(写真中央)は、独特の湾曲と滑りにくい材質で、ニットもボトムも何でもOK。

デニムは数が多いので、タグが見えるように畳んで積み重ねています。そうしておくとパッと見て必要なデニムが取り出せて便利。

バッグも数が増えているので、縦に5つほど収納できるバッグハンガーを使っています。持っていることを忘れてしまう、そんなことを避けるために、バッグも服も自分のワードローブは“見える化”しておく。衣替えをして視界に入れる必要のないものは見えないところにしまっています。

ニットブラシ、コロコロ、毛玉クリーナー、シミ取りなどを使い分けて、大切な洋服はおうちでケアも。気になるシミをすぐにオフしたり、ニットにブラシをかけたり、ちょこっと手間をかけるときれいな状態が長く保てて愛着が持てるんです。クローゼットは有限なので、着ない服を手放すこと、長く使いたい服をきちんとお手入れすること、無駄なくスペースを使うことは意識しています

ご自宅のクローゼットからも丁寧な暮らしぶりが垣間見える田中さん。心からおしゃれを楽しみ、愛する気持ちは、“COHINA”のモノ作りだけでなく自身のライフスタイルにもあらわれていますね。

次回は、インタビューの終盤、お気に入りのインテリアや休日の過ごし方、今後の夢についてお伝えします! お楽しみに。

<INFORMATION>

ブランドの立ち上げから5年、多くの小柄女性から愛されるブランド“COHINA”。たくさんの経験とリアルな声から導き出されたノウハウをまとめた初の著書「148cmディレクターと学ぶ 小柄が輝くおしゃれの本」が、主婦の友社より発売中。総勢1,000名の小柄女性からリサーチした、ファッションの知恵やメソッドは必見!