押切もえ、ワンオペ育児でも…夫の最大限のサポートに感謝|歴代モデルを直撃Vol.28【創刊40周年記念】

20代後半で『CanCam』から『AneCan』へ移籍 Vol.28押切もえ

CanCam創刊40周年を記念して、歴代のOGモデルをクローズアップするスペシャル連載。専属モデル時代から今日までの軌跡を振り返りつつ、今だから話せる撮影裏話やプライベートなお話など、自分らしく輝き続ける彼女たちのリアルなメッセージをお届けします。

スぺシャル連載のラストを飾るのは、唯一無二の存在感で絶大な人気を誇り、“CanCam”黄金時代の立役者でもある押切もえさんが登場! 最終回は、押切さんの“今”や気になるファッションのことなど、お話を聞いてみました♡

読者モデルから『CanCam』専属モデルに、そして『AneCan』へ移籍…トップモデルとして走り続けた20代。2013年には『浅き夢見し』で小説家としてデビューするなど、常に新しいことにチャレンジし前進する姿は、ファンだけでなくモデルやスタッフにとっても憧れであり、目標となる存在でした。常に頼られるモデル道を突き進む一方で、甘えることが苦手で、弱音を吐けない自分がいて、当時は気づかないうちに頑張りすぎてしまうことも。「自分に自信もなくて、『大丈夫かな?』と思うことが多かった」と、当時を振り返る押切さん。完璧主義でなかなか肩の力が抜けなかった、という彼女を変えたのは、“結婚”というターニングポイントが大きかったそう。家族ができて、頼ること、甘えることができるようになったと言います。妻として、2児の母として、多忙な毎日を過ごしながら、美しさもキープしている押切さんに”今”について聞きました!

仕事が大好きだからこそ…今は“家事育児が最優先”

ーー仕事と家庭の両立で、苦労を感じていることはなんですか?

「基本的には、家事育児が最優先と決めていて、なるべく普段のスケジュールも時間に余裕を持つようにしています。もちろん、いただいたお仕事を引き受けると決めたら、全力で頑張ります。ただ、とにかく予想外のことが起きるのが子育てで…。大変さを痛感してます。どうして今日なの?っていうときに子供が熱を出したり、完璧にシチュエーションを想像して行動しても、あれ? もうお迎えの時間! 急がないと!!とか、本当に色々なことが日々起きています(笑)。“絶対”はない!と割り切って、いろいろなケースを想定してスケジュールを決めたり、周りの方に力を借りながらお仕事をさせていただいています。無理をすれば出来そうなお仕事もあるのですが、私は“育児家事が最優先”と決めちゃいました。そうじゃないと、習い事や子供にしてあげたいことがこんなにあるけど、私は仕事がしたい! どうすればいいんだろう…と、結局自分がしんどくなってしまいそうだから。私は元々お仕事が大好きなので、今自分の仕事を優先してしまうとすべてが中途半端になってしまうかなって。だから、お受けできなくて泣く泣くお断りしているお仕事もたくさんあります。ワンオペで育児をしていることも多いので、今は夜の収録や泊まりの仕事からちょっと遠ざかっていますね」

ーー家事や育児で大変なことは?

「夫はとても優しくて家族思いなので、休日は料理やキッチンまわり以外の家事を手伝ってくれます。子供の送り迎えもしてくれていて、とくに息子はパパが大好きだから、送迎は『ママよりパパがいいな』って言われます(笑)。どんなときも最大限のサポートをしてくれる夫には、いつも感謝しています。もちろん、夫が不在でワンオペの時は、大変は大変ですね。子供がふたりいて、下の子は歩くようになったから目が離せないし。最近はバッグが大好きで、私のバッグを持って歩いたり、中身を出し入れして遊んでいます」

ーー仕事とプライベートの切り替え方は?

「私は現場に入ると、自然とスッと気持ちが切り替わるほうかもしれないです。現場に入った瞬間からバッと集中して、気がついたら時間が経っている、ということが多いです。お仕事をする時間がすごく貴重に感じるようになりました。休憩中に食事をとる時間さえももったいなくて、その時間もお仕事をしていたいって思いますし、時間の使い方に対する考え方も変わりました」

ーー多忙な毎日の中で息抜きの方法は?

「甘いもの(笑)! プリン、チョコレート、フルーツをこっそり食べて、リフレッシュしています。ちょうど昨日プリンを作って冷やしてきたので、今日帰って食べるのがすごく楽しみ。子供も喜んでくれるので、時間があるときはお菓子作りをしています。あとは、少し気分が落ちそうなときは、自然に触れたり、体を動かしたり、好きな人たちに会って、美味しいものを食べて、音楽を聴いて…好きなものに触れると気持ちも前向きになれるような気がします」

自身を“仕事大好き人間”と認めているからこそ、今はとにかく家事と育児を優先している、という押切さん。好きな仕事だからこそ、家庭と両立するためにブレないルールを決めているのだそう。独身時代はつい完璧を求めてしまい、自分を追い込んでしまうこともあった彼女が、家族を作り、みんながいつもハッピーでいる環境づくりを大切にしていると話す姿は、新たな魅力があふれていました。

子供が生まれて、洋服や靴を選ぶ基準が変わりました!

ーー家庭の中で、押切さんはどんな役割だと思いますか?

「夫や子供たちを全力で応援する応援団長のような役割かな。子供への声掛けもよくしています。息子はお喋りがとても好きで、ずーっと喋っているんですよ。子どもには、『何をやったの?』ではなくて、『○○した?』とか具体的に聞くのがいいと育児本で読んだので、少し前から質問の仕方を『今日はお絵描きしたの?』とか『○○くんと遊んだの?』というふうに変えてみたんです。そうしたら、さらにたくさん話してくれるようになりました」

ーー“ファッション”の考え方は変わりましたか?

「やはり、結婚して子供が生まれて、TPOをこれまで以上に考えるようになりました。汚れても洗えて、アイロン不要の素材であるか、子供と一緒にアクティブに遊べるかどうかはすごく大切。出産前は考えたこともなかったけれど、子供といると自分が好きなものだけでコーディネートが決められない。公園に行くときは動きやすくて汚れてもいい服装で、尚且つ外に出てもおかしくない格好を選ばないといけないですし、送り迎えのときはシンプルでシックだけど着心地の良いものを選んだり、コーディネートを決める基準も変わってきました。色も、グレー、ネイビー、ブラック、ホワイトなど合わせやすいカラーが多くなりました。若い頃は、シックな色より赤とかピンクを選んでいたのに、変わってきますね(笑)。靴もスニーカーとフラットシューズが増えました。脱ぎ履きがしやすくて、歩きやすいもの。その代わり、お仕事やお休みの日は、好きな色の服を着たり、アクセサリーをつけて少し華やかにしたりして、ファッションにもメリハリをつけるようにしています」

ーーおすすめの美容方法はありますか?

「特別なことはあまりしていなくて、シンプルな方法を丁寧に続けることくらい。保湿だけは忘れずにしっかりとやっています。出産後すぐに撮影が入っていたこともあって、どうしても体型を早く戻さないといけなくて、無理をしない程度にピラティスに通いました。今は本当に時間があるときだけなので、10日~2週間に1回行けたらいいな、というペースで続けています」

ーー最近いちばん笑ったことは何ですか?

「家族と一緒にいるといつも大笑いしています。後から思い出そうとしても、なんで笑っていたのか覚えていなかったりするんですけど。子供って、ちょっとした仕草や言葉で面白い事を言ったりやったりしますよね。だから日常生活のちょっとしたことで、いつもたくさん笑っています(笑)。あとは、食器洗いとか単調な家事がたくさんあって、本当に気分がのらない時は、タブレットでお笑い系の動画をつけるんです。ダウンタウンさんとかオードリーさんの番組を観るとすごく笑えてテンションが上がります!」

CanCamは…私とって“感謝いっぱいの場所”

ーー今の自分からCanCamモデル時代の自分に声をかけるとしたら?

「“今は、そんなに仕事第一主義だけど、将来は、子供のために育児も家事も頑張ってるよ”と伝えてあげたいです。当時は想像もしていなかった事だと思うんですけどね」

ーー10代20代を振り返って、夢を叶えるために必要だと思うことは?

「好きなことをとことんやってみることはオススメしたいです。好きなことって、ストレスなく時間を忘れて没頭できるから、きっと得意なことになってくると思うんです。だからいっぱい種を蒔いて、畑を耕して、いいなと思ったことをやり続けると何かに繋がることもあるし、できることも増えていくと思うんです。10代も20代も若いんだから大丈夫! 可能性がたくさんあって、若いっていいなって思います(笑)。嬉しいことも悲しいことも、全て人生の糧になるし、じっくり味わうのもいいと思います。私自身、過去で後悔していることはないですけど、自分が10〜20代の頃はクヨクヨ悩んで不安を感じることもありました。その度に、先輩から『若いんだから大丈夫だよ、なんでもやってごらん』って言われたことが今になって理解できるんですよね」

ーー最後に、押切さんにとって『CanCam』とは?

「私を育ててくれた場所であり、感謝いっぱいの場所。今振り返ると本当に色々なことがありましたけど、CanCam時代はずっと全力で走っていたと思います。今も昨日のことのように当時が思い出せるし、楽しかったこともツラかったこともすべてが糧になり、今の私がいます! 『CanCam』にたくさんのありがとうを伝えたいです」

『CanCam』創刊40周年を記念した特別企画では、『CanCam』の歴代OGモデルに、当時のこと、今のこと、これからのことを独占インタビュー。今回、ファイナルを飾っていただいたのは『CanCam』の歴史を語るに欠かせない伝説のモデル・押切もえさん。『CanCam』は、自分を育ててくれた、感謝いっぱいの場所、と語った押切さんですが、どんなときも仕事に真摯に取り組み最良の結果を見せてくれる押切さんの存在こそ、後輩モデルたちへ、そして編集スタッフたちへと受け継がれる“CanCam魂”そのものです。結婚を機に、肩の力を抜けるようになったという彼女の笑顔は、さらに輝いて見えました♡

10年後の理想は、「小説や絵など、作品をしっかり作りたい。でもいちばんは、今のように毎日笑っていられれば幸せ!」と答えた押切さん。10年後、さらに輝きを増す“押切もえ”ちゃんが楽しみです♡ これからも、『CanCam』の“もえ愛”はずっとずっと続きます!

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押切もえProfile/千葉県出身。1979年12月29日生まれ。高校生の頃から読者モデルとして活躍し、同年代の女のコのカリスマ的存在に。2001年に「CanCam」専属モデルに抜擢され、スタイルの良さとモテるカジュアルを提案し、一躍トップモデルになる。誌面で着用したアイテムは即完売になるなど、その人気ぶりは社会現象に。2007年に創刊された「AneCan」に移籍後は、CanCamのお姉さんスタイルを確立。一方で、2013年には長編小説『浅き夢見し』で小説家デビュー。2015年には絵画作品が二科展に入選するなど、多方面で活躍中。インスタグラムは、moe_oshikiri
撮影/ 谷口 巧(PygmyCompany) スタイリスト/粟野多美子 ヘア&メイク/陶山恵実(ROI) 取材/小山恵子
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