コロナ禍の名刺事情を調査
コロナ禍でテレワークが普及し、商談や会議もオンラインで行うことが増えましたよね。このような働き方の変化で紙の名刺交換が難しくなり、オンライン名刺に関心を持つようになった人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、Sansan株式会社が全国の20代〜60代のビジネスパーソン1050人を対象に行ったアンケートを元に「名刺文化に対する意識の変化」についてご紹介します。意外と気になるビジネス問題、さっそく見ていきましょう。
コロナ禍においても「名刺は必要」
まずはじめに「ビジネスにおいて名刺は必要だと思いますか? 」と聞いてみました。コロナ禍によるテレワークの増加で、名刺の重要性は変化したのでしょうか? 結果はこちら。
コロナ禍前は75%が、コロナ禍においては59.5%が「必要だと思う」と回答しました。対面での名刺交換の機会が激減する中においても、必要性についての意識は若干の減少にとどまる結果に。引き続き名刺を必要とするビジネスパーソンが過半数いることが分かってきました。
コロナ禍になり、名刺の必要性をそれほど感じなくなった人も少なからずいるとはいえ、やはり必要だと考える人が多いようです。次は、名刺を必要とする理由を見てみましょう。
名刺の価値は「正確な情報の入手と提供」
コロナ禍においても、名刺を重視する人は変わらず多いことが分かったところで、次は「名刺を必要だと感じる理由」を聞いてみました。結果はこちら。「当てはまる」「やや当てはまる」と回答した人の合計を見ると、「相手の役職を含む正確な情報の入手(86%)」が最も多く、続いて「相手に対する自分の身分証明・正確な情報提供(85.5%)」という結果に。双方で正確な情報をやりとりするニーズが1番高いことが分かりました。ビジネスにおいて、人物情報を間違えてしまうと失礼に当たる上、大きなミスにも繋がりかねません。そういった意味でも、ひと目で正確な情報を把握できる名刺は重要と言えそうです。
他に「ビジネスマナーだと感じる」や「スムーズなコミュニケーションの後押しになる」など、名刺が仕事をする上での基本になると考える人も少なくないことが分かりました。次は、紙の名刺の必要性について見てみましょう。
紙の名刺じゃなくても良いと思う人が倍増
コロナ禍になっても、ビジネスにおいて名刺は変わらず重要とする人が多いことが分かったところで、次は名刺を必要だと感じている人に「名刺は紙であるべきだと思いますか?」と聞いてみました。結果はこちら。「あまりそう思わない」「そう思わない」の合計が、コロナ禍前は7.5%だったのに対して、コロナ禍においては18.3%となり、コロナ禍前の倍以上になっていることが明らかに。
紙を重視している人もまだまだ多いですが、オンライン名刺など形式にこだわりを持たない人が増えつつあることが分かってきました。次は、紙の名刺でなくても良いと思う理由を見てみましょう。
紙の名刺は管理が大変、今後の打ち合わせはオンライン中心になると予想
名刺を必要と感じる人は多いものの、紙でなくても良いと思う人が増えてきているようです。ということで、ここでは「名刺は紙であるべきだとは思わない理由」を聞いてみました。結果はこちら。
「当てはまる」「やや当てはまる」と回答した人の合計を見ると、「紙の名刺は保管が大変だから(77.4%)」が最も多くなり、続いて「今後は打ち合わせ・商談はオンラインが中心になると思うから(76.8%)」という結果になっています。確かに、紙の名刺は数が増えるにつれ管理が大変になる上、紛失の心配もありますよね。また、持ち歩くのが面倒という人も少なからずいるようです。
そして、商談・会議のオンライン化は一時的ではなく、今後も継続すると考えている人が多いことが明らかに。未来の働き方を予測して、名刺の在り方も柔軟に対応したいと思う人が多いことが見えてきました。
他に「代用ツール(SNSやメール署名)で相手の正確な情報を知ることができるから(73.6%)」という回答も多く、正確な情報のやりとりが可能であれば形式にこだわりはなく、便利なツールを利用していきたいというニーズがあることが伺えました。次は、今後の紙の名刺文化について調査しました。
4割以上が「紙の名刺文化はなくなっていく」と予想。一方、世代間ギャップも…
紙の名刺は保管が大変、今後も商談のオンライン化は進むと予想するといったことから、紙の名刺にこだわりを持たない人が増加傾向にあることが見えてきました。では、今後は紙の名刺文化はなくなってしまうのでしょうか? 今回の調査で「今後紙の名刺文化はなくなると思いますか? 」と聞いてみると次のような結果になりました。
「とてもそう思う(12.8%)」、「ややそう思う(33.6%)」の合計で、46.4%の人が今後紙の名刺文化はなくなると回答。半数近くが紙の名刺の消滅を予測しているようです。一方、年代別にみると以下のような結果に。
「とてもそう思う」「ややそう思う」の合計で見ると、20代が64.2%と圧倒的に多い一方、60代では20%と低水準になっていました。「リモートネイティブ」という言葉も生まれる中、紙の名刺文化への認識について、世代間にギャップが生じていることが分かりました。
オンライン名刺の普及は、年代間のギャップをいかに縮められるかによって変わってきそうですね。次は、名刺文化そのものについての意識を見てみましょう。
過半数が名刺文化は続くと予想
紙の名刺文化については世代によって大きな差があることが見えてきましたが、では、名刺文化そのものはどうなっていくと考える人が多いのでしょうか? ここでは「今後、名刺文化自体がなくなると思いますか?」と聞いてみました。結果はこちら。
「あまりそう思わない(34.8%)」「思わない(26.1%)」の合計で、60.9%の人が継続すると考えていることが判明。やはり正確な人物情報を交換する上で、名刺を活用することにメリットを感じている人が多いようです。オンライン化が進んでも、名刺そのものは存在し続けそうですね。
次は、現在使っている名刺について調査しました。
コロナ禍で「紙とオンラインの併用」が増加
名刺はこの先も必要だと考える人が多いことが分かったところで、次は、コロナ禍前と比較する形で「現在、どのような形式の名刺を使っていますか? 」と聞いてみました。結果はこちら。
「オンライン名刺」、「紙の名刺とオンライン名刺のどちらも併用」の合計が、コロナ禍前は18.8%だったのに対して、コロナ禍においては29.1%となり、10%以上増加していることが明らかになりました。オンライン名刺の利用の割合も増えており、コロナ禍での商談・会議のオンライン化がオンライン名刺の普及を後押ししていることが伺えますね。
まだ紙の名刺が主流ではありますが、コロナ禍を通してオンライン名刺を使い始めた人も少なくないようです。最後は、今後使いたい名刺について調査しました。
約4割が「紙とオンラインの併用」を希望
コロナ禍を機に、オンライン名刺も使うようになった人が増えつつあることが分かりました。今後もテレワークを上手く活用する企業が多そうですよね。ということで、最後は「今後どのような形式の名刺を使いたいですか? 」と聞いてみました。結果はこちら!
最も多かったのは「紙の名刺とオンライン名刺のどちらも併用(42.2%)」という結果に。ビジネスシーンに応じて紙とオンライン、それぞれの名刺を柔軟に使いこなすことで、今後ますます浸透すると思われるオフラインとオンラインのハイブリット型コミュニケーションに対応しようとしていることが明らかになりました。確かにどちらにもメリット・デメリットがあるので、シーンに適した手段を使うことが求められますね。
以上「名刺文化に対する意識の変化」について紹介しました。やはり名刺は仕事を円滑に進めるために必要なものと考える人が多いようです。しかし、テレワークの普及に伴って、名刺の形式は変わりつつあることも見えてきました。今後はオンラインと対面、どちらの打ち合わせにもスムーズに対応できるよう、紙とオンライン名刺を上手く柔軟に使い分けることが求められそうですね。(澤夏花)
情報提供元/Sansan株式会社
あわせて読みたい