紅葉をきれいに撮りたい!スマホでもOK♡プロが教える撮影のコツ

ちょっとした工夫でグッと差がつく!秋感あふれる紅葉写真の撮り方

気づけばすっかり秋も深まってきた今日この頃。SNSを眺めていても、秋らしい写真が目に入るようになってくるようになりました。

この季節を象徴する風景といえば、やっぱり紅葉。ということで、今回はフォトクリエイトに所属するプロカメラマンの江本秀幸さんに「紅葉をきれいに撮るコツ」を教えてもらいました。

ちょっと工夫をするだけで、誰でも簡単にSNSで映える印象的な写真を撮れるようになるとのこと。ポイントを学んで、紅葉シューティングに出かけましょう♡

◆準備編:お出かけ前に要チェック「紅葉の見頃」っていつ?

それではカメラを片手にさっそくお出かけ……したいところですが、ちょっと待って!
最初のポイントは、紅葉の見頃をリサーチすることです。

せっかく張り切って出かけても、時期が早かったり、逆に遅すぎたりしたら悲しいですよね。一般的に紅葉の見頃は10日間から2週間程度と言われていて、きれいな紅葉を撮影できるタイミングは意外と限られています。特に土地勘がない紅葉の名所に遠征する場合は、事前にSNSなどで情報を収集してから、お出かけの計画を立てましょう。

気温が低いと早まり、気温が高いと遅くなるのが「紅葉の見頃」。
2021年の関東地方の場合、9〜11月がすべて平年より高くなる見込みのため、例年より遅く、11月から徐々に紅葉前線は南下していき、都内が見頃となるのは11月末頃。

11月上旬の今、北海道〜東北地方はいち早く見頃を終えたところが多いですが、全国的に色づきはじめ〜見頃となっているので、ちょっと外に出かけるだけでも秋を感じやすい季節になっています。

出典:気象庁

また、近所で撮影する場合は、日頃から木々の葉の色づきを観察しておくことが大切です。時間帯や天候によっても、日差しの色味や空気感は刻々と変化します。季節の移り変わりを肌で感じつつ、撮影するタイミングを見計らいたいところですね。

おすすめは、朝の散歩。逆光を葉で透かすと、エモい1枚が撮れますよ。

◆撮影編①:光で遊ぶ

野外で撮影する際は、常に光の方向に注意を払うクセをつけましょう。

撮影者が太陽を背にした状態で、被写体にまんべんなく光が当たっている「順光」のシチュエーションでは、色がしっかり表現できるのが特徴。反面、立体感が薄れてしまうというデメリットも。

反対に、撮影者が太陽に向かう状態で、被写体の背後から光が当たっている「逆光」の場合は、色味が淡くなり、ふんわりとした雰囲気の写真に。しかし、レンズに強い光が入るので、被写体が暗くなりがちです。

また、横から光が射す「サイド光」を生かすと、影が強く表現できて、ドラマティックなカットが撮影できます。

 

風景を撮影する場合は、自分が積極的に動いて、いいポジションを探すのが鉄則です。順光、逆光、サイド光には、それぞれいいところがありますので、いろいろ試して経験値を上げていきましょう。

また、立ったポジションだけではなくて、しゃがんでみたり、座ってみたり、高所に登ってみたりと、高低で変化をつけるのもポイントのひとつです。

紅葉の撮影では、日の出や日の入りの時間帯を狙うと、光の状態が美しい写真が撮れる可能性がグッと上昇。上級者は、あえて雨の日を狙ってみると、またひと味違う写真が撮影できます。

◆撮影編②:シンプル イズ ベスト!

息を呑むような美しい景色を撮ったはずなのに、どことなくぼんやりした、印象の薄い写真になってしまった……そんなお悩みをよく聞きます。

解決方法は、「主人公(テーマ)をはっきり決める」こと。

紅葉の撮影でも漠然とシャッターを切るのではなく、1本の木に焦点を当てたり、1枚の葉にグッと寄ったり、落ち葉が描くモザイク模様をテーマにしたり、紅葉の木々の中を歩く人物にフォーカスしたりと、主人公を決めてから撮影に臨みましょう。

そして、画面の中はできるだけシンプルに、周囲の余計なモノは大胆に削除を。
シンプル イズ ベストを心がけてください。

そのために活用したいのが、ズーム機能です。被写体にグッと寄ることで、周囲の余計なオブジェクトを画面の中から消してしまうことも可能になります。

主役を決めて、グッとアップに。

これが、より印象深い写真を撮るための近道です。

◆撮影編③:映えのアイデア集

ここでは、紅葉写真の映えるアイデア集を箇条書きでお届けします。
演出のヒントにしてくださいね。

●背景を意識する。青空、レンガなどの壁、ベンチやテーブルを背景に。

●樹木の下にもぐりこんで、上下を眺めて、ユニークな構図を探す。

●落ち葉を手に持って、陽の光に透かす。

 

●テーブルなどの上に何枚かの落ち葉をきれいに並べて。

●落ち葉のシャワー。落ち葉を散らしてドラマティックな瞬間を。

●低い位置から手前の紅葉をボカして、奥の人物にピントを合わせる。

●落ち葉のじゅうたん。敷き詰められた葉の色彩で魅せる。自分の足を入れても◎。

◆応用編:レンズとカメラの設定

ここまでは、本格的な一眼レフやミラーレス一眼から、手軽なコンパクトデジカメ、スマホまで、どんなカメラでも使える、基本的なテクニックを紹介してきました。

特に最近のスマホは、画像センサーの品質が年々向上していて、フィルターや加工アプリの種類も豊富。驚くような写真が撮れるようになりました。

さらに一眼レフを駆使して、ワンランク上の写真撮影を目指すなら、レンズや設定にも気を配ってみましょう。以下にヒントを挙げてみます。

●被写体に近づいて撮れる、50mmや105mmの単焦点のマクロレンズなどを使うと、作品級の仕上がりに。
●彩度を少しだけ上げると、ビビットな画面に。上げ過ぎは注意。
●ホワイトバランスを「オート」以外に。「太陽」や「雲」のマークに合わせるだけで使える、プリセットの設定がかなり優秀。
●MENUボタンで選べる(機種によって異なる)「ピクチャーコントロール」や「クリエイティブスタイル」のシーンセレクトの中から「ビビット」「鮮やか」といった設定を選択。

 

初心者から上級者までが実践できる、さまざまなコツを教えていただきました。
ぜひ、秋感あふれる紅葉写真の撮影にチャレンジしてみてくださいね。

 

取材協力/フォトクリエイト 所属カメラマン 江本秀幸氏