「乾杯のお酒」にふさわしい、シャンパーニュ。最近はそんな特別感はそのままに、日常的に楽しむ傾向が強まっています。
『MEN’S Precious』2014年冬号では、「厳選。今、飲むべき10大メゾンの、プレステージ・シャンパーニュはこれだ！」と題し、ワインジャーナリストの斉藤研一氏を指南役に、2014年から2015年と愉しめるシャンパーニュを一部ご紹介します。
◆クリュッグ グラン・キュヴェ ￥23,000
はっきりと視認できる濃い黄金色の中に、キメ細かい泡が立ちのぼり、絹糸のような美しいコルドンを描く。
花梨の蜜漬けやドライフルーツ、ブリオッシュなどの豪華絢爛な香りが広がり、コクのある味わいをフレッシュな酸味と硬いミネラル感がしっかりと支えます。
多層的で重厚感がありながら、エレガンスを見事に表現し、10種以上の収穫年（最長15年）をブレンドしています。プレステージしか手がけないクリュッグの真骨頂といえます。
MHD モエ ヘネシー ディアジオ／モエ ヘネシー マーケティング部 03-5217-9738
◆キュヴェ・エリザベス・サルモン・ロゼ2002 ￥29,000（写真右）
魅惑的な夕焼け色の中から、キメ細かい泡がゆっくりと立ちのぼります。完熟の白桃やオレンジピール、木いちごの豊かな香りが広がり、クリームのようななめらかな質感とやわらかで優しい味わいが愉しめます。
シャルドネとピノ・ノワールの赤ワインを1割混ぜることで、この美しい色あいが生まれます。ブレンドのロゼは軽んじられがちですが、その最高峰とも言うべきエリザベスはさすが、とうならざるを得ません。
ラ・ラングドシェン 03-5825-1829
◆クリスタル 2006 ￥28,000（写真左）
艶やかなプラチナゴールドの中から、本当にキメ細やかな泡が立ちのぼります。白い花や果物の蜜漬けの馥郁とした香りと、なめらかなクリームのような質感に包まれた完璧なバランスが特徴です。
やわらかでふわりとした味わいは声高に語りかけずとも、飲み手を魅了するほどの華やかさがあります。主力商品『ブリュット・プルミエ』が他社の同格品に比べてしっかりとした味わいであるのに対し、この『クリスタル』は繊細で優美さを極めています。
エノテカ 03-3280-6258
◆マルチ・ヴィンテージ・フュ・ド・シェーヌ ￥22,000（写真右）
驚いてしまうほどの濃いゴールドで、キメ細かい泡立ちがリズムよく立ちのぼります。ドライ・アプリコットやバター・スコッチを思わせる甘く濃密な香り。
ほどよいクリスプな質感があり、加えてふくらみがあって長い余韻が愉しめます。ピノ・ノワールを小樽で発酵させたことによる骨格や厚みが印象的で、収穫年のブレンドによるバランスのよさがあります。
単一年のもの、あるいは特別版のヴィンテージ『アルゴンヌ』はさらなるスケール感を堪能できます。
KFW アンリ・ジロー 03-5777-2639
◆シャンパーニュ・キュヴェ #737 ￥8,500（希望小売価格）（写真左手前）
濃いめの麦わら色の中から、リズムよく湧きあがる泡。すりおろしたリンゴや花梨の蜜漬け、焼き立てのパンを思わせる豊かな香り、クリスプな質感としっかりとした味わいが愉しめます。
定番銘柄は持たず2000年から販売されている700シリーズのように、ロット番号を掲げるユニークな展開。安定化というシャンパーニュ哲学を捨て去り、ヴィンテージを反映したブレンドによる高品質化を図っています。
ヴァンパッシオン 03-6402-5505
◆ローラン・ペリエ アレクサンドラ ロゼ 2004 ￥70,000（参考価格）（写真右）
艶やかなサーモン・ピンクの中に立ちのぼるおだやかな泡立ち。はっきりとした果実の香りは野生のいちごを思わせます。
さらに、レモンのシロップ漬けやパンの香りがアクセントに加わります。なめらかなクリームのような質感とともに、ふくらみのあるしっかりとした味わいで、長く複雑な余韻が愉しめます。
マルチ・ヴィンテージで、マセラシオン（果皮浸漬）製法による珍しいプレステージ・ロゼという、極めて意欲的なシャンパーニュです。
サントリーお客様センター 0120-139-380
◆ペリエ ジュエ ベル エポック 2006 ￥21,000
ツヤのあるペールゴールドの中に、美しく立ちのぼるキメ細かな泡立ち。白い花や黄桃、蜂蜜、バニラのような芳醇な香り。さらにクリームのようななめらかな質感とともに、やわらかでふわりとした味わいが広がります。
プレステージ・シャンパーニュには珍しく、わずかにピノ・ムニエを加えたことで、ほかにはない明るさや朗らかさが生まれています。美しいボトルのデザインどおり、なんとも優美で華やかな雰囲気を愉しむことができます。
ペルノ・リカール・ジャパン 03-5802-2671
本日は、クリスマスイブ。今晩や明日のクリスマスに愉しむもよし、年末年始に愉しむもよし、日々の何気ないときに愉しむのも、もちろんよし。ぜひさまざまなシーンで、厳選されたプレステージ・シャンパーニュをご堪能ください。（鈴木 梢）
（『MEN’S Precious』2014年冬号）
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