上手に相手を褒めるための心理テクニック
相手を褒めたときに、向こうから「嬉しいです!」や「有難うございます」と返ってくるのは、日本においてはなかなか日常的ではありません。なぜなら“謙遜”を美徳とする風潮があるからです。「そんなことありません」と返ってくることが多いのでは。そんなとき、どうすればいいのでしょう。そこで今回は、「上手に相手を褒めるためのテクニック」についてご紹介いたします。
■言葉の意味は時間に比例して真実味を増す
相手を褒める際に「嘘くさいと思われたらイヤだなぁ」や「相手に信じてもらえないかも」という気持になるかもしれませんが、実は効果はあるのです。それを心理学では“スリーパー(仮眠)効果”と呼びます。これはすぐに効果が表れるわけではありませんが、時間が経つにつれ徐々に真実味が増すという心理現象。時間が経過すると情報源と情報が分離され、その結果、情報の説得性が相手の中で次第に上昇していくのです。だからこそ、褒めることをためらってはいけないのです。
■一貫性をもって褒め続けると……!
褒めた際に「いやいや私なんて……」などと謙虚な態度を取られると、これ以上褒めたらウザイと思われるのではないかという気持になってしまいますよね。でも、そこで褒めるのをためらったり止めると、相手から「お世辞だったんだな」と思われてしまいます。そもそも謙遜のメカニズムとして、自尊心が低すぎる、承認欲求が強すぎる、不幸自慢をする、自己防衛といった4つの意味が挙げられます。実はどれも“構われたい心理”なので、相手が納得するまで褒めて問題ありません。本心は評価されたいのです。
■女性には“過程”を褒めること
相手を褒めることは大切ですが、上手に褒めないと効果がないことも。その際には、相手が男性か女性かで見分けましょう。一般的に女性は成果を出すまでのプロセスを褒められると喜びを感じるとされます。一説によると、狩猟生活時代に女性は集団の中で家族や子供の面倒を見ていたので、結果よりもその集団での共感や過程を重視するので、そこを褒められると喜びが大きいのです。例えば「○○するの大変だったね」や「服選びのセンスいいね!」などと褒めてあげるといいでしょう。
■男性には“結果”を褒めること
女性を褒める場合は、プロセスを褒めることが大事ですが、男性を褒める場合は“努力して得た結果や成果(リザルト)”を褒めるようにしましょう。一説には、狩猟生活を送っていた大昔からの影響で、狩りを行う役割だった男性は戦利品などの結果を重視するので、それを褒められると喜ぶとされています。例えば「○○君の企画は素晴らしい」や「プレゼンすごく良かったよ」などと褒めてあげましょう。自分のことを見ててくれているんだ、と嬉しくなるはず。
終わりに
人を褒めるのは、意外と難しかったりするものです。下手な褒め方をすると、相手に不快感を与えてしまうことも少なくありません。そこで、褒めるべきポイントを押さえておきましょう。それは“性別”と“褒めどころ”と“継続”の三点。そうすれば、きっと相手はあなたの言葉を素直に受け取ってくれるように。褒め言葉を好意的に感じてくれるはずです。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。
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