だんだんと温かくなる季節。京都の名寺の庭のも美しくなり、見ごろを迎えます。普段は見ることのできない国宝や重要文化財の「特別公開」は見逃せないものばかり。『和樂』4月号では“日本美”を感じさせる選りすぐりの京都名寺を特集。その中でWoman Insightでは、春の特別公開情報をご紹介いたします。
■北政所ねねの慈愛に満ちた名寺:高台寺
北政所ねね(きたのまんどころねね)が豊臣秀吉の菩提を弔うために建立した高台寺では、ねね時代からある、重要文化財の開山堂(かいさんどう)や霊屋(おたまや)が公開される。また、夜に行われる庭園のライトアップではさまざまな光の演出とともに、花盛りのしだれ桜が目を楽しませる。
・高台寺(こうだいじ) 京都市東山区下河原町八坂鳥居前下る下河原町526
TEL:075-561-9966
期間/3月14日(金)~5月6日(火・祝) 拝観時間/9時~22時(21時30分受付終了)
拝観料/¥600
■あの有名な五重塔の内部が見られる:東寺
弘法大師が曼荼羅世界(まんだらせかい)を具現化した東寺では、五重塔の初層内陣がいちばんの見もの。心柱(しんばしら)を大日如来として、周囲を尊の如来、8尊の菩薩が取り囲み、四方には金剛界(こんごうかい)曼荼羅を描いた柱。極彩色の密教空間には、異空間の趣が漂っている。
・東寺(とうじ)
京都市南区九条町1
TEL:075-691-3325
期間/春期特別公開3月20日~5月25日(日) ※五重塔初層内陣特別公開は4月26日(土)~5月6日(火・祝)
拝観料/¥500~(五重塔初層内陣特別公開期間¥800)
■大改修を終えた方丈が初公開される:相国寺
伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)にゆかりの深い禅寺では、大改修されたばかりの方丈が初めて公開されるとあって注目を集めている。また、本尊釈迦如来像を安置した需要文化財の法堂(はっとう)や、復元修理された浴室もこの時期だけ公開されるなど、見どころが目白押し。
・相国寺(しょうこくじ)
京都市上京区今出川通烏丸東入相国寺前町701
TEL:075-231-0301
期間/3月24日(月)~6月4日(水)
拝観時間/10時~16時(受付終了)
拝観料/¥800
■春は御室桜とともに国宝金堂を見学:仁和寺
江戸時代初期に建てられた現存する最古の紫宸殿(ししんでん)である国宝の金堂が公開される。堂内には本尊である阿弥陀三尊像(あみださんぞんぞう)を中心に、四天王像や梵天像(ぼんてんぞう)が安置されている。境内にある名勝・御室桜(おむろざくら)の開花に合わせて訪れてみたい。
・仁和寺(にんなじ)
京都市右京区御室大内33
TEL:075-561-1795(京都古文化保存協会)
期間/4月26日(土)~5月6日(火・祝)
拝観料/¥800
春の京都は、桜と共に今しか見られない名寺に赴き、日本美と四季に触れ、歴史に思いを馳せてみてください。(坂田みやび)
(『和樂』2014年4月号)
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