◆仕事と恋愛の両立問題を40代女性独身編集長が語る!
ときに人は「結婚してないなんて不幸」「●●歳までにアレしなきゃ」とか、あくまで他の人のものさしで計った「幸せ」の基準に振り回されたり、焦ってしまうことがあります。
あの人は結婚して子どももいる、家も買ったみたい。でも私は彼氏もいないし……人生どうしよう!?なんて、焦れば焦るほどうまくいかなかったりする。
30歳前後の女性が最も悩むのは、「仕事と恋愛の両立」ではないでしょうか。
会社である程度の年数になり、ある程度の発言力も出てきて、責任のある仕事を任せてもらえるようになり、仕事が楽しくなってくる頃。
けれど、子どものことを考えると、30代前半のうちに結婚したほうがいいのかな、でもそうなるといつのタイミングで産休を取るの? そもそも産休と育休を取ったら、職場に復帰できるの? なんて、いろいろと考えながら目の前の仕事に集中していたら……時間が経つのは早いものです。
世の中で、「仕事と結婚、そして母であることを両立している人」のロールモデルはたくさん紹介されています。すべてを両立し、キラキラ輝くスーパーウーマン……。
今回は、あまり語られない「仕事と恋愛を両立する器用さがなかった」パターンについてご紹介します。
お話をうかがったのは、自分らしく自由に自立して生きる女性のためのメディア、「OTONA SALONE」編集長を務め、自身の体当たり婚活経験を赤裸々に書いた「40代編集長の婚活記」を連載する浅見悦子さん。
これまで「ファン体質の恋愛」や「学生時代の人間関係と恋愛に関する考えの相関性」などについてお話をうかがいましたが、今回は大人の女性になればなるほど避けて通れない「仕事と恋愛の両立」問題について。
浅見さん自身、人生の節目節目で仕事を選んできたことには後悔はない。……けれど。
◆Q.これまで、「こっちを選べば結婚したかも」というポイント、ありますか?
……ないな~(笑)。
唯一あるとすれば、オトナサローネで連載している『40代編集長の婚活記』でも登場している、30代前半から中頃までお付き合いしていた、通称「モトカレさん」という元彼とは、35歳のときに結婚の話にはなりました。でも、そのときの私は、結婚したい、と思わなかったんですよね。
◆Q.そこで「結婚したい」と思わなかった理由を教えてください。
彼は、奥さんには家庭に入って欲しい方でした。
彼の育った家庭では、お母様が専業主婦ということもあり、家に帰ったら奥さんが家にいて、子どもができたら子どもの面倒を奥さんが見てくれて……それが憧れというか、彼にとってのベーシックでした。自分が育ってきた家庭は、それが幸せの形だったから。
一方で私は、両親が共働きの家庭で育ちました。お母さんが家にずっといる、ということはあまり頭にありませんでした。自分の母親が働いていて、全然違う世代の友達を連れてくることも素敵だな、と思っていましたし、専業主婦になることは考えられなくて、仕事をする人になりたかった。
実際、結婚の話が出たタイミングでは、仕事が私にとって最も重要なことでした。
当時私は『S Cawaii!』という女性ファッション誌の、肩書きも何もない編集部員でした。
15年弱編集の仕事をしていて、同期には編集長になっている人もいた。そんな中で、今の状態で仕事を辞めたら、自分はなんだったんだろう、と疑問に思ったんです。
もちろん全員がそうだとは限りませんが、出版社に入社したら、おそらく8~9割の人は編集長になりたいと思っている。編集長とまではいかなくとも、せめて副編集長とか、そういうものを何もやらないまま辞めたら、私の仕事人生って何?と思ってしまった。
だから、35歳のそのタイミングで「家庭に入って欲しい」と望まれても、無理だったんです。自分はまだ中途半端で何もやり遂げていない、何者でもない状態で、専業主婦にはなりたくない。私は彼と家庭を作ることはできなかった。
◆Q.では、もし今その選択をできるなら……?
もしかしたら、今のほうが結婚したい、と思うかもしれませんね。入社したときに「最低でもこのふたつはやり遂げたい」と思ったことがあって、ひとつは編集長。もうひとつは別のことなんですけど、今はふたつともやることができたと思っているから、今のタイミングで「家庭に入って欲しい」と言われたら、あのときとは違う結論を出したかもしれない。
結局、タイミングですよ。
彼はあのとき結婚をしたかったんです。私は、あのときに結婚はできなかったんです。
◆Q.突っ込んでうかがいますが、職場にはおそらく結婚している方もいらっしゃるかと思われますが……その方と浅見さんは、こういう考えや行動が違うんだろうな、と思うことはありますか?
もちろん、同じ仕事をしていても、結婚している人はたくさんいるし、その人と私の仕事量が違うかと言えば、特に変わりません。これは推測ですが、私と同じ量の仕事をこなしながら結婚できる人は、仕事を軽んじるという意味ではまったくなく、ちゃんと「ここまでで切り上げる」と決めて、プライベートにも時間を割ける人なんだと思います。私は不器用で、それがなかなかできません。
ひとつ覚えていることがあります。ある方とお付き合いしていたとき、付き合ってまだそんなに経っていない彼から、21時くらいに急に「今日会わない?」と連絡が来たことがありました。彼はおそらく、仕事か何かでお酒を飲んだあとに私に連絡してきたんですよね。その頃の私はRay編集部にいて、翌日の午前11時には、美容のデスクにレイアウトをチェックしてもらわなければいけなくて、徹夜でやっても間に合うかどうかわからない状況だった。
そこで私は、仕事を選んだんですよね。
「明日の朝までに提出しないといけないものがあって、私はこれから夜を徹してやらないといけない」と話したんですが、彼はまったく違う仕事だから、理解ができないんです。当たり前ですよね、「今は21時で、これから仕事をして、朝の11時までかかるって、どういうこと? いくら忙しいって言ったって、2時間くらい抜けられるでしょ」と、彼は思うわけですよ。
でも、移動時間を考えたら2時間どころじゃないし、行ってしまったら帰ってこれなくなるかもしれない。そうなると仕事は終わらない。いろいろ考えてごめんなさいと断ったんですが、やっぱりそれ以降、彼はつれなくなっていった。
ちゃんとは聞いていませんが、たぶん、彼にとってはそこまで忙しい状況なんて、本当に自分の理解の範疇外。そこで「俺より仕事を優先したんだ」と思われてしまったんでしょうね。
◆Q.その人とはその後、どのようになっていったのでしょうか……。
その人と、その後何回か会いはしました。
けれど、最終的にお別れすることになって、言われたことで覚えているのは……「俺のこと、そんなに好きじゃなかったでしょ」って(笑)。本当にそんなことは思っていないから否定しても、「いや、無理しなくていいから」と。
もしかしたら、「仕事を優先する」も、付き合って長かったら問題なかったかもしれませんが、付き合って何カ月のタイミングだったから、彼の中で「この人は自分を優先してくれない人だ」と思ったのかもしれません。
けれど、そのときは仕事のプレッシャーが大きかったから、そうするしかなかったんです。
◆Q.正直後悔したことなどはありますか?
あの選択は間違っていないと思うし、それ以外を選ぶことはなかった。この出来事はひとつの象徴ですが、同じようなことをその後も繰り返していました。
自分の20~30代にはそれだけ仕事をすることが必要だったし、あの時期があったから今の自分がある。失敗したな、と思いはしますが、得られるものもたくさんあったから、後悔はしていません。
……ただ、そうやって恋人がいるときに、もう少し器用に立ち回れたら違った結果になったでしょうね。たとえば今日は行けないけどいつなら大丈夫と代案を出してみるとか、もっと頻繁にこっちから連絡をしてみるとか、そういうことをしていたら違ったかもしれません。
でも、そんなことを考える余裕がないほど、あのときは仕事をすることに必死だったんですよね。
恋愛と仕事の両立問題は、働く女性にとって、避けられない問題です。
働き始めて数年経って、責任のあることも任せてもらえるようになって、仕事も楽しくなってくる。その時期と、いわゆる「結婚適齢期」は重なりがちです。
両方をソツなくこなせる人がいるのも事実ですが、どちらか片方に偏ってしまう人がいるのも事実。私自身、偏ってしまうタイプです。
そのとき、何を選ぶのか。何が幸せなのか。自分の人生には何が必要なのか。さまざまな角度からしっかりと考えていきたいものです。
次回は浅見さんが本気の婚活を通じて学んだ鉄則「デートのススメ」についてご紹介します。
好きな人とじゃないとデートに行きたくない。どうでもいい人と行くなんて時間のムダ。そんなことを思っていませんか? でも実は……そうとは限らないことだって、あるかもしれません。
【これまでの記事はコチラ】
★遠くから見てるほうが幸せ。「アイドルのファン体質」の恋愛は、厄介だ
★学生時代の人間関係は、恋愛への考えと似ている。「友達とトイレに行かなかった」女性たちは、数十年後…
OTONA SALONE編集長・婚活コラムニスト 浅見悦子
40代からの「自分らしく自由に自立して生きる」女性webメディアOTONA SALONEを2016年に立ち上げ、現職に。自らカラダを張りまくって40代女性の本音とリアルとガチなファッション、美容、婚活、仕事、女性の生き方の記事を執筆中。
婚活歴1年半、美容・健康編集者歴22年、元『S Cawaii!』編集長。
1972年生まれ。恋人いない歴8年超の独身街道まっしぐら。
★オトナサローネ https://otonasalone.jp/
★浅見さんの人気連載「40代編集長の婚活記」はコチラ https://otonasalone.jp/tags/series-around40konkatsu/
★婚活のプロに聞いた「結婚できない人」にありがちな4つの特徴
【あわせて読みたい】
※男選びと人生を成功させる、唯一にして簡単な方法【外資OLの省エネ恋愛術④】
※恋ができない。好きな人ができない。そんな人が、恋愛スイッチを入れる7つの方法
※好きな人が欲しい!「恋ができない人・恋しやすい人」って、違いは何?それぞれの意見を聞いてみた