男選びと人生を成功させる、唯一にして簡単な方法【外資OLの省エネ恋愛術④】

【ゆとり以上バリキャリ未満のリアル】第5弾「外資OLの省エネ恋愛術」


外資系バリキャリ女性

「ゆとり以上、バリキャリ未満」を生きる女子のルポルタージュ・大好評につき第5弾がスタート!
智美は男子からはモテるし、後輩女子からは頼られる。けど、告白された回数は途中から数えなくなったし、広く浅い友人関係には、めっきり興味がなくなった。単なる断捨離じゃない。それは、幸せを手に入れる智美なりの法則だ。
今どきの「女の幸せ」ってなんだろう? 世代を超えて共感必至の、女の人生ルポルタージュ。第5弾「智美」のVol.4をお送りします!

 

香坂智美(仮名)28歳/IT系メディア営業

1989年 東京都出身、品川区在住職歴/大学卒業後、住宅メーカーに就職。4年半勤務の後、現在の会社に転職。
似ているタレント/深田恭子
理想のタイプ/有吉弘之
パートナー/あり(婚約中)
手取り月収/60万円

★Vol.1 男は旅行に行ってみなきゃわからない

★Vol.2  自分の稼ぎで男に求める条件は変わる

★Vol.3 成功の秘訣は「自分だけのやり方」を手に入れること

Vol.4 男選びと人生を成功させる、唯一にして簡単な方法

「しっかり女子が結局モテる」の法則


ビジネスウーマン

完全実力主義の外資系IT企業の体質は、智美に合っている。自分から情報を取りに行かないと、誰も丁寧に教えてくれないし、何か聞きたいことがあったら、隣の席の人でもメールをする。ドライなのではなくて、ひとりひとりが個人商店であるかぎり、自分のマネージメントをするのは自分。人の作業をジャマしないのは最低限のマナー。根回しや仲よしをよしとする日本企業文化よりも、仕事をするうえでは効率的だし理にかなっている。

「クライアント対応の仕方も、人それぞれ。私のやり方は、徹底的にお客さまに合わせる方法です。先輩たちを見ると、資料のつくり方に勝ちパターンがあって、それをいろんなクライアントに使い回すということが多い。カッコいいキレイな企画書で、英語もいっぱい入っている。でも、日系企業のおじさん担当者が相手となると、それでいいのかなって。英語を減らして分かりやすい言葉で資料をつくり直したり、ぱっと見て広告出稿のメリットを図解して嚙み砕いたり。メールで済ませる人も多いけど、一社一社に誠意をもってあたるし、必要なら私は出向いて直接会って話をします。結果、そのほうが成功しやすく、やったことがムダにならない。手を抜くことが効率化じゃない。自分にとっての最短の道のりを見つけること。それができれば、売上げをつくるのは、そう難しいことじゃないってわかりました」

「難しいことじゃない」。同じセリフを、智美は先日の女子会でも使った。

「男の子を夢中にさせるのは、難しいことじゃない。こっちがしっかりしていればね。今、世の中にかわいい子はいくらでもいる。でもその中で、真剣交際を求められるのは、相手のことを考えることができて、信頼できるしっかり者の女だけ。かわいいだけの子は、結婚レースからすぐ脱落していっちゃう。そして、しっかり女子は、経済的にも“しっかりした”男性と結婚する」

だから、おしゃれもするけど、仕事はしっかり手を抜かずにする。智美が“しっかり者”のお墨付きを出した女子で、仲をとりもったカップルだけでも、これまでに10組は成約した。うち半分はすでに結婚が決まっている。一方で、智美にアドバイスや紹介を求めてくる女子たちには、こうアドバイスする。

「頑張るのはいいけど、ムダな努力はあんまりしないほうがいいよ。恋愛は省エネでね。でないと、疲れちゃうから」

戦略なしに男性にアタックして失敗ばかりするのは、ムダな努力のほうに分類される。そこにエネルギーと時間を使うより、自分自身をしっかり確立させていくなかで、求めてきてくれた男性の中からつきあう。そして、智美の場合は、お互いが恋愛にのめり込んでしまう前に旅行に行って、本気度と相性を見極める。さんざんのめり込んだ後に別れるのは、ダメージも大きいし、時間のムダでもあるから。

 

幸せは自分の中にある。だから難しいことじゃない


幸せ

日ごろのスケジュールや行動パターンにも、智美なりのやり方がある。デートも仕事も、予定をぱんぱんに詰め込むことはしない。「人に合わせて」予定を入れてしまうと、自分のやりたいことや会いたい人との時間がなくなって、可能性を狭めてしまう。誘われたから予定を入れるのではなく、自分が会いたい、本当に有益と思う人とだけと約束する。それも、2週間後までと決めて、予定が見えにくいそれ以降は、よほどのことでないと約束を入れない。広く浅く、いろんな人とつきあうという時期は、20代中盤で終わり。主体は他人ではなくて自分なのだ。

「仕事は一生続けたいと思ってます。子育てしながらがらの営業職が大変だとしても、キャンペーンのマネージメントなどをして、在宅時間多めに働くという選択肢もある。もし子供ができなかったら、それはそれで、クリエイティブな部門で映像制作とか、そういう道もいいな。

そして、大好きな建物、旅、アートのことを究めつつ、副業にしていきたいというのも、今の野望です。今の会社の面接のときにも、それは正直に言いました。世界の建物を巡りながら、旅先から仕事をしたり、副業で取材記事も書く…。そんなふうにできたら、理想ですけど」

実はそれらの仕事は、転職のときに声がかかったものだ。それらの中から選んだのが現在のIT企業だったのだが、その過程は、自分がやりたいことをよく考えて見極める、大事なプロセスだったと今では思う。それぞれの仕事との付き合いは、ボランティア協力をするなどして、今もつながっている。

恋愛相談だけでなく、転職でハッピーになった智美を見て、後輩からのお仕事相談も最近は増えた。「お給料に満足していない」「ステップアップしたい」という子には、「悩んでるなら、早く転職したほうがいい」とアドバイスする。女子を採用する会社側は、できるだけ長く働いて欲しいと思うのが当然だ。いつ結婚や出産で休んだり辞めたりするかわからない女子は、先の長い「若いほうがいい」のは、残念ながら世の中の多くの意見で、それは智美もその通りだと思う。そこに異論を唱えるムダな努力はやめて、転職するなら少しでも早く、そして自分のスキルをアップすることに集中するほうが、ずっと効率がいい。

一方で、「人間関係がイヤ」「上司と合わない」という場合は、智美はすぐに転職をすすめない。職場の人の配置なんて、いつどんな理由で変わるかわからないし、環境が変わったら人間関係も変わる。「それに、どんな環境になったとしても、多少のイヤなことはどこにでもあるものだよ」とアドバイスを加える。

仕事の満足も幸せも、周囲が与えてくれるものではなくて、すべては自分の中にある。幸せにしてもらうのではなくて、幸せを選びとる。それさえできれば、幸せになるのは「難しいことじゃない」。

 

※第5弾「外資OLの省エネ恋愛術」は今回で最終回です。

 

文/南ゆかり
「CanCam」や「AneCan」、「Oggi」「cafeglobe」など、数々の女性誌やライフスタイル媒体、単行本などを手がけるエディター&ライター。20数年にわたり年間100人以上の女性と実際に会い、きめ細やかな取材を重ねてきた彼女が今注目しているのが、「ゆとり世代以上、ぎりぎりミレニアル世代の女性たち」。そんな彼女たちの生き方・価値観にフォーカスしたルポルタージュ。

 

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