ヒット企画連発、Domani編集長が予測する2015年春夏ファッションの行方

働く30代の女性に向けたファッション誌『Domani』。2013年の夏の終わりには、いち早くスカートスタイルを提案し、2014年にはファッション業界全体で久しぶりのスカートが大ヒット。

トレンドキーワードの中で、どれが消費者に響くのか予測しづらくなったといわれる昨今、30代の気持ちの移り変わりをきめ細やかにキャッチし、的確にファッション提案へ落とし込むDomaniの編集長・吉川 純さんに、2014年から2015年のトレンド予測を聞いてみました!

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Woman Insight編集部(以下、WI) 2014年のファッション業界を振り返ると、いかがでしたか?

吉川編集長(以下、吉川) ファッションは2013年から続いてているカジュアルの流れが、2014年に全盛を迎えたかなと思います。ただ、秋の始めごろから違う流れを感じたので、Domaniで“ちょっとモード感のあるきれいめスタイル”の提案をしたら、すごく人気が高かったんです。この反響を踏まえて、2015年も続けて打ち出していくつもりです。

WI “ちょっとモード感のあるきれいめスタイル”というのは、具体的にはどういったスタイルですか?

吉川 例えば、Domani10月号で特集した「たった8枚の服があればいい!」。これは、選び抜かれた8アイテムさえあれば、働くいい女が毎日おしゃれに着回せるという特集です。こういった特集の場合、かつてはジャケットにはセンタープレスのきれいめパンツが定番でしたが、今回はボトムをジョグパンツにして軽やかさを取り入れたり、ジャケット自体を薄軽のテーラードにして、モード感を漂わせたりしています。でもスタイル全体としては、ジャケット+パンツであくまでもきれいめをキープするのが、好バランスかなと思っています。

WI カジュアルになりすぎたり、モードになりすぎたりはせずに、仕上がりはあくまでもきれいめという絶妙なバランスですね。

吉川 そうです。このジャケット+ジョグパンツというスタイリングは、2015年の春夏のアパレルブランドの展示会でも多く登場しているんですよ。

WI また『Domani』で秋から提案していたスタイルが、2015年の春夏で本格的に大ブレイクしそうですね。

吉川 そんな追い風を感じています。

WI 1年前の編集長インタビューでは、2014年の春夏はスカート推しだということをおっしゃっていて、実際にスカートが大ブレイクしましたが、2015年の春夏ファッションはパンツにシフトっていうことでしょうか。

吉川 そうですね。Domaniも春夏はパンツスタイルを推していきます。

WI ファッションのシルエットの変化はありそうですか?

吉川 すっきり見えるスレンダーな感じが中心ですね。昔だったら、ワンピースもボディコンシャス的なものが良しとされていましたが、今は体につかず離れずで、ストンとしたシルエットが人気です。その傾向は2015年も継続しそうですね。

WI 2014年のトレンドで目立ったアイテムはなんでしたか?

吉川 セットアップ、ライダース、後半はジョグパンツあたりが特徴的だったと思います。

WI セットアップの流行は2015年も続くんでしょうか?

吉川 昨年の春夏から始まったと思うんですが、次の春夏まで続くと思います。スーツほどガチガチじゃない、ちょっとしたきちんと感っていうのが、今の気持ちにフィットしているんでしょうね。

WI 靴のトレンドはどう変わっていきますか?

吉川 ぺたんこ靴は引き続き流行ると思うんですけれど、楽ちんだから履くという感じではなくなっていますね。もちろん実際に履くとヒールより楽なんですけど、楽ちんさが全面に出るようなぺたんこ靴はNGです。おやじ靴の流行も、楽だから履いているんじゃなくて、おしゃれとして履いているように見えるからというのがポイントですね。ポインテッドトウやビジューのついたローヒールなど、その傾向が強まりそうです。

WI バッグが小さめになっていますが、その傾向はどうでしょう?

吉川 それは続きますね。タブレットやスマホがあるので手帳を持ち歩かなくなったこと、会社でも紙の書類が減ったのが大きいですね。お財布も長財布がずっと人気だったのに、ふたつ折りのものが売れ始めているのを見ても、小バッグ化が定着したんだなと思います。

WI アクセサリーはどうでしょうか? もうガツンとしたビジューっていう感じでもないですよね。

吉川 ファッション全体が“盛る”よりもちょっと“引く”方向に行っているので、きゃしゃなものが増えそうです。Domaniでも特集するのですが、繊細できゃしゃな、でも本物のジュエリーを扱う予定です。あとはTiffanyさんの「Tiffany T」というコレクションや、TASAKIさんもそうですが、ジュエリーにおいてもモード感というか、ファッションに合わせた辛口なテイストが求められていますね。

WI 若い女性のブランドではガウチョパンツが多く出てると聞きましたが、大人ブランドではいかがでしょう?

吉川 大人ブランドでも多く見かけたのですが、スルーするか取り入れるか悩ましいところで、読者の方の意見も聞いてみたいと思います。パンツはタックパンツも多くて、ちょっとゆったりしているんですよね。とろみのある素材なら着こなしやすいかなと思います。色はネイビーが注目ですね。黒だときつくなるし、ベージュだとぼんやりするところ、ネイビーはちょうど今の気分にしっくり来るのかな。あとはリュックや巾着バッグも注目ですね。

WI わあ、私はいつも荷物が重いので、大人のリュック欲しいです。

吉川 Domani4月号でもご紹介しようかと考えています。そういうものに注目が集まるところに、肩肘張らない気分が現れているのでしょうね。「エフォートレス」という肩の力を抜いた雰囲気もキーワードとして言われていますが、リュックやぺたんこ靴なんかはその表れだと思います。

2015年の大人のファッショントレンドは”盛る”より”引く”! マニッシュとは違う、シンプルモードなニュアンスがトレンドになりそう。パンツスタイルはDomaniがもともと得意とするところ。おしゃれなスタイリング提案が誌面で見られそうですね。次の回では、吉川編集長による、2015年のトレンド分析がさらに続きます。(安念美和子)

 

【編集長インタビューシリーズ】

※CanCam編集長が語る、2014年に出現した”プチバブル世代”。その正体とは!?

※AneCan編集長が語る2014年ファッションの変化「先取ることの難しさ」とは!?

※Oggi編集長が2014年を振り返り。「キーワードは”ネイビー”そして”エフォートレス”」

※「メンズの2014年は“○○○”一辺倒」MEN’S Prescious編集長インタビュー

※『和樂』編集長が的中させた2014年の大ブーム「○○文化」とは!?

※NO.1美容誌『美的』編集長が語る、読者が求める”大人の色っぽさ”とは

 

【去年(2013年)の編集長インタビュー】

第1回→ 30代の働く女性の2013年をDomani編集長が解説!「最大のヒットアイテムは○○○」

第2回→ Domani編集長が分析!「2013年、なぜ30代の働く女性にスカートがブレイクしたのか?」

第3回→ 30代の働く女性が変わってきた!Domani編集長が実感する「賢い」生き方

 

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