Domani編集長が分析!「2013年、なぜ30代の働く女性にスカートがブレイクしたのか?」

 

『Domani』編集長の吉川純さんによると、働く30代の女性の2013年の一番のヒットアイテムは「スカート」だったそうです。全体的なトレンドアイテムでもあったスカートですが、ずっとパンツ派だった働く女性たちが目を向けるまでにヒットしたのには、どういう意識の変化があったのか。吉川編集長にそのあたりを聞いていきます。

前回の記事はコチラ→ 30代の働く女性の2013年をDomani編集長が解説!「最大のヒットアイテムは○○○」

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Woman Insight編集部(以下、WI)  『AneCan』くらいの30歳を中心とした女性たちは「仕事も!女らしさも!」どちらもパーフェクトでありたいという気持ちが強いように思うんですが、そういう風潮が35歳の『Domani』世代にも広がったということでしょうか。

吉川編集長(以下、吉川)  『Domani』世代はそこから一歩抜けた段階でしょうね。「仕事も! 女らしさも!」という時代を経て、「もう若くないし、モテとかいいわ」と“女らしさ”から離れて、さらに次の段階でまた「女なんだからスカートはいたっていいじゃない」と、戻ってきたんだと思います。いっとき離れて戻ってきたことで、媚びる形じゃなくスカートがはける。「自分らしい女らしさ」で着こなせるという自信も出てきました。

WI  「誰かのための女らしさ」ではないということですね。そういうふうに、今まで封印しがちだった“女らしさ”をファッションに取り入れるようになった要因はありますか?

吉川 見る側、つまり男性だったり会社だったりも寛容になったんだと思います。仕事をするうえで、社会でどう見られているかはすごく気にしている女性たちなので、世の中の見る目がそんなに厳しくなくなったんでしょうね。

WI 男性もずいぶんラフになりましたよね。

吉川 今年の夏、男性の間では短パンが一般的になりましたよね。休日になると、子供からおじいちゃんまで、みんなが短パンをはいていた。以前はサラリーマン男性の休日カジュアルはゴルフウェアみたい……なんて言われていましたけど、ここまでラフにおしゃれができるんだなって驚かされました。男性も全体的におしゃれがこなれてきたんだと思います。それと同時に、女性のファッションに対しての許容範囲が広がった。

WI 目に見えない、無意識のうちに意識していた社会の縛りから解放された年でもあったんですね。ほかにも今までと変わったファッション傾向はありますか?

吉川 色物や柄物に対するハードルが、2013年の春夏で一気になくなりました。黒、白、グレーやベージュといったベーシックカラーが好きで、それを定番として着てきた『Domani』読者たちが、こんなに春夏で色や柄を着るとは思っていなかったので予想外でした。さらにスカートも人気アイテムに入ってきて、「私には似合わない」とか「私は着られない」という抵抗感がなくなってきたのを感じます。あくまでも、ベーシックなアイテムに取り入れていくっていうスタイルですけどね。

WI 2014年のトレンドはどうなっていくと思いますか?

吉川 スカートフラットシューズは引き続き人気だと思います。形は膝丈のプリーツスカートが流行りそうです。あと、個人的に推したいのはショートパンツですね。ジャケットやブラウスとのセットアップで、スーツよりも少し楽に着られる。来年の夏も暑いと思うので、ショートパンツのきれい目な着こなしを提案していきたいです。

WI 若づくりにならない、大人のショートパンツスタイルはぜひやって欲しいです!

肩の力の抜けてきた30代、そして社会全体もファッションに対する許容範囲が広がった2013年。そんなふたつの大きな要因があったところに、キャリア女性にとっては久しぶりで新鮮なアイテム=スカートが、新しい着こなしと共に提案されて大ヒットにつながった。そんな構図が見えました。次の回では、引き続き30代の働く女性の考え方の変化について探っていきます。(安念美和子)

Domani2014年2月号表紙
(『Domani』2014年2月号)

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