30代の働く女性が変わってきた!Domani編集長が実感する「賢い」生き方

2013年は『Domani』のメイン読者である30代女性のファッションの幅が広がった年でした。これは社会のファッションに対する許容範囲が広がったのにも要因があると、編集長の吉川純さんは言います。また、ファッション以外の部分でも、読者の考え方に変化が見られた年だったそう。そのあたりを2回にわたり詳しく聞いてきました。

【今までの記事はコチラ】

第1回→ 30代の働く女性の2013年をDomani編集長が解説!「最大のヒットアイテムは○○○」

第2回→ Domani編集長が分析!「2013年、なぜ30代の働く女性にスカートがブレイクしたのか?」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

Woman Insight編集部(以下、WI) 『Domani』の読者は「30代の働く女性」を軸に、ご結婚や出産をされている/されていないは関係なく、いろいろなライフスタイルの方がいらっしゃるんですよね。そのすべてに共通する傾向はありますか?

吉川編集長(以下、吉川) 2013年、「ドマノミクス」という企画が非常に好評でした。これは「アベノミクス」と「ドマーニ」を合わせた造語で、賢い自己投資を提案する特集なんです。『Domani』読者は働いている女性で、約10年働き続けていることで役職をもっているなど、お金もそこそこ自由に使える方が多い。でもそれをむやみに使うのではなく、賢く使いたいという人が増えていて、「自己投資」という言葉がすごく響きました。初回の7月号はファッションやインテリアを中心に、2回目にあたる12月号では旅行や英会話などまで広げたら、やはり反応が良かった。これは2013年から2014年へと続く傾向にもなると思うんですが、『Domani』読者の話を聞いていて思うのは、おしゃれをすることはもちろん大事、お肌がきれいでメイクやヘアスタイルが決まっているのも大切。だけど、見た目だけが素敵な女性の条件じゃない。プラス、ライフスタイルの素敵さも磨きたいという傾向が強くなっていると思います。

WI 内面も磨きたいということでしょうか。

吉川 そうです。ちょうど、最近の読者アンケートでこれから「始めたいこと」「やめたいこと」について聞いてみたところ、「始めたいこと」で最も多かったのが「健康」に関すること。健康のための「運動」とか「食事」とか。一方「やめたいこと」で多かったのが「無駄遣い」や「ダラダラすること」「飲みすぎ」などでした。30代の女性たちは本当の意味で、トータルで美しくなろうとしている。そういう考え方は以前からあったものですが、外に向けた「素敵さ」ではなく、「自分にとっての素敵ってなんだろう」と、よりリアルに考えているんだと思います。おしゃれになりたい、美しくなりたいという願望に変わりはないと思います。でも見た目だけでは素敵になれないと知っているのが今の30代。私は今40代でバブルの後を知っているのですが、私たちが30代のときは、「健康」とか「無駄をなくす」といった地に足の付いたことは「後回しでいいじゃん」という気持ちがありました。でも今の30代は、とても堅実で、頭がよくて、先に繋がるいろいろなことを考えている。『Domani』読者たちは賢女だなとつくづく思います。

WI その風潮って情報量が増えたことや、世の中の変化といったものも関係あるのでしょうか。

吉川 情報量もありますし、東日本大震災が「暮らし」というものを本当の意味で見つめ直す大きなきっかけになったと思います。それがしっかり定着して、自分のライフスタイルを充実させようという意識になったのが2013年。震災の影響と感じている人は多くはないかもしれませんが、大きなきっかけはそこだと思います。

WI 今あるものが当たり前じゃなくなるということを、現実に知った衝撃は大きかったですよね。

吉川 あのとき、何が一番大切かを問い直して、それが今に至っていると思います。人生のなかで何をしようとか、いつしようとか。『Domani』世代の女性は皆、睡眠時間を削ってでも、24時間のうちであらゆることをしていますね。習い事だったり、女子会だったり、体力もお金も余裕があるうちに、できることはなんでもやりたいという、前向きで諦めない姿勢です。「Workももちろん大事だけど、Lifeもね」という考え方は、女性としてすごく素敵なことだと思います。「皆さん早いですね……30代で気づくなんて」って感じです(笑)。

WI 後回しにしない、やりたいことは今やる! というのが、「今でしょ!」っていう流行語にも感じられますよね。

吉川 そうですね。30代からいろいろなことを始めておくと、その後の人生がすごく豊かなものになると思うので、いい傾向ですよね。2014年もその傾向はさらに強くなるという考えから、ライフスタイルの特集も充実させていく予定です。

いつ何が起こるかわからないと日本全体が思い知った2011年。そこから自分の生活を見つめ直した結果、刹那に生きる人もいれば、前向きに生きる人もいます。そんな中、自分らしい充実した人生を実現すべく、堅実に進んでいる『Domani』読者の真面目さ。そんな「賢さ」は、毎日の積み重ねでしか身につきませんが、2014年は私も、その人生を諦めない姿勢を見習いたいものです。(安念美和子)

Domani2014年2月号表紙
(『Domani』2014年2月号)

【あわせて読みたい】

※2013年を総括!CanCam編集長が考える「かわいい」の現在

※AneCan編集長が2013年を総括!「重大ニュースは押切もえの○○○」

※AneCan編集長が2013年を総括!「消費に積極的な子たちを世間は見ていない」