2013年に東京オリンピックが決定して以来、よりいっそう世界中から注目が集まっている日本文化。
そんな日本文化をハイクオリティな写真と文章で紹介している雑誌が和樂。
「和の心を楽しむライフスタイルマガジン」と掲げ、2014年は「茶の湯」「書」「能・文楽・歌舞伎」「国宝」「民藝」など、多岐にわたるテーマを特集してきました。
今回は、そんな和樂の橋本記一編集長に、2014年の日本文化について振り返っていただきました。
Woman Insight編集部(以下、WI)2014年の日本文化を振り返った際の、重要なトピックスを教えてください。
橋本記一編集長(以下、橋本)大きく分けると、前半は1月の『大浮世絵展』にはじまる浮世絵ブーム、後半は国宝ブームですね。浮世絵は1・2月号で、国宝は10月号でそれぞれ特集をしました。
WI 昨年、橋本編集長は「2013年は日本美術ブームが始まる、記念すべきスタートの年だったんだね、と思うことになるはず」とおっしゃっていました。まさにその通りで、2014年はさらに日本美術ブームが加速したのでしょうか。
橋本 はい、今年は日本美術の展覧会では30~40分待ちの大行列のものも数多くあり、さらなる人気の高まりを実感しました。例えば、今年初頭の『大浮世絵』展、そして秋に行われていた『国宝 鳥獣戯画と高山寺』展、『ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎』などですね。
WI 30~40分待ち! それはすごいですね。
橋本 日本美術以外でも『台北 國立故宮博物院―神品至宝―』展、『ターナー展』、『バルテュス展』など、さまざまな展示が軒並み大混雑。この現象を見ていると、日本人は本当に美術が好きで、その美術が好きな人たちが『和樂』の読者になってくれている、とより強く感じました。
WI 今年の『和樂』の企画で、これは特にヒットした、と感じたものはありますか?
橋本 何よりヒットしたのは「茶碗」「日本画」「仏像」の3テーマで別冊付録としてつけた、「原寸50図鑑シリーズ」ですね。
WI これはどのようなものですか?
橋本 各ジャンルの50の名品・名作を同じ縮尺で紹介するものです。茶碗と日本画は原寸で、仏像は10分の1スケールで掲載しました。例えば仏像の回の場合は、「ほとんどの仏像は10分の1の縮尺で全体像がわかるのに、奈良の大仏は顔さえ入りきらない!」など、その大きさを改めて実感することができたり、新しい発見がありました。これはとにかく大反響でした。
さて、次回は橋本編集長による、「2015年の予想」をご紹介します。お楽しみに。(後藤香織)
和樂 公式サイト http://www.waraku-an.com/
【去年の『和樂』編集長インタビューはコチラ】
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★現代は第二次ジャポニスム!和樂編集長「2020年まで日本文化ブーム続く」と語る
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