新コミック誌『ヒバナ』編集長が発刊の舞台裏を激白「今までの小学館にはない雑誌を!」

本日発刊したばかりの新コミック誌『ヒバナ』、もうご覧になりましたか? これ、640ページ超という大ボリュームにもかかわらず、読み始めたら止まらないおもしろさ! 表紙&巻頭カラーを飾る漫画家・東村アキコさんに続き編集長である湯浅生史さんにもインタビューを敢行。豪華な執筆陣が見せる新境地がたくさん詰まった『ヒバナ』創刊の舞台裏に迫ります。

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Woman Insight編集部(以下、WI) 『ヒバナ』、相当おもしろいです! すごく読み応えがあるし、それぞれのお話も、キャラクターも、ぐいぐい惹きつけられるものばかりですね。

湯浅生史編集長(以下、湯) 新しい雑誌をつくることになったとき、最初に決めていたのは、「キャラクターが強い漫画雑誌にしよう」ということだったんです。というのも、従来の小学館の青年誌って、「頭がいい」というか、「ストーリーが優れている」ことに対する評価が高かったと思うんですね。僕自身もそういう文化の中でやってきましたから。でも、そのぶんおとなしいところもあった。今必要とされているのは、「頭で理解しておもしろい」とかいう理屈じゃないもの、それを超えたマンガなんじゃないか、という気持ちが強くありました。

WI ストーリーよりも、キャラクターが強いマンガ、ということですか。

 あるキャラクターが出てきたら、それだけでうれしくなっちゃう、みたいな。ストーリーがどう展開するというよりも、そのキャラのおいしいところを見せるために話の勢いがある感じですね。最初そんなことばかり創刊メンバーに言っていて、みんな「抽象的でよくわからないな」と思っていたんじゃないでしょうか(笑)。

WI そういう漠然とした思いが、初めて形になったのは?

 創刊に向けて作家さんが集まってくるなかで、かなり早い段階から東村アキコさんの名前が挙がっていたんです。東村さんって、基本的にはすごくマンガが上手な方。テンポがいいしドライブ感があるし、マンガ技術は相当なプロの技をお持ちです。でも、そういうことを感じさせないで、「おもしろい! 楽しい!」っていう印象が先に立ちますよね。改めてそれに気づいて、「ああ、目指しているのはこれだ」と思いました。