信じる気持ちが大切。ケンカの後に仲直りするための心理テクニック

ケンカの後に仲直りするための心理テクニック

社会生活を送っていれば、多かれ少なかれ衝突は起こるものです。それが恋愛なのか、仕事なのか、はたまた家族間なのかはそれぞれですが、ケンカはあまり気持ちのいいものではありませんよね。なるべくなら早めに解消したいところです。そこで今回は「ケンカの後に仲直りするための心理テクニック」をご紹介いたします。

■まずは関係修復のための要点をまとめる

仲直りの際には、どうしてもくどくどと言い訳や理由を言ってしまいがち。でも、実は逆効果だと言えます。フローニンゲン大学のスぺイル博士は、長いよりも短いメッセージのほうが説明に力を発揮すると結論づけました。これはスピーチや演説などにも当てはまる現象で、支持される人ほど“メッセージが簡潔”です。そのため、相手と仲直りしようとする際は、グダグダにならないように要点をまとめてから伝えましょう。

■直接会って感情を吐き出させる

もしもあなたが素直に謝るのが難しい場合は、相手に感情を吐き出させるように意識してみましょう。テキサス大学のジェームズ・ペネベーカー博士は、不満などのネガティブな“感情を吐き出させる”と、約49%の人はそれだけですっきりしてしまうという研究結果を発表しています。結果的に問題自体は何も解決していなくても、自分の意見・不満を吐き出すだけで、不満自体が和らぐ場合が多いのです。そのため、相手にとって何が嫌だったか、どこにムカついたのかなどをヒアリングしてみましょう。あなたはただ聞いているだけでOK。会話を終えたあと、相手はスッキリしているはずです。

■相手にも罪悪感を持ってもらう

心理学者カニンガムは、相手の援助行動(助けたい、力になりたい、譲りたいというアクション)を引き出すには気持ちいい感情のときがいいと発見しました。しかし、その快感情とベクトルが正反対の“罪悪感”を抱いている状態でも援助行動に対して積極的になると結論づけました。ケンカの後は誰でも不愉快なものです。そして、そんな感情のときは、なかなか関係を修復するきっかけがつかめませんよね。そこで、相手に罪悪感をもってもらいましょう。やり方は簡単。傷ついた、悲しいといった言葉や表情を見せるだけ。そうすれば、「自分も悪かったんだ」と、相手に罪悪感を持たせることができ仲直りのきっかけをつかみやすくなるはずです。

■どんなにケンカしても“信頼”関係は外さない

ケンカをした後に仲直りをする、そのために一番大切なことは何といっても「信頼」です。心理学には“予言の自己実現”という言葉があり、自分の思い込みが現実のものとなってしまう効果を指します。そのため「もうこの人とはやりなおせない」、「自分たちは相性が悪いんだ」と思い込むと、それが実際に現実のものとなり、仲直りどころか関係が破たんしてしまうことも考えられます。そのため、「ケンカはしたけど本当は相性いいんだ」と思えるくらい、相手(可能ならお互い)を信じる気持ちが大切なのです。

終わりに

ケンカをするというのは、実は相手に対して強い関心を持っていることが前提としてあります。相手と衝突するのには、かなりのエネルギーを要するからです。それなのにケンカをする理由は何故でしょう。答えは、相手に理解して欲しい・相手を理解したいという気持ちがあるからです。ただ憎くてケンカをするような人は、そうそういません。もしもあなたが誰かとケンカをしたときは、冷静になって何を分かりたいのか、わかって欲しいのかに着目してから仲直りするといいでしょう。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。