毎日を過ごすことで手一杯?新生活の正しい目標設定と叶え方とは

新生活の正しい目標設定と叶え方とは?

新生活で新しい環境になじむことはできていますか? さまざまな人の中でやったことがない仕事や学業に取り組むのは、かなり負荷がかかるもの。夢や目標を掲げる前に、毎日を過ごすことで手一杯になっていませんか?そこで今回は、「新生活の正しい目標設定と叶え方とは」をご紹介いたします!

■新しい環境と人に興味を持つ

日々のタスクに追われて一日が終わることの原因として、興味の不足が考えられます。物事に関心がないと、やる気が起きずついダラダラと取り組んでしまいますよね。この状態を、内発的動機づけが低いと言います。自分の内側から湧いてくる感情をそのまま行動に移しているとき、人はものすごいやる気が湧いているものです。そのため、目標を掲げるうえでは内発的動機づけを高い状態に持っていくことがコツ。大切なのは、自分が今からやろうとするものに対して興味を持つこと。そうすれば自ずと夢が見えてくるはずです。

■目標とする人物との共通点を見つける

米国の心理学者グレッグ・ウォルトンとジェフリー・コーエンによると、なりたい自分に近い人や憧れの人物との共通点を見つければ、最高のモチベーションになると提唱しています。こういったやる気の生み出し方は、基本的動機付けによるものです。もしもあなたが疲れていたとしても、目標となる人物に自分を重ね合わせることで、より一層がんばれて夢を叶えられるはずです。対象となる相手は、身近であればあるほど実現しやすくなると言えます。新生活で尊敬できる先輩を自分の中にマインドセットするだけで、目標の自分になっていけると言えます。

■目標設定の理想値は達成度50%

新生活においては、皆それぞれ目標を持っているでしょう。しかし、目標があるのにどうしてもやる気が起きなかったり達成できず自己嫌悪になる時がありますよね。心理学者のアトキンソンは、そうしたやる気の強さは、「達成動機の強さ+本人が思う成功確率+成功した際の報酬」という方程式により導き出されると提唱しました。ここで大事なのが、本人が思う成功確率の部分です。実験によると、一番やる気が出るのは半分の確率で成功すると思われる場面でした。つまり目標達成率50%程度のミッションが、最もやる気が出るのです。これを目標設定に活かすなら、自分が少し努力しないと叶わないくらいのタスクを課すのがベスト。モチベーションが高まり達成率も格段に上がるでしょう。

■頑張った後の“ご褒美”システムとは

アメリカの心理学者スキナーは、“オペラント条件付け”というものを提案しました。これはある報酬に対して、自発的にある行動を行うように学習することを指します。このメソッドは、教育やリハビリテーションなど幅広い分野で応用されており、目標に関して言えば、頑張ったら自分に何かご褒美をあげる、つまりアメとムチを使うことで自発的に目標達成したくなるように仕向けることが可能になるのです。このように“ご褒美”と行動を結びつけることで、自分を駆り立て、目標達成に近づいていけるはずです。

終わりに

新生活においては、これまでのあなたのやり方やステータスが通用しなくなることが少なくなりません。年収の話をしたりどこの大学出身か、前職はどこにいたのかといったことは、新しい環境ではあまり意味を持たなくなりがちなのです。だからこそ、新生活では何を得ていくかが重要になります。あなた自身が環境を開拓して自分の居場所をつくっていくことが求められるのです。そのためには、適切な目標を設定し叶えることがポイントになるはずです。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。