イメージを変えて!嫌なことを忘れて許す方法

嫌なことを忘れて許す方法

社会の中で生きていれば、嬉しいこともありますが嫌なこともたくさんありますよね。特に、理不尽なことを言われたり、不快なことをされたりすると、いつまでも根に持ってしまって心の中が濁ってしまいがち。でも、できればそんな負の感情は手放したいところ。そこで今回は、「嫌なことを忘れて許すための方法」をご紹介いたします。

■“フレーム変換”で相手のイメージを逆転させる

嫌な結果だけを見るのではなく、“フレーム(考え方)”を変えることで自分の心理をコントロールするという手法があります。ミラノ大学のケニー博士は、2種類以上の視点(フレーム)を考えて有効に使うようにすることで、行動をコントロールすることができるという実験結果を明らかにしました。そのため嫌な気分になった時には、相手から悪意を向けられたと考えるよりも、自分が変な受け取り方をしていなかったかと考えることで、相手への不快なイメージを好転させることができるのです。

■“思考停止法”で楽観的になる

いつまでも嫌なことを考えていると、楽しく過ごせるはずの日々を鬱々と送ってしまうことになります。楽観的であることは、人生をより楽しく幸せに生きるために必要な要素なのです。そこで、やってみてほしいのが“思考停止法”。気持ちを切り替えるのが難しいなら、一旦止めてみましょう。これはネガティブな考えが頭に浮かんできたら指を鳴らしたり、「よし!」など掛け声を上げたりして、身体の合図とともにその考えをストップして思考停止にスイッチする習慣をつけること。これを繰り返しているうちに、心を切り替えるのが上手になり、楽観的に物事を受け止められるようになるはずです。

■何が嫌だったかを紙に書き出す

嫌な気分が生じるのは、相手の不快なところばかりに目を向けて認知をゆがめている場合にもあります。その認知のゆがみを修正しないと、いつまでもモヤモヤ感にさいなまれてしまうことに。そこで、何が嫌だったのか、不快なところをひたすら紙に書き出してみてください。ヤーキーズ・ドットソンの法則によれば、人は何かの行動に集中すると、同時に思考することはできません。とにかく集中して書き出してみましょう。そうすることで、書き終えた後には何とも言えない達成感・リラックスと、新たな気づきを得られるでしょう。書き出すことで、そんなに大したことないと思えれば成功。思い込みによるとらわれから解放されて、許せるようになれるはず。

■“反動形成”で嫌な気分のときこそ楽しく振る舞う

嫌な気分だからと言って、いつまでも鬱々としているのはあまりよくありません。悲しいときに大泣きするのは心の浄化作用を高めてくれますが、ずっとネガティブな感情に飲み込まれるのは避けましょう。心理学的に、心と体には密接な関係性があるとされます。心理学者ウォルフらによって行われたトムの実験では、メンタルの持ちようが身体に大きな影響を与えていると結論づけました。そのため、気分が落ち込んで仕方がないときこそ、あえて明るく楽しいフリをしてみましょう。そうすれば、無意識的に気分も上がり、がんばろうという気力が湧いてくるはずです。これを心理学においては“反動形成”と言います。

おわりに

イヤなことを忘れられない理由は、こだわりや執着にあると言えます。相手が発した何気ない一言が、まるで自分を否定しているかのように思われ忘れられないという人は意外と多くいます。でも、当の相手は悪意を持って発したのではなかったり、あなたのことを思って言った可能性もあり得ます。自分の色眼鏡で勝手に脚色しているのかも…… と気づくことができれば、きっと負の感情を手放すことができるはずです。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。