生理が遅れる・早く来るのはなぜ?医師に聞いてみた
毎月訪れる生理なのに「そろそろ来るはずなのにまだ来ない……」と焦った経験は誰しもあるはず。妊娠の可能性がゼロな場合、生理のサイクルが乱れるのはなぜ? 生理不順の原因とその対処法について産婦人科医の深沢瞳子先生にお聞きしました。
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生理不順とは?
「一般的に生理は28日周期といいますが、排卵するまでに日数が長い人や、短い人がいるので生理のサイクルは25日〜38日の範囲であれば問題はありません」
生理不順はどうして起こる?
・ホルモンの分泌異常
・体重減少性
「生理のサイクルが乱れる理由は様々ですが、20代女性に多いのがホルモンバランスの崩れ。あとは過度なダイエットが原因になる場合もあります」
生理不順を改善するには?
「いつ来るかわからない生理は煩わしいし、もし生理が遅れた場合は、避妊ができているかの心配もしなくてはいけません。(コンドームをしていても100%避妊できているわけではありません)ピルを服用して月経周期をコントロールしてあげると楽ちんですよ。旅行や重要な仕事やイベントなどの予定も立てやすくなります。もちろん避妊もできるし、排卵を休憩できるので体にもいいんですよ」
ピルを服用するメリット
①高い避妊効果がある
「ピルを正しく服用すれば避妊率は99%以上と言われています。コンドームの着用だけでは18%程度の失敗率があるので、ピルの服用での避妊率は圧倒的に高いものといえます。ただ、それは飲み忘れをせずに毎日時間通りに飲んだ場合のみ。2日以上飲み忘れただけで時は排卵する場合もあるので、飲み忘れてしまった場合は服用再開から1週間服用するまではセックスを控えておくといいでしょう。また、ピルを内服していても必ずコンドームはしましょう。ピルでは性感染症の予防はできません」
②生理のコントロールができるようになる
「ピル服用の最大のメリットは生理がいつ来るのかが分かるようになること。旅行などの予定も立てやすいので、いつ来るか分からない生理に翻弄されることもなくストレスフリーで過ごせます」
③生理痛が軽減される
「生理痛が軽減され痛みを感じなくなることもほとんど。生理痛を放っておくと子宮内膜症の発症リスクが高くなることが分かっています。子宮内膜症は将来の不妊症の最大の原因、生理痛が改善されるということは将来不妊症になるリスクを下げることにも繋がります」
④月経前困難症(PMS)が軽減される
「生理前にイライラしたり、食欲が増えたり、泣きたくなったり……PMSには身体的、精神的に症状が多岐に渡るため悩んでいる女性が多いのも特徴。ピルの服用でPMSがなくなり楽になった、という声も非常に多いです」
⑤ニキビができにくくなる
「月経前にニキビが悪化することありますよね。これは排卵後に過剰に分泌された黄体ホルモンが関係しています。ピルの服用によりホルモンバランスが安定するので、ニキビができにくくなります。服用してから3〜4ヶ月経つと肌が綺麗になっていきますよ」
⑥経血量が減る
「生理の量が多くて仕事中も漏れていないか心配になることはありませんか? ピルを服用すると経血量が減り、月経期間も短くなるのでナプキンかぶれからも解放されます。もう、白い服を我慢することもありません」
ピルのデメリット・副作用は?
①むくみや頭痛、吐き気など
「飲み始めに吐き気、頭痛、不正出血、むくみなどの症状が現れることがあります。数日程度でおさまってしまう人がほとんどですが、長くても飲み始めて2〜3ヶ月経つとだんだんとなくなっていきます」
②血栓症
「ピルの副作用として挙げられるのが、血栓症。ただ血栓症が起こる確率は1万人に5〜6人と非常に稀な副作用です。ちなみに妊娠中も血栓症を起こしやすいのですが、妊娠中の血栓リスクの方がピルの服用による血栓リスクよりも6倍も高いことが報告されているので、あまり心配しすぎなくてもいいかもしれません。もちろん副作用がないお薬はありませんから、きちんと婦人科で副作用のチェックをしながら服用すると安心です。ただし、肥満の方や、ヘビースモーカーの方は血栓症のリスクを高めるので、服用には注意が必要です」
生理が遅れる主な理由はホルモンバランスの乱れ。ピルで改善も
いつ来るかわからない安定しない生理サイクルは、ストレスの元。まずは婦人科へ相談して、快適な生理ライフを送りましょう!
教えてくれたのは……赤羽駅前女性クリニック 深沢瞳子先生
取材・文/齋藤奈々