【今日のインサイト】10月6日は松戸市役所に「すぐやる課」ができた日。で、この課で起こったアレやコレや…

1969年(昭和44年)10月6日、千葉県松戸市役所に、日本初の即応部門「すぐやる課」ができました。

「市役所は『市民に役立つ所・市民にとって役に立つ人がいる所』」をモットーに、当時の市長が唱えた「すぐやらなければならないもので、すぐやり得るものは、すぐにやります」という精神に沿って発足した課です。

当時の松戸市では、増えていく人口に対し道路や上下水道などの整備が追いつかず、各種のひずみが目立つという状況が……。そんな中、増加かつ多様化する市民の声にすばやく対応し、同時に行政を市民に身近でわかりやすいものにしようと設置されたのが「すぐやる課」なのです。

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具体的には、「市政についての要望等の緊急処理及び連絡に関すること」を、業務としています。つまりは、「すぐやらなければならないもので、すぐやり得るもの」。職員が実際に現場へ出向き、すぐ処理できるものはその場で対応します。

すぐできないものや専門技術が必要なものについては、時間をかけて作業を行ったり、担当部署と調整し対策を講じているそう。ちなみに「庭の草刈り」や「家の掃除」など、個人的なことはお断り。「なんでもやる課」ではありません。この課の思想は瞬く間に日本各地の市区町村長などに支持され、同名部署や同じ役割の部課が続々とでき、1975年には全国315の自治体で採用されました。

ちなみに、当時の松戸市長は、松本清さん。あれ……どこかで聞いたことのある名前ですよね。そう、あのドラッグストアチェーン、マツモトキヨシの創業者なのです! マツモトキヨシが千葉県松戸市発祥だって、知ってましたか? ちなみに現在も本社は松戸市にあります。

星製薬商業学校(現・星薬科大学)を卒業した松本さんは、薬種商免許取得の後、「松本薬舗」を開業しました。その後千葉県の県会議員などを務め、1954年(昭和29年)に「有限会社マツモトキヨシ薬店」を設立し、商号を変更しました(2007年より、マツモトキヨシなどを中心とする事業持株会社である株式会社マツモトキヨシホールディングスとなっています)。

そして1969年1月、第9代千葉県松戸市長に就任。「すぐやる課」を設置したのは、就任した年のことでした。しかしながら彼はわずか4年後の1973年5月21日、2期目の市長在職中に心不全で逝去されたのです。享年64歳。早すぎる死でした。

松戸市小金地区には「小金きよしケ丘」、「小金清志町」(こがねきよしちょう)と松本清にちなむ住居表示地名があり、「清ヶ丘小金公園」という公園も存在。同地区には「松本清記念館」も存在し、彼が松戸市および日本全国にもたらしたものや影響力は計り知れないと言えます。(鈴木 梢)

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