会社の外壁にもきっとある!「定礎」正しく読める?意味分かる?
世の中には、読めそうで読めない漢字や、読み方を間違って覚えてしまっている漢字が結構あるものです。たとえば、「愛猫」、「早急」、「月極」、「松明」、「剃刀」、「団扇」など……正解を知ってびっくりすること、ありますよね。
そんな、身近にあるのに読めない漢字にまつわるクイズ。今回のお題はコチラ!
「定礎」です!
見たことある!と思った方も多いでしょう。ビルやマンションなど大きな建物の下にはよく、この2文字が掘られていたり、書かれたプレートが埋め込まれていますよね。正しい読み方、分かりますか?
じょうせき? じょうそ? じつはどちらも違うんです。
正解は「ていそ」!
定礎とは、「建築の着工に際して礎石を据えること」(デジタル大辞泉より)。つまり建物の土台となる石を置いて建築をスタートする、その作業のことを意味します。ヨーロッパではかつて建築の前に「定礎式」というものが行われていました。
ただ最近の日本では、定礎プレートが埋め込まれるのは建築のラストになることが多いのだそう。プレートをよく見ると、「定礎」の文字の下などに日付が刻まれていますよね。この日付のほとんどは、竣工日=工事が完了した日になっています。
「定礎」の裏にはタイムカプセルが隠れている?
ちなみに定礎プレートの裏には「定礎箱」という箱が埋め込まれている場合があり、この定礎箱には、建築当時の世の中の様子が分かるようなものが入れられています。
たとえば、定礎式当日の新聞や、建築図面、関係者の名前が刻まれた銘板、流通している通貨や紙幣、氏神様の御札……など。まるで小学校や中学校のとき校庭に埋めたタイムカプセルのようですね。
この定礎箱が開けられるのは、建物が取り壊されるときだけ。もしかしたら何十年後、何百年後の未来になるかもしれないため、定礎箱は腐食に強いステンレスなどで作られます。
「定礎」の2文字が書かれたプレートの裏には、古いタイムカプセルが隠れているのかも。街で定礎プレートを見かけたら、日付に注目してみても面白いかもしれません♪(豊島オリカ)