童謡にもある「八十八夜」って何月何日か知ってる?
誰でも知っているフレーズだけれど、ふと考えてみると「この言葉の意味ってなんだっけ?」と思うこと、結構ありますよね。とくに昔からおなじみの童謡に出てくるフレーズは、意味もわからず覚えてそのまま大人になってしまったという方が多いはず。
たとえば、童謡『茶摘(ちゃつみ)』に出てくるこのフレーズはどうでしょう?
「♪夏も近づく八十八夜……」
これ、子供の頃からなんの疑問もなく歌い続けているフレーズですが、そういえば「八十八夜」っていつなのでしょうか?
何月何日ぐらいの夜を指しているのか、気になったので調べてみました。
八十八夜は、誰もが知ってる◯◯から数えて88日目のことだった
まずはみなさん、1分間だけ答えを予想してみてください。
「八十八夜」ということは、何か特定の日付から88回目の夜のことなのではないか、と考えられますよね。そして童謡の歌詞では「夏も近づく……」と歌われていることから、春〜初夏にかけてのいつかなのではないか、とも推理できます。
では、何の日から88日目なのでしょうか?
もしも元旦(1月1日)から数えて88日目だとすると、3月29日くらいということになります。この時期はまだ「夏が近づいている」とは言えないかも。
では、春分の日はどうでしょうか。2019年の春分の日は3月21日でした。そこから数えて88日目というと、6月16日ごろになります。これは確かに夏が近づいている時期ではありますが……
じつは、上記のどちらも不正解なのです。
「八十八夜」とはズバリ、「立春」から数えて88日目の夜のこと。
小学館『デジタル大辞泉』によると、八十八夜とは「立春から88日目で、5月2日ごろにあたる。このころから農家は種まき・茶摘み・養蚕などに忙しい時期となる」とのことです。
ちなみに「立春」と「春分の日」はごちゃまぜに覚えてしまいがちですが、じつは別物。
「立春」は暦の上で春が始まる日のことで、2019年は2月4日でした。まだまだ寒い時期ですが、「春が始まる(立つ)」のでこれから暖かくなっていくぞ、という日です。
一方「春分の日」の方は、昼と夜がほぼ同じ時間になる日のこと。先程ご紹介したとおり、2019年の春分の日は3月21日でした。
「夏も近づく八十八夜」は、立春から数えて88日目で、5月2日ごろのこと。
2月4日が立春の2019年はまさにこの「5月2日」が八十八夜です。
たしかにこの時期は、茶畑が青々として茶摘みが忙しくなるんだろうな、というイメージがありますよね。
知っていると一目置かれそうな、言葉に関する豆知識。上司との食事会やお付き合いの飲み会などで、「そういえば……」と披露してみるのも良いかもしれません♪
(豊島オリカ)