鏡餅に乗ってるの「みかん」じゃないって知ってた?意外と知らない、鏡餅トリビア

お正月を迎える準備はいろいろありますが、中でも毎年必ず見かけるのが「鏡もち」ですよね。お正月にスーパーやコンビニに行くと、ずらっと鏡餅が売られていますが、実際なぜ飾るのか、どこに飾るのが正しいのか知らない人も多いはず。

そこで、越後製菓株式会社に「鏡餅」について、くわしく話を聞いてみました!

【鏡餅に乗ってるのは「みかん」じゃないって知ってた?意外と知らない、鏡餅トリビア】


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どうして鏡餅を飾るの?


昔から餅は、ハレの日に、神様に捧げる神聖な食べ物と言われていました。鏡もちは餅を神仏に供える正月飾りであり、穀物神である「年神様」をお迎えるするためにお供えするものです。年神様は新しい年を運んでくる神様と言われています。

古来から、鏡(銅鏡)には神様が宿るとされ、神様に供えられてきました。丸い餅が、銅鏡に似ているからと言われ、丸い形には、家族円満を表し、重ねた姿は、「福を重ねる・円満に年を重ねる」という意味があります。一般的には大小2段で、月と太陽・陰と陽を表しています。

昔は町内に賃餅屋さん(餅を搗いてくれる店)が何軒かあって、祝い事や正月に赤飯や餅を搗いてくれましたが、餅は数日でカビて真っ青に。そこで、餅メーカーがカビない鏡餅を作ろうと特殊パック入りの鏡餅を1980年前後に発売しました。スーパーでは、カビない鏡餅を望んでいましたので、短時間で全国に広まり、現在では、鏡餅はスーパーやホームセンターで買うことが一般的になりました。

 

鏡餅はどこに飾るのが正しいの?


神様が祭られているところ(床の間、神棚、水神様、火神様)や厄払いしたいところ、大切な物や道具などに供えます。

日本の信仰は、生活を取り巻くあらゆる物に神様が宿るとされてきました。「八百万(やおよろず)の神」と言われるほど神様がたくさんいます。道具や、台所などに鏡餅を供え、物に感謝したり、いつくしむ日本人特有の文化のあらわれと考えられます。最近の傾向は、核家族化、マンションなどの住宅事情(神棚がない)等の理由で、玄関や居間などに飾られることが多くなっています。

 

鏡餅の上にのっている果物の意味は?


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実は、一番上に乗っているのは、みかんではなく「橙(だいだい)」という果実であるということを知ってましたか?

橙は、青い実が冬になって赤味を帯び黄色に熟した後、春になっても実が落ちずに枝についたままで、翌夏にはまた緑色の実に戻ります。一度実がなると、4~5年以上落果しないと言われていることから、こうして何代もの橙が枝についたまま、新しい実を加えながら一つの木になっている事で、健康長寿の家庭・家族に見立て、家系代々の長寿・繁栄を願います。

鏡餅についての歴史は深く諸説あるので、あくまでも参考ですが、その意味や由来を知っていると、より面白いですよね! 1年間に感謝をし、新しい年を縁起の良いものにするために、ぜひ飾ってみてはいかがでしょうか。(松本美保)

情報提供元/越後製菓株式会社