中谷美紀、男性諸君に「女性の恐ろしさを観にきて」【インタビュー前編】

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WI そして、いよいよ4月に再演されますが、初演から変わったところはありますか?

中谷 実は、まだお稽古が始まっていないので……。なによりもまずはセリフを覚えることが先決ですね。今は、戯曲(原作)を再び読み終わったところです。自分の年齢のせいなのかもしれませんが、初演時や最初に読んだ10年前よりもより悲しく思えてきています。

WI どうして、再演に気持ちが動いたのですか?

中谷 常に矛盾した感情がありまして、自分自身の「人生を変えた作品」でとても大切な作品ですし、自分自身で「できない」と自分の限界を設けていたけれども、「“一歩踏み出せばできる”。そして可能性は無限に広がっていく」ということを教えてくれた作品なので、もう一度演じたいという気持ちと二度と演じたくないという気持ちが常に混在していました。

WI そして、再演が実現されることになりましたが。

中谷 プロデューサーが、セットも衣装も取っておいてくださって、倉庫に保管されていたのですが、保管料もかかっているので、どこかで回収しようと(大笑)。

WI それは書いて大丈夫ですか?(笑)

中谷 本当のことなので大丈夫です(笑)。

WI セットも印象的ですよね。

中谷 そうですね。演出家のフランソワ・ジラールさんが作られたセットですが、本当に素晴らしいと思います。木と石と水というのをとても大切にされていたので、それをシルク・ドゥ・ソレイユの美術などを手掛けるフランソワ・セガンさんが具現化してくださって。本当にミニマルな世界なんですが、ミニマルだからこそお客様に想像していただく余地を持っているので、よりお客様の感性も試される作品だと思います。

WI 役と場面転換が違和感なく、拝見して面白かったです。

中谷 そうですね。とにかく演出家からお話をいただいて5年ぐらい逃げていたのですが(笑)。「本当にやろう」と具体化した早い段階で、キャラクターの変遷についてはだいぶ考えていらっしゃいました。「着物をステージ上で着させたいんだ。どうしたらいいと思う?」とかおっしゃっていました。

WI 観ていても、本当に「凄い」と思いました。

中谷 やはりセットの場面転換によって私自身の気持ちも、自然に切り替わり受け止められるので、本当にさすがだなって思いますね。

WI では、まだ観ていない皆さんへメッセージをお願いします。

中谷 ちょっと無謀とも思える“賭け”を、初演に続きまた今回もさせていただくことになりました。おそらくすべての女性が3人のうち誰かに共感していただけるのではないかと思いますし、男性のお客様には、ぜひ女性の恐ろしさを観に来ていただきたいです(笑)。

WI 本当に男性がご覧になられたら、「女性は怖い」と思いそうです。

中谷 そうですね。男性のかたは盛り上がるか無言になるかですね(笑)。

 

質問に丁寧に答えてくださった中谷さん。でも時折、真剣な表情で面白ことを話されるので、つい声を出して笑ってしまいました。そして、皆さんへのメッセージ。私も拝見した時に「女性は怖い」と思ったひとりなので、ご覧になった皆さんの反応が気になります。後半は、中谷さんのパワーの源やリラックス方法についてお届けします。(平山正子)

『猟銃』<東京公演概要>
[公演日程] 2016年4月2日~4月24日
[会 場] パルコ劇場(東京・渋谷)
[原 作] 井上 靖『猟銃』
[翻 案] セルジュ・ラモット
[日本語台本監修] 鴨下信一
[演 出] フランソワ・ジラール
[出 演] 中谷美紀 ロドリーグ・プロトー
[前売開始] 1月23日(土)より
※他、新潟、京都、愛知、兵庫、北九州公演あり

 

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