BE:FIRST・RYOKI「僕には人生設計図があって、40〜45歳ぐらいまで大体決めている」ネガティブな気持ちになった時の解決法は?

三山凌輝、主演映画『誰よりもつよく抱きしめて』の繊細な演技が話題!

俳優として、そしてアーティストとして、常に異なる一面を見せる三山凌輝さん。そのすべてが〝自分自身〟と語る三山さんのひと言ひと言には、偽りのない強さと優しさがあふれ、心に深く響くのでした──。


三山凌輝
1999年4月26日生まれ/O型/愛知県出身 映画『HiGH&LOW THE WORST X』(2022年)、ドラマ『往生際の意味を知れ!』(’23年)などに出演。NHK連続テレビ小説『虎に翼』(’24年)で注目される。俳優、そしてRYOKIの名前でBE:FIRSTのメンバーとしても活躍中。

素直、人間らしい、そして圧倒的な存在感

僕自身を3つの単語で表すとしたら…この3つかなと思います。自分の感情を隠すのは苦手で、素直で嘘つけないところはありますし、喜怒哀楽もはっきりしていて、人間らしいと思います。最後のひとつは、圧倒的な存在感でありたいという気持ちを込めて…(笑)」

僕を推してくれたら概念を変えます!

「CanCam読者の方に、ぜひ僕を推していただきたいです(笑)! 俳優やアイドルを好きになる理由はそれぞれ違うと思いますが、僕はファンの皆さんと『人生を共に豊かにしていきたい』と思っているんです。旬とか今話題とか、そういうことは一切執着していない。それよりも人間らしく生きていくことや、一度の人生を楽しく過ごしているところを見てもらうほうが、見てくださる方も清々しくて気持ちいいんじゃないかなって。作品や活動を通して圧倒的な存在を証明していくし、それを応援してくれる人に届けていきたいです。一緒に人生を辿っていくという、少し長い目で僕を見てもらえたらうれしいです」

役者の自分も、アーティストの僕も、「自分」

「役者・三山凌輝は作品や役柄を通して、さらにメディアを通して知ってもらえる機会が増えるのはありがたいですよね。アーティスト・RYOKIは、フルサイズの自分を出してはいるけど、やっぱりプラスアルファでアーティスト魂みたいなものが少しエッセンスとして入っている気もします。でも、それはそれで両方、〝僕〟なんです。ただ、僕がいちばん大事だと思っているのは、ひとりの人間としての〝自分〟。ここから上下左右に派生していき、役者やアーティストの僕ができているんです」

応援してくれる方たちに幸せになってほしい

「応援してくださる方たちに自分の活動を通して幸せになってほしいですし、そのためには自分も幸せでいないと、と思っています。役者やアーティストの活動は、ひとつ何かを成し遂げたら次の目標に進んでいく、〝ステップとステージ〟の繰り返しで、自分も成長していくし、可能性も広がっていく。そうやって成長していく中で、もしかしたら芸能以外の活動もするかもしれない、例えば社会奉仕の活動とか。とにかく、応援してくれる方たちと一緒に幸せになれたらいいです」

「生き方」のこだわりが強いのは、人生設計図があるから

「自分はそういうつもりはないんだけど、周りからはこだわりが強いって言われます(笑)。多分、生き方そのものに、こだわりはありますね。というのも、僕には人生設計図があって、それをベースにすべてを決めて行動するんです。今のところは、40〜45歳くらいまでは大体決めています。だから、何かを決断するときは、もちろん直感もあるけど、それと同時にかなり考えるタイプですね」

ドライブは目的地を決めないととこまでも走っちゃいそう(笑)

「お休みの日は、ドライブをしたり、買い物に行ったり。ドライブは気ままに走るというよりは、目的地を決めて行きます。そうしないと、日本の果てまで走っちゃいそうだから(笑)。でも、最近はインテリアにハマっていて色々集めているから、家でゆっくり過ごすことも多いんです。この間、ベッドを買い替えたら、よすぎてびっくりしたんですよ! やっぱり、睡眠の質って、その日一日をどう過ごすかが変わるくらい大事なんだなって実感しました。寝心地が最高で、起きられないくらい(笑)」

悩みやツラいことは、時間が解決してくれる

「悩まなそうって思われることが多いですけど、そんなことはないです(笑)。僕はネガティブな気持ちになったりちょっとツラいなというときは、周りの信用している人に相談して、心に余裕を持たせるようにします。誰かに話すことで、だんだん自分の中で消化していき『悩んでいてもしょうがないな』って思えるようになる。あとは時間が解決してくれるのかなって。最近特にその大切さに気づいたんですよね。悩み続けて生きることのほうが大変だろうから、『きっとそのうち解決する』って自分に思わせてあげるほうが楽な気がします」

やりたいことを言葉に出してすべて現実にしたい

「自分の中で、2024年は色々な種を蒔いた一年でした。2025年は、蒔いたものを刈り取る年にしたいと同時に、もっと幅を広げる一年にしたい。自分が学生の頃から描いているビジョンがあるので、それをしっかり実現させたい。〝仕事〟と〝ひとりの人間〟としてのビジョンがあって、〝仕事〟としては、自分が英語を話せるということもあり、世界に出て行きたいです。そして行くなら、とことんやりたい。言霊って言うけど、やりたいことを口に出すことも大事だと思っているから、ちゃんと言葉に出して、全部を現実にしていきたいです。〝ひとりの人間〟としては、色々な経験をすることで考え方や視野を広げることも大切だけど、その軸となる〝人としての幸せ〟や〝生きる上での豊かさ〟を持つことはブレないようにしたいです」


今回自分とはまったく違う役柄を演じることによって自分自身を再認識できたと思う

今回演じられた役柄について教えてください。

「僕が演じた良城は、強迫性障害による潔癖症で直接物に触れることができないんです。だからいつも手袋をしているし、恋人にさえ触れることができない。今回だけじゃなくてどの役柄に対しても演じるやりがいというのはあるのですが、良城に関しては『どうやってこの役に寄り添えるかな』というのをかなり考えたと思います。どこかに共感できる部分を見つけようと。人間って陰と陽の部分が誰しもあるじゃないですか。僕は陽が強いと思われているし、実際にそうだと自分でも思っていたけど、経験と成長を重ねて意外と陰の部分が広がってきたんですよね。ちょうどこの役柄を演じるとき、自分自身が色々なことを考えるような時期だったので、そのタイミングで良城という役に出会えて、より一層役柄に向き合えたと思います」 

ちなみにその状況からどんなふうに抜け出したんですか?

「生きていたら色々ありますからね(笑)。でも吹っ切れる瞬間って絶対に来るんですよ。悩みってずっと続くわけじゃないから、どこかでポジティブに切り替えられるでしょ、って自分でも思っていたんですよね。そうじゃないと押し潰されちゃうからね。気が付いたら自然と抜け出していました!」

今回の作品で感じた自分の成長はなんですか?

「そうですね、一番は今回の役柄をやり切ったことじゃないですかね。良城という自分とはまったく違う役柄を演じることで自分を再認識しましたし、同時にどんな人間でも根本の〝心〟というのは同じなんだなとも思えたので、とてもいい経験になりました」

映画『誰よりもつよく抱きしめて』の魅力はどんなところですか?

「この映画は、まったく同じ状況に当てはまる人がたくさんいるわけではないと思うんです。でもその中に、人間同士のすれ違いとか、価値観の違いとか、誰もが共感できるようなところがあるんです。共感性がキレイごとではないところに人間味があふれていて、それがこの映画の魅力じゃないかなと。だって、人生とか恋愛ってそんなにシナリオどおりにいくわけではないじゃないですか! みんな努力して、ぶつかって、傷ついて、頑張って…リアリティのある日常や人生を切り取っているところが、この作品の魅力だと思います」

映画『誰よりもつよく抱きしめて』

配給:アークエンタテインメント/公開中
新堂冬樹による恋愛小説を映画化。強迫性障害により、すべてのものに直接触れることができなくなり常にビニール手袋着用で生活する絵本作家・水島良城(三山凌輝)と、書店員である恋人の桐本月菜(久保史緒里)の切なくてピュアなラブストーリー。主題歌『誰よりも』はBE:FIRSTによる書き下ろし。
©2025「誰よりもつよく抱きしめて」HIAN /アークエンタテインメント
CanCam2025年3月号「#リョウキ語録」より
撮影/新田君彦(えるマネージメント) スタイリスト/田中香菜 ヘア&メイク/西村裕司 構成/小山恵子 WEB構成/久保 葵