CanCam新編集長が考える、「雑誌だからこそできること」【編集長インタビュー】

Woman Insight編集部(以下、WI) 塩谷さんが考える、雑誌だからこそできること、やりたいことって何でしょう。

塩谷薫編集長(以下、塩谷) ネットやテレビは広い情報を早く知ることができる一方で、雑誌は情報が深い。それが強みだと思うんです。ひとつの媒体の世界観をつくりあげて、情報を深堀りできるのは、今のところ雑誌ならではだと思います。それからこの前、ある読者が「雑誌は自分の知らない世界に連れて行ってくれる気がする。たまたま見たい特集があって買ったとき、ネットだと見逃してしまうような情報も、誌面だと目にとまって、見てしまう。それをついつい読み込んでしまって、気がつけば知識が増えている」と言っていたんですよね。私もそういうところが、雑誌のいいところだと思うんです。

 

WI 確かにそうですね。ネットは魅力的なコンテンツにあふれているけれど、その集合で魅力的な世界観があるかといえば、なかなかそういった媒体にはまだ出会えません。

塩谷 だから全体を通してどんな情報を載せるかはすっごく大事で。それを間違えると、結局買っても自分が知りたかった情報や、知ることができてよかったと思える情報を得られないものになってしまうので、それをどうセレクトして料理していくかというのが私たちの仕事。今までも編集者の仕事はそういうものだったけど、今の時代よりそのスキルが強く求められている時代だと思います。

 

WI これまではさまざまなファッション誌で編集者をされてきて、今回『CanCam』の編集長になられて、これまでと比較すると特に何が変わりましたか?

塩谷 前からそうではありますけど、前に増してずーーーっと『CanCam』のこと考えてますね(笑)。寝ているときも、ずっと『CanCam』の夢を見ているくらい(笑)。たまに夜中目覚めてメモすることもあって。『CanCam』自体のことだけでなく、スタッフのみんなのことを考えたりとか。