女性はどこに消費する?AneCan編集長が考える現代女性と雑誌【編集長インタビュー】

「雑誌の編集長」とは、その時代を作る存在です。

Woman Insightの年末年始企画として恒例になっている、小学館女性誌編集局が発行している『CanCam』『美的』『Oggi』などの雑誌編集長インタビューシリーズ、『AneCan』編集長の後半です。

念のため『AneCan』について説明すると、「HAPPY&ACTIVEなレディになろう♡」を合言葉に、仕事も遊びもファッションも楽しみたい、30代前後の女性のためのファッション誌。

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前編では「ユニクロなどのファストファッションブランドのベーシック化」「『Oggi』『AneCan』の読者比較」などをお届けしましたが、今回は「現代女性の消費の傾向」や「AneCanが新しく狙っていく読者層」などをうかがいます。

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Woman Insight編集部(以下、WI)現在の『AneCan』読者層と、新たに狙っていきたい読者層を教えてください。

佐藤明美編集長(以下、佐藤)この春創刊9周年になるのですが、おそらく創刊のときから好きでいてくださっている読者さんも結構いらっしゃると感じます。ただ、その方たちがだいたい35歳くらいになっていて、そろそろ『AneCan』的なファッションが厳しいかな……と思っている方もいらっしゃると思うので、これからは「平成生まれのアラサーさん」をターゲットにしていきたいと考えています。

 

WI さらに具体的に、どのような女性をターゲットにして雑誌を作っていきたい……と考えていらっしゃいますか?

佐藤 地味はイヤだし流行にはもちろん敏感でいたい。でも「流行もの着てます!」風に見せたいわけでもない、いつもの服に流行をほどよくトッピング。感じがよくて清潔感もあって、そこに少し女性らしい華やかさを加えた感じ、というのが『AneCan』の理想とするスタイルです。

 

WI 『AneCan』を読んでいると、「自分でもなれなくはなさそうな、地に足のついたキラキラ感」を感じますが、まさにそういうところを狙っていく、という感じでしょうか。

佐藤 なれそうに見えて、実際はなかなか難しいんですけどね(笑)。そういう人たちが普通に読んで役に立つ、「会社にいたら一番モテて、流行は知ってるけど全身トレンド、という感じではなく、普通に感じがいい」服やライフスタイルを提案していきたいですよね。

 

WI 『AneCan』でこんな企画を行っていきたい、というものはありますか?

佐藤 読者の方たちの傾向に合わせた雑誌作りをしていきたい……という考えが基本にある上で、『AneCan』読者は「消費に積極的な人たち」という特徴はあるんです。でも、その「消費」の傾向が、「ファッション・美容」にかける割合がどんどん減っています。