カップルがすれ違う瞬間とは?すれ違った関係を修復するために大切なこと

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恋人が自分のことを理解してくれないと思って悲しくなったり、嫉妬して素直になれなかったり…恋人同士でもすれ違うこともありますよね。今回は、カップルがすれ違ってしまった経験談や、すれ違を防ぐために心がけたいことを調査しました。またケンカしたあとの関係修復テクニックもご紹介します。

すれ違いの意味は?

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まずは「すれ違い」の正しい意味を辞書で見てみましょう。

すれ‐ちがい【擦れ違い】

  1.  触れ合うほど近くを反対方向に通りすぎること。

  2.  時間や位置などがずれて、会えるはずが会えないこと。

  3.  議論などで、論点がかみあわないこと。
出典:デジタル大辞泉(小学館)

カップルや夫婦の問題などで使うのは、2や3の意味です。特に今回は、物理的に会えないというよりは、心理的なすれ違いを取り上げます。

すれ違いの類語は?

「すれ違い」と似た言葉にはどんなものがあるのでしょうか。

1.ボタンの掛け違い

対処の方法を誤り、そのことが原因であとから不都合が生じたり、双方の間で食い違いが生じたりすること。

2.齟齬

物事がうまくかみ合わないこと。食い違うこと。ゆきちがい。

3.行き違い

  1. すれちがいになって、出会わないでしまうこと。いきちがい。

  2. 意志がうまく通じないで、くい違いを生じること。いきちがい。

4.食い違い

食い違うこと。また、その点。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「すれ違い」と似た意味の言葉は意外とたくさんありますね。

「すれ違い」を経験した男女の割合は?

ではすれ違いを感じたことのある男女はどのくらいいるのでしょうか? 20~30代男女150人にアンケート調査を実施しました。

(アンケート/株式会社クロス・マーケティング QiQUMOにて調査)

Q.恋人との「すれ違い」を感じたことはありますか?

ある…63人(42%)
ない…87人(58%)

すれ違いを感じたことのある男女は4割強。やや少数派となりましたが、半数近くの方が経験したことがあるようです。

「すれ違い」を感じた瞬間

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ではすれ違いを感じるのはどんなときで、何が原因なのでしょうか。こちらも男女に聞いてみました。

1.浮気の疑い

  • 「浮気の疑い」(回答多数)

相手が浮気を疑わせるような行動を取ったことが原因ですれ違ってしまったという人が多数。それ以外にも嫉妬から生じるすれ違いもあるようです。

2.生活時間が合わない

  • 「生活時間が合わない」(27歳・女性)
  • 「生活時間があまり合わないと感じたから」(36歳・男性)
  • 「学生と社会人(新卒)で生活時間や価値観が合わなかった」(30歳・女性)

生活しているリズムが合わないと、コミュニケーションが減りがちです。その結果、連絡をとることが難しく疎遠になってしまうことも…。

3.価値観の違い

  • 「価値観の違い」(回答多数)
  • 「意見が全然合わない」(26歳・女性)

価値観は違って当たり前ともいえますが、埋めようのない隔たりができる原因になることもまた事実…。「お互い悪気なく言ったことが知らないうちに相手の地雷を踏んでいた」なんてこともあるよう。

4.仕事が忙しくて会えない

  • 「仕事が忙しい時」(25歳・男性)
  • 「仕事が忙しくて会えず、彼を気遣う言葉や行動をしても素直に喜んだり、受け取ってもらえず悲しい思いをして、結果自分の方も気持ちがだんだんと冷めていくきっかけになってしまったことがある」(35歳・女性)

続いて多かったのが「会えない」「時間が合わない」という意見。恋人といってもしばらく会っていないと形だけのカップルみたいな気がして不安になりますよね。どちらかが激務だったり、夜勤だったりすることですれ違いが起きてしまうこともあります。ある程度は相手に合わせる努力ができないと、長く付き合うのは難しいのかもしれません。

5.些細なケンカ

  • 「些細なケンカ」(27歳・女性)

些細なケンカが発端となって別れ話に発展することもありますよね。後から考えると「あんなことでケンカしなくても良かったな」と思えたりしますが、その場で冷静になるのが難しいことも…。

6.その他

  • 「話し合いができない。話が通じない。癇癪を起こされる。不倫や暴力」(29歳・女性)
  • 「連絡頻度や会いたいと思う気持ち」(29歳・女性)
  • 「食の好みや趣味が合わないなど」(25歳・女性)

その他、好みや趣味の違い、恋愛に対する考え方の違いなどからすれ違いを感じてしまう人も。

恋人と「すれ違わない」ために大事なこと

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ある程度のすれ違いは仕方がない面もありますが、予防することもできるはず。どんな方法ですれ違いを減らせるのか、こちらも男女に聞いてみました。

1.こまめに連絡をとる

  • 「こまめに連絡をとる」(回答多数)
  • 「コミュニケーションをとる」(38歳・女性)

最も多かったのはこまめな連絡でした。お互いに日ごろから日常的なことを報告することで、相手の価値観が見えてきたりもします。

2.たくさん話す

  • 「たくさん話す」「会話をする」(回答多数)
  • 「たくさん話す、溜め込まない」(27歳・女性)

好き同士で付き合っているとはいえ、会話をたくさんしないと相手のことはわかりませんよね。とにかくたくさん話すことは大切! 話したいことは我慢しないのが大事です。

3.気持ちを言葉にする

  • 「言葉にして考えを伝える」(29歳・女性)
  • 「言葉にして話す、言われてもないことを思い込まないで聞く」(37歳・女性)

自分の気持ちをわかってくれるはずなんて思い込むところからすれ違いは生じます。相手は他人。思っていることは言葉にしないと伝わりません。

4.本音を伝える

  • 「本音を伝える。疑問があったら聞く」(21歳・女性)
  • 「本音を話す」(31歳・女性)

相手に嫌われたらどうしようなどと考えて本心を隠してはいませんか? そういうことが続くと、自分の不満もたまりますし、相手もあなたのことを理解できないままかも。

5.お互いを理解する

  • 「話合い、お互いを理解する」(29歳・男性)
  • 「元から同じ意見だと決めつけないで相手の考えを知る」(37歳・女性)

一緒にいる時間が長いと「相手はこう考えているはず」となぜかわかった気になってしまうこともありますよね。でも思い込みからすれ違いが生まれることも。相手を理解しようと努力する姿勢が大切です。

6.適度な距離感を保つ

  • 「適度な距離感を保つ」(35歳・女性)
  • 「話を大切にする、節度と距離感を大切にする」(25歳・女性)

恋人とはいえプライベートな部分に踏み込みすぎるのはNGです。ある程度の距離があるからこそ相手を冷静に見ていられるのかもしれません。

「すれ違った後」が大事!ケンカしても関係を修復する方法

すれ違いが起こってしまったら、早めに修復したいもの。最後に、ケンカ後に関係を円満に修復するための心理テクニックを、認定心理士の脇田尚揮さんに伺いました。

1.仲直りのきっかけは夕方以降顔を見ずに

ケンカは沈静化した後こそが大切。でも、そこで悩むのが仲直りのタイミングです。もちろん、なるべく早いほうがいいのですが、できるだけ夕方~夜にふたりきりで話すようにしましょう。心理実験によると、人は暗い場所にいると、普段言えないような恥ずかしいことや、心の奥底にある気持ちを表に出しやすくなるのです。つまり、薄暗い環境のほうが、お互い謝りやすく仲直りできるのです。

また、顔を合わせずに電話やSNSなどで「ゴメンね」の一言を口に出すのも効果的。顔を突き合わせると、ノンバーバルな情報が多すぎて、つい余計な一言を口に出してしまいがちに。夕方以降にメールや電話で謝れば、きっと相手も素直に謝ってくれてこれまで以上に仲が深まるはずです。

2.感情を吐き出させてから冷静に思いを伝える

もしあなたが相手とケンカをしたら、まずは冷静になりましょう。そして、相手にも冷静になってもらうよう機をみましょう。お互い頭に血がのぼっている状態で言いたいことを言えば、収拾がつかなくなりいつまでも結論が出ません。まずはあなたから、冷静になって不満を吐き出させるように意識してみましょう。

心理学者ジェームズ・P博士は、不満などのネガティブな感情を吐き出させると、47%の人はそれだけで満足するものだと提唱しています。問題自体は何も解決していなくても、意見を吐き出すだけで、不満自体が和らぐ場合が多いのです。ひとしきり感情を吐き出させた後で、あなたが冷静に思いを伝えることが重要なのです。

3.相手を責めずに結論を出す“サンドイッチ話法”を

ケンカをするうえで、相手に自分の想いを伝えるときは勇気がいりますよね。そこで、伝えたい内容の前と後をポジティブな言葉で挟んで伝えましょう。そうすれば、相手も受け入れられやすくなります。これを心理学では、“サンドイッチ話法”といいます。

例えば、時間にルーズな相手には、「○○君、仕事だとしっかりしているのに」「最近ちょっと時間に遅れがちだよね」「もしかして、最近オーバーワーク気味? or疲れているの?」というように伝えればOK。ネガティブワードをポジティブワードで挟み込むことで、相手を不快にすることなく言いにくいことも伝えられるのです。そんなあなたの気遣いに、相手も好印象を抱くはずです。

4.言いづらい内容は原因・結果・感情に分ける

あなた自身がどうしても相手に伝えたいことがあるなら、角を立てないように“アサーション”という心理話法を用いるのがおすすめです。この方法は、まず「原因」を示して「結果」を振り返り、「感情」を伝えるというステップを踏むというやり方です。そうすることで、相手に不快感を与えずに言いたいことを伝えられるというもの。

例えば、掃除などタスクをサボる相手に対して「もっと手伝ってよ」というだけでは上手く伝わりません。そこでアサーションを用いれば、「○○君が手伝ってくれないと(原因)」、「時間内に終わらないから(結果)」、「みんなすごくつらいんだよ(感情)」と、構成してみましょう。この順番で相手に伝えることで、根本的な部分の解決が得られるように。ケンカも早めに鎮静化し、お互いに理解が得られるでしょう。

【まとめ】

最初は小さな不満でも、それが取り返しのつかないくらい大きなすれ違いになることがあります。すれ違いを防ぐポイントは、時間を作って、コミュニケーションを取るようにすること。相手を理解し、歩み寄る気持ちが大切なようですね!