ケンカ後に関係を円満に修復するための心理テクニック

ケンカ後に関係を円満に修復するための心理テクニック

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人にはそれぞれ価値観や考え方があります。そのため、お互いに相手を想い合う気持ちがあったとしても、むしろそれゆえにすれ違いや衝突が起きてしまうことも少なくありません。それは仕方ないとして、その後にどうすればいいかが大切ですよね。そこで今回は、「ケンカ後に関係を円満に修復するための心理テクニック」をご紹介いたします。 

■仲直りのきっかけは夕方以降顔を見ずに

ケンカは沈静化した後こそが大切。でも、そこで悩むのが仲直りのタイミングです。もちろん、なるべく早い方がいいのですが、できるだけ夕方~夜に二人きりでお話するようにしましょう。心理実験によると、人は暗い場所にいると、普段言えないような恥ずかしいことや、心の奥底にある気持ちを表に出しやすくなるのです。つまり、薄暗い環境のほうが、お互い謝りやすく仲直りできるのです。また、顔を合わせずに電話やSNSなどで「ゴメンね」の一言を口に出すのも効果的。顔を突き合わせると、ノンバーバルな情報が多すぎて、つい余計な一言を口に出してしまいがちに。夕方以降にメールや電話で謝れば、きっと相手も素直に謝ってくれてこれまで以上に仲が深まるはずです。

■感情を吐き出させてから冷静に思いを伝える

もしあなたが相手とケンカをしたら、まずは冷静になりましょう。そして、相手にも冷静になってもらうよう機をみましょう。お互い頭に血がのぼっている状態で言いたいことを言えば、収拾がつかなくなりいつまでも結論が出ません。まずはあなたから、冷静になって不満を吐き出させるように意識してみましょう。心理学者ジェームズ・P博士は、不満などのネガティブな感情を吐き出させると、47%の人はそれだけで満足するものだと提唱しています。問題自体は何も解決していなくても、意見を吐き出すだけで、不満自体が和らぐ場合が多いのです。ひとしきり感情を吐き出させた後で、あなたが冷静に思いを伝えることが重要なのです。

■相手を責めずに結論を出す“サンドイッチ話法”を

ケンカをするうえで、相手にとって自分の想いを伝えるときは勇気が要りますよね。そこで、伝えたい内容の前と後をポジティブな言葉で挟んで伝えましょう。そうすれば、相手も受け入れられやすくなります。これを心理学では、“サンドイッチ話法”と言います。例えば、時間にルーズな相手には、「○○君、仕事だとしっかりしているのに」「最近ちょっと時間に遅れがちだよね」「もしかして、最近オーバーワーク気味? or疲れているの?」というように伝えればOK。ネガティブワードをポジティブワードで挟み込むことで、相手を不快にすることなく言いにくいことも伝えられるのです。そんなあなたの気遣いに、相手も好印象を抱くはずです。

■言いづらい内容は原因・結果・感情に分ける

あなた自身がどうしても相手に伝えたいことがあるなら、角を立てないように“アサーション”という心理話法を用いるのがお勧めです。この方法は、まず「原因」を示して「結果」を振り返り、「感情」を伝えるというステップを踏むというやり方です。そうすることで、相手に不快感を与えずに言いたいことを伝えられるというもの。例えば、掃除などタスクをサボる相手に対して「もっと手伝ってよ」というだけでは上手く伝わりません。そこでアサーションを用いれば、「○○君が手伝ってくれないと(原因)」、「時間内に終わらないから(結果)」、「みんなすごくつらいんだよ(感情)」と、構成してみましょう。この順番で相手に伝えることで、根本的な部分の解決が得られるように。ケンカも早めに鎮静化し、お互いに理解が得られるでしょう。

おわりに

ケンカはなるべくなら避けたいと感じるのが、人情というもの。でも、衝突を避けようと自分の言い分を抑えてしまうと、根本的な解決には繋がりません。相手もあなた自身も忌憚(きたん)なく思いを伝えて、その上で良好な関係を構築できるのが一番理想的な関係だと言えます。だからこそ、ケンカを避けるのではなくお互いが納得のいく方向へ落としどころをつくること、つまり仲直りの仕方が大切なのです。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。