山 新人時代、「マウンティングは絶対しないぞ」と心に決めていたはずなのに、先輩になってみたら…自分もしそうになっていてました。ほんと、あれは恐ろしかったです(笑)。
WI え!すごく意外です! どんなことがあったのですか?
山 後輩に、苦手だな、と感じている子がいたんです。彼女はすごく声が高かったんですね。その声にイライラしちゃって、彼女に対して、ちょっと無愛想に接していました。でも、ある日気がついたんです。「私はこの子のこと、可愛いと思って嫉妬しているんだ」って。よくよく考えたら、自分も昔「あの子、なんか声高くない? 弁護士のくせに!」って散々言われていたんです。いつしか自分も、先輩のようになってたんですよね(笑)。でも、こんな風に延々女争いしてくのって苦しいなと思いまして。本人に「相手によっては、声低くしたほうがいいときもあるよ」ってアドバイスしてみたんです。そこから、その子のことをもう苦手だって感じることもなくなり、自分も嫌な感情を手放せました。
WI その言い方、すごくイイですね! 嫌味な感じは全くしない。
山 「女性として扱われたい」「可愛いと思われたい」「特別に思って欲しい」って気持ち、誰でもあると思うんです。ただ、それを上手に呑み込めないと、どこかでひずみが出てしまう。それが女性がマウンティングしてしまう理由。そこから抜け出すには、自分の嫉妬心を受け止めることだと思います。羨ましいって気持ちを認めると、とても楽になりますよ。私はこれで、同性代のマウンティングも微笑ましく見られるようになりました。