20代の今こそ、フェムテックついてきちんと知っておきたい!
最近、女性の体のことをテクノロジーで解決する「フェムテック」が話題。中でも今、20代がいちばん気になる3つの〝テック〟「卵子凍結」「低用量ピル」「HPVワクチン」にクローズアップ! 今回は「低用量ピル」と「HPVワクチン」について詳しく聞いてみました。
▼卵子凍結はコチラから
教えてくれたのは…
郡 詩織先生
産婦人科医・抗加齢学会専門医(mederiドクター)
船曳美也子先生
産婦人科専門医・生殖医療専門医(オーク銀座レディースクリニック)
今と未来の私のために、低用量ピルについて知っておきたい!
女性ホルモンをコントロールして生理トラブルやPMSを改善♪
Q. 低用量ピルって、何に効くの?
A. 生理不順、生理痛、PMS(月経前症候群)など生理関連のトラブル改善に有効
「低用量ピルというと、避妊薬のイメージが強いかもしれませんが、むしろ今は、生理不順、生理痛、過多月経、PMSなどの治療として使用されることが多くなっています。低用量ピルは女性ホルモンを微量に含むホルモン剤で、排卵を止める働きがあります。そのため避妊効果が100%近いのはもちろんですが、女性ホルモンの変動によって引き起こる生理関連のトラブル症状を和らげる効果も高いんです。さらに、女性ホルモンは肌のコンディションにも影響するため、低用量ピルを飲むことで肌あれやニキビなど肌トラブルも改善できます」(郡先生)
低用量ピルの効能
- 生理不順の改善
- 生理痛の緩和
- 経血量の抑制
- PMSの改善
- 99.7%の避妊率
- ニキビ、肌あれの改善
Q. 低用量ピルにも色々あるみたい。どう選べばいいの?
A. 症状や目的に合うピルを医師に処方してもらって
「低用量ピルは1錠ずつ21日間連続で飲むのが基本ですが、その21錠に配合されたホルモンの量によって2種類に分けられます。21錠すべて同じ配合量なのが〝1相性〟で、7錠ずつ配合量を変えているのが〝3相性〟。それぞれ働き方が違うため、服用する方の症状や目的に合うものを医師が見極めて処方します。例えばPMSや肌あれの改善には、ホルモン量が一定の1相性が適しています」(船曳先生)
Q. 低用量ピルの飲み方は?
A. 基本は1日1錠を同じ時間に服用
「28日を1周期として、生理の初日から1日1錠、毎日同じ時間に服用するのが原則です。そんなふうに一定の飲み方をすることで生理のリズムが整ってくるので、飲み忘れに注意! 服用期間は、21日飲んで1週間休むのが基本。1シート21錠と28錠のタイプがあり、28錠タイプは最後の7錠が休薬用の偽薬になります」(郡先生)
Q. 低用量ピルに副作用はないの?
A. 飲み始めは吐き気やむくみなどの症状が出ることが。血栓症にも要注意
「飲み始めの1〜3か月は吐き気がしたり、むくみやだるさのような症状が続くこともありますが、体が慣れてくると治まるので心配はいりません。ただ、血液の塊ができる血栓症も副作用のひとつなので、服用前にリスクについて医師に相談を!」(郡先生)
Q. 低用量ピルをオンラインで買っても大丈夫?
A. 画面越しでも医師が診察してから処方されるものならOK
「オンラインでも、問診や医師の診察をしっかり受けた上で処方されるものなら問題ありません。ピルを始めてみたいけど、病院に行くのはハードルが高いという人にとって、オンラインで買えるメリットは大きいでしょう。ただ、生理痛や過多月経といったトラブルのそもそもの原因を突きとめるには、やはり病院での内診や血液検査が必要です」(郡先生)
\現役の産婦人科医が診察&処方!/
mederiの診療の担当は、郡先生をはじめ、厚生労働省が実施するオンライン診療研修を修了した現役産婦人科医。診療はLINEで簡単に予約でき、無料。低用量ピルの料金は4つのプランから選択。
生理のトラブル救済アイテムは、ピル以外にも!
Q. 生理痛がつらいときは痛み止めを飲むべき?
A. 痛み始めにすぐ飲むのが◎!
「生理痛は、生理で子宮内膜が剥がれたときにプロスタグランジンという痛み物質が過剰に分泌されることで起こります。痛み止めにはこのプロスタグランジンの過剰産生を抑える成分が配合されているため、痛みが来そうと思ったら、我慢せずすぐに飲むのが正解です」(船曳先生)
\生理痛のメカニズムに着目した独自処方/
生理に伴う痛みに速くよく効く。胃を守る成分も配合。
\痛みの中枢と末梢に素早くアプローチ/
痛みのもとと伝達部分に作用。速くよく効く。眠くなりにくい。
Q. 生理にまつわる不調のケアに日常的にできることは?
A. 体を温める、リラックスする、栄養バランスのよい食事をとるなど
「体が冷えていると血行が悪くなり、生理の不調が悪化しやすいため、普段から体を冷やさないことを心がけましょう。入浴は毎日湯船にきちんと浸かる習慣を。食事は栄養をバランスよくとることが大事。特に、血液を作るたんぱく質や鉄は積極的にとりましょう。また、過度なストレスも生理不順の一因になるため、自分なりのリラックス法を見つけて!」(郡先生)
■女性の揺らぎに寄り添うハーブティーもおすすめ♪
\風味豊かな黒豆とルイボスをブレンド♪/
イソフラボンや鉄分など女性がとりたい成分がたっぷりイン。
\毎日飲みたくなる優しさ&おいしさ♡/
女性の心と体を考えた13種のハーブをブレンド。
年1回の婦人科検診こそ、トラブルケアの1stステップ
「生理痛や過多月経が年々ひどくなっていたら、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が隠れているかも。また、20代にも多い子宮頸がんは、かなり進行するまで自覚症状がないため、検診でしか早期発見できません。年一回の婦人科検診と子宮頸がん検診を習慣にすることこそ、トラブルケアの第一歩です」(船曳先生)
今と未来の私のために、HPVワクチンについて知っておきたい!
子宮頸がんの予防は、定期的な検診とワクチン接種で!
Q. 20代でも子宮がんになるの?
A. SEXでHPVに感染してできる子宮頸がんは、20〜30代に多い
「20〜30代に急増しているのは、子宮の入り口にできる子宮頸がん。ほとんどの原因は、性交渉によるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染です。200種類以上の型があるHPVの中で、若い世代の感染が多い16型と19型はがんになるスピードが速いので、検診での早期発見がマスト!」(船曳先生)
Q. HPVワクチンを接種するのにいくらかかる?
A. 9価ワクチンは3回で8万〜10万円。ただし17〜27歳は来年3月まで無料!
HPVの感染を約9割防ぐとされる9価ワクチンは3回接種で8万〜10万円。ただし、1997年4月2日〜2008年4月1日生まれの女性で過去に3回接種していなければ、’25年3月末まで住民票のある地域の病院で公費で受けられます。
Q. HPVワクチンの接種法は?
A. 9価ワクチンの場合、半年中に3回接種
「HPVワクチンは、通常腕の筋肉に注射します。9価ワクチンを15歳以上で初めて受ける場合、計3回の接種が必要です。2回目、3回目は、それぞれ1回目の2か月後、6か月後に受けます」(船曳先生) ※公費で接種できる(キャッチアップ接種)対象者は、9月中に1回目を接種しないと、3回目は自費による任意接種になります。
Q. HPVワクチンは20代の今からでも打つべきなの?
A. 性交渉を経験済みでも、新規感染の予防効果あり
「HPVにはたくさんの型があるので、性交渉の経験があっても、感染していない型に対してのワクチンは予防効果を期待できます。例えば9型のHPVの感染を防ぐ9価ワクチンの場合、9つのうちのどれかに既に感染していたとしても、それ以外の型の新規感染は予防できるわけです。いずれにしても、まずは子宮がん検診で感染の有無を調べることが大切。20代からは、ワクチン接種と定期的な検診をセットで考えて!」(船曳先生)
生理が重い…ワクチン打っていない気がするけど打つべきか悩む…etc. 気になることがあったら、まずは産婦人科で相談してみよう!
イラスト/caco 構成/つつみゆかり WEB構成/久保 葵