今年も1年お疲れ様でした! 年末年始のお休みに入る人も増え、帰省や旅行などに出かける人も多いはず。さて…そんなときにどうしてもつきものなのが、そう、「渋滞」です。
ところで、どうして「渋滞」って発生するのか、知っていますか?
たとえば一般道路なら「どこかの赤信号で引っかかっているのかな?」と、なんとなく想像ができます。でも、問題は信号がないはずの「高速道路」。一般道路に比べて止まるポイントはほとんどないはずなのに、どうしてあんなに何十kmにも渡る長い長い渋滞が起きてしまうのでしょうか。
というわけで、関東~北海道までの高速道路を管理しているNEXCO東日本のご担当者の方に「渋滞発生の謎」についてうかがいました。
渋滞の先頭って、何が起きてるの?高速道路で渋滞が発生する理由
【1】そもそも、「渋滞」の基準ってなんですか?
まず「一般道」と「高速道路」では渋滞の定義が異なっています。今回の「高速道路」の場合は、
「時速40km以下での低速走行、あるいは停止発進を繰り返す車列が1km以上&15分以上継続した状態のこと」
このように渋滞を定義しています。
【2】渋滞の原因って、なんですか?
高速道路の渋滞の原因は、大きく3つに分けると「交通集中渋滞」「工事渋滞」「事故渋滞」があります。「工事」と「事故」は、それが原因となって車線数が減少しますよね。それによって発生しています。
でも、NEXCO東日本管内では、渋滞原因の約7割が「交通集中」によるものです。連休や年末年始、お盆など、道路の容量以上に車が集中してしまうと、自然と車間距離が詰まります。そこから、気づかないくらいのスピードダウンでも渋滞につながることがあります。
【3】「渋滞の先頭」では、いったい何が起きているのですか?
交通集中渋滞のうち、約6割が上り坂、および「サグ部」で発生しています。
この「サグ部」とは、下り坂から上り坂にさしかかる凹部のことを指します。この2か所では、無意識のうちにスピードが落ちます。前の車との車間距離が詰まっているため、後ろの車は進むことができずブレーキを踏み、それがどんどん連鎖して、結果的に渋滞につながっていた……というケースが非常に多いです。
図解するとこのような感じです。
というわけで、渋滞の先頭から離れれば離れるほど、いったいなぜ渋滞しているのかわからなくなっている……という現象が発生します。
「さっきまでずっとものすごく渋滞していたはずのに、ある箇所を通過すると突然一気に進めるようになった」という経験、ありませんか? それはたいてい渋滞の原因となった上り坂やサグ部を通過したからです。
他に多いのは、接続道路からの渋滞が19%、インターチェンジ付近が11%。そう考えると、上り坂および「サグ部」が圧倒的に多くなっています。
「急に進めるようになった!」と思ったら、そこが渋滞の原因の場所ということ。もし渋滞に遭遇したら、そんな「いきなり進めるようになった場所」チェックしてみてくださいね♪